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文献名1惟神の道
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3天皇と皇帝よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考出典不明
タグ データ凡例 データ最終更新日----
ページ233 目次メモ
OBC B123900c079
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本文  我が神国日本は、開闢以来の祖国にして、万世一系の天皇これを統治し給ふ。天皇と奉称する所以は、天祖の御直系にましまして、他外国の国主の如く対立すべきもの無き至尊至貴の玉体なるが故なり。然るに古来の史策文章に神武帝、嵯峨帝、醍醐帝などと、帝の字を書きたるは最も非法なるべし。また今上皇帝などと称し奉ることも、これまた非法なるべし。本法にては、つひに帝とも皇帝とも称し給ひしことを聞かず、天皇とのみ称し給ふ。然るを天子にてさへ坐しまさば帝と称し奉り、皇帝と称し奉り、王と称し奉りても良きことと思ふは大いに非なり。支那にては、三皇は皇と称し、五帝は帝と称し、周は王と称し、秦始皇始めて皇帝と称せしより、後世これによりて改めず、その皇と称し、帝と称し、王と称し、皇帝と称せられしことあれども、そは支那に適用さるべき称号にして、我が神国に用ふべきものにあらざるべし。見よ本邦の六国史を、未だかつて天子の御諡号をつづけて帝とも皇帝とも王とも書きしこと、ただの一ヶ所も見当らず、いつとても、天皇とのみ称し奉りたり。ただし唐様にものされたる日本書紀に磐余彦之帝、水間城之王など書きし所はあれども、これも詔勅、疏奏などの文中にたまたま用ひたるばかりなり。御諡号につづけて神武帝、応神帝などと称せしことは決して無し。然るに近代歴々たる博士らもこれを混称する人多く、非礼のはなはだしきものなり。世俗の覚えし如くに、帝は御門、皇はスベラキ、王はオホキミ、何れもみな天子の御事ゆゑに混称しても苦しからぬ事と思惟するは沙汰の限りにして、これにましたる謬妄は無かるべし。
 これを思ひこれを考ふる時は、我が国は帝国にあらずして皇国を称ふべきなり。天立の君主にして天皇と奉称すべく、皇帝と奉称するは非礼なりと知るべし。
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