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文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3「生神来阪」よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ188 目次メモ
OBC B129900c37
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本文 棟梁の妻の病のなほりしと聞きて町人つぎつぎとひ来る
丹波より生神様の来阪とうわさ高まり日日に賑はふ
卯之助の館はたちまち教会のごとく信徒集ひ来にけり
   混交教師
混交教会教師は片臂いからして阪卯の家にまかりこしたり
この教師面ふくらせて座に直り何故邪神を祀りしかとどなる
卯『祀つても金を出しても拝んでもおかげのない神信仰はできぬ』
教『神徳は心でもらへるお前さんおかげ落さぬやうになされよ』
卯『落すとてもらへぬお蔭が何として落せるものか馬鹿をいふなよ
 どこまでも大本さんを祀るのだ営業宗教はやめにしたのよ』
教『気狂の婆さんの開いた神の教祀つて何になると思ふか』
ほつといてかまうておくれなピツピツと阪卯が顋をしやくるをかしさ
混交の教師はまなじりつり上げて鼻息荒くにらみ散らせり
卯『不景気な顔をするなよ金こじき今日から出入はお断りする』
神罰が当つて後悔なさるなと捨ぜりふして教師は帰れり
   小言八百
混交に金をしぼられだまされしと小言八百阪卯が並べる
卯『金神は金の神だとうまいこというてだまされ金とられました
 金をくれる神なら祀つてよいけれど金をとられる神はかなはぬ
 はじめから混交教はきらひなれど嬶アがきかんで祀つて居ました
 自我心の強い嬶故こんな目にあふまで改心できぬと見えます』
   阪卯の感激
卯『混交の悪魔を払うて大本の誠の神にあうた嬉しさ』
女房は衣紋つくろひ座に直りごもつともよとあやまりてをり
卯之助は得意然たる面持に大本ばなしをまくしたてけり
詣で来る人に向ひて卯之助は大本神の神徳をとく
御神徳いやちこなれば混交をやめて大本祀れとすすむる
   ブラシ屋再訪
をりもあれブラシ屋の娘とひ来り父の危篤と泣きつつ頼む
若き女のやさしき心思ひやりわれブラシ屋の家に出でゆく
ブラシ屋の門をくぐればぷんぷんと汗くさき香のただよひてをり
氷嚢を頭にあてて高枕うさ言ばかり親爺いひをり
女房は畳に頭をすりつけてお助けあれと涙に頼めり
   神へのお詫
先日は御無礼しました神様へお詫び頼むとすすりなく妻
よしよしと軽くうべなひ枕頭に神言宣れば熱さめにけり
ブラシ屋の親爺は吾れに掌を合せお詫を頼むといひつつ泣けり
大神に神言宣れば両人は次第次第に顔色よくなりぬ
これからはわが家に泊りて神の道布教頼むと妻はこひけり
上『忙しき身なればこの家に何時までも私はとどまるわけにはゆかぬ
 熱心な阪卯の心にほだされて私はしばらく彼の家にをります』
にこにこと病める親爺は笑ひだしわが大本の神徳たたへり
   阪卯家宣教
をりもあれ阪井卯之助入り来り帰り給へとうながしてやまず
この家の夫婦にいとま告げながら阪卯の車にのりて出でゆく
卯之助の家に帰れば信徒は十七八人待ちかまへをり
一わたり神の教をとき終りー人一人に鎮魂を行ふ
をりもあれ溝口中佐剱つりてわれ迎へむと入り来りけり
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