文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3父娘昇天よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ32
目次メモ
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本文
夜の明くる頃やうやくに溺死者の身柄はポツカリ浮き上りけり
この人は三百代言森亨病苦のために身投げせしなり
吾かつて園部にありし頃よりも親しく交りし友なりにけり
この人は占星術に妙を得てわが運命を予言したりき
古の友にはあれど捨て難く葬式万事斡旋をなす
亨氏にただ一人の娘あり親族とては一人もなし
百余日病床にありしを町人はたがひに看護をなしゐたるなり
町人は森氏の身投げに驚きてうろたへさわぐばかりなりけり
小麦山修業の場所に現はれしは森亨氏の火の玉なりしか
臨終に対して森氏の霊魂は火玉となりて現はれしならむ
この事を思ひ浮べて恐ろしくわれなりにつつあつく葬る
一人娘
七才の一人娘は泣き叫び袖にすがりて吾れをはなさず
七才の京子を救ふ力なくわれ叔父の家にあづけたりけり
吾が叔父は船岡妙霊教会の教導職を務め居たりき
わが叔父の清六事情を聞き終り涙流しつあづかりくれたり
この京子父の百日祭の日に神の御前に伏しつつ頓死す
天界通信
亨氏の霊はその後三四度吾が枕辺に現はれ感謝す
うつらうつら園部の館に眠りをれば亨氏の霊来りて語る
一人の子の行末を案じつつ草葉のかげに迷ひ居しといふ
父も子も皆幽世に入りしより心安しとほほゑめりけり
やうやくに父子は第三天国の門に入りしとつぶさに語る
一人の子にひかされて八衢に一百日を迷ひ居しといふ
吾れは今天国に入る霊なれば再び会はずと別れを告げたり
世人より三百代言と罵られまづしかりし人天国に昇りぬ
亨氏は三百代言なし居れど心きたなき人にはあらず
産土の天満宮に朝夕をかかさず詣でし信仰者なり
耳少し遠かりし人も天国に入りたる後は聞えたるらし