文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3月照山よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ128
目次メモ
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本文
百丈の巨岩わが前をふさぎつつ進むすべなき吾のかなしさ
天津祝詞声をかぎりに宣りつれば解消したり千引の大岩
老松の梢はひくく地に垂れて大いなる蛇うづくまりをり
試練
恐ろしき大蛇は火炎の舌はきて凄じくも吾に迫らむとせり
意外なるこの光景に魂のわが身にそはぬおもひせりけり
帰らむとあとふり返り眺むれば吾は巨岩の上に立ちをり
恐る恐る谷底のぞけば靄こめてあやしき叫び声のきこゆる
後みれぱ幾千丈の断崕よ前には大蛇火をふきてをり
これこそはいよいよ地獄の光景と心をののき身はちぢまりぬ
一心不乱神言のれぱ千仞の谷間も大蛇もあとなく消えたり
瑞の神霊
百千花ところせきまで咲きいでて蘭麝のかをり送る夏風
忽然と以前の女神わが前に金衣まとひてたたせ給へり
吾こそは汝の霊魂とのらせつつわが体内にとけ入り給へり
天ケ下一手に握りし心地して元気はとみに加はりにけり
よくみれば月照山の頂きに月光あびつ突立ちてをり
いつまでもこの夢さめずあれかしと心ひそかに祈りゐたりき