文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3雪の園部よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ5
目次メモ
OBC B129900c03
本文のヒット件数全 0 件
本文の文字数876
その他の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい
霊界物語ネット
本文
今しばし聖地をはなれ天地の道開かむと思ひさだめし
雪しばく須知山峠をうち渡り綾部の神域はなれんとせり
ひそやかに軽装調へ一月の十五日朝園部に向へり
ひさびさに花の園部に来てみれば古き信徒よろこび集ひ来
鴬の篭を出でたる心ちして妨害もなく道開きゆく
船井郡園部の町はわがために印象深き清処なりけり
生身天満宮
ともかくも天満宮に詣でむとあしたの雪を踏みつつ出でゆく
天満宮石の階段のぽりゆけば雪に残れる下駄の歯のあと
階段の雪ふみわけて登りゆけば首に落ちこむ松ケ枝の雪
首すぢにひやりとかかる崩れ雪の冷たき朝を神前にぬかづく
由緒あるこの地に道を開かむと神の御前にわれは祈れり
何となく心すがしき雪ばれの社の階段しづしづ下る
井上牧場
天神町わがすみなれし牧場の乳牛みむとたち寄りにけり
井上の牧場日日に繁栄しホロスタインやデボン種の牛のみ
井上は牧畜場を人の手に渡して獣医を専業となせり
惟平翁
歌の師の惟平翁に謁せむと雪のあしたを南陽寺に入る
南陽寺楚玉禅師はいで迎へ父まめなりとにこにこ語れり
ひさびさによくたづねしと楚玉氏は喜び朝飯すすめ給へり
朝飯をすませて惟平先生の居間にすすめばよく来しと宣らせり
綾部にはもう帰るなと惟平翁は言葉つくしてひき止め給ひぬ
妊娠の妻ある身なれば絶対に帰らぬわけにはゆかずと答へり
妻も子も園部へつれて来れよと禅師とともに進めてやまず
師の君と和歌に関する話など筆談なして時うつりけり
師の君は耳しひにしてかん高き声をしぽりてはなし給へり
わが言葉筆にせざれば師の君の腹に入らぬをもどかしみけり
再会を約してわれは南陽寺雪つむ庭をたち出でにけり
本町奥村方
園部村木崎の支部にたちよれぱ浅井はな子は喜び迎ふ
何時までも綾部にをらず道のため園部にいませとしきりにすすむる
本町の奥村主人とひ来りわが家に来れとしきりに誘ふ
浅井はなを伴ひ本町奥村の館に入りて道をときたり
日並べてわれ道とけぱ近村の人つぎつぎに集り来る
集ひ来る人の多きに奥村は離座敷をかしてくれたり
奥村の離座敷に神まつりわれ道とけば日々に栄ゆる
山陰道の気候は寒く園部町の一月の日は雪ふりつづくる