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文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3信教の自由よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ43 目次メモ
OBC B129900c11
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本文 新緑のもゆる胡麻野を吹きて来し風は重たく雨気ふくめり
あちこちと山のはざまにおそ桜咲き残りつつ初夏は来向ふ
菜の花の黄色く匂ふ田圃道を蝶の遊べる春日和なり
晩春の風はほのぼの麦畑をよぎりて田中が家の窓に匂ふ
   巡査の圧迫
サーベルをがちやつかせつつ胡麻郷の駐在巡査入り来りけり
官許なく人を集むる事ならじと目をいからして信者を追ひ出す
帰らずともよしと信者をなだめをれば巡査怒りてねめつけにけり
その方は何者なるかと威猛高に住所姓名たづね出したり
無学なる田舎の人間たぶらかし寄附金とると妙なこといふ
   反則
寄附金をどこでとりしかと反問すればアーンと言つて巡査は空むく
ともかくも官許なくして宗教の宣伝ならぬと暴言を吐く
信教の自由を得たるわれわれは警吏の容喙耳にせずと答ふ
ともかくも園部警察へ引致すと息まく巡査のいもり姿よ
佩剣をチヤラツカせつつ井の底のいもり立ち上りたる如きスタイル
八の字の髯をひねくりこの巡査鼻息荒く園部へ来よと言ふ
わが住所園部にあれば一人ゆきてわれの素性を調査あれと答へし
信教の自由を細々説ききかせ巡査を遂に沈黙させたり
   村人の恐れ
この日より信者は来らずなりゆきて田中の家は淋しくなれり
二三日田中の家にありつれど田舎の人々恐れて来らず
法律の真意を知らぬ警官がわが宣伝をさまたげにけり
庭の面に芍薬の花は咲きてをりこの晩春は静かに暮るる
重吉は巡査の圧迫に驚きて再び病気勃発なしたり
村人はかげにて小言言ひながら巡査のたたりを恐れて黙せり
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