文献名1百千鳥
文献名2よみ(新仮名遣い)
文献名3神徳感謝よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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データ最終更新日2024-10-31 18:51:00
ページ452
目次メモ
OBC B129900c75
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本文
故郷の吾が家に帰れば由松は発熱はげしくうさ言いひをり
吾が母は涙ぐみつつ由松の病状つぶさに語り給へり
病状をくはしく聞けば由松は神のいましめ受けてゐるらし
裏庭を流るる小川の真清水に身魂を清め祈願にかかりぬ
杠秤の重
由松は祈願につれてうなり出し二十貫メと解らぬことを言ふ
二十貫の杠秤の重が喉の中につまりてくるしと又ももがけり
十九貫五百の柴を二十貫と言ひて売りたる罰と自白す
一行は神の御前を由松に代りて一心不乱に祈れり
大いなる咳二ツ三ツなしながら弟由松起き上りたり
由松は杠秤の重が出ましたと自ら喉辺をなで廻しをり
恐縮感謝
兄さんのお邪魔をしたり杠秤の目を盗んだ罰と文助たしなむ
文助の言葉に弟恐縮し大声あげて泣き出だしたり
神様のお邪魔と嘘は申さぬと由松神に感謝してをり
吾が母は神の教の正しさに畏こみ両手を合しゐたまふ
遠隔鎮魂
かかるをり菟道の植村清吉ゆ危篤の急電とどきたりけり
急電によれば出張御祈願をたのむとあれど行くことかなはず
三人はゆくなゆくなと吾が袖を引き止め容易に放さざりけり
やむを得ず吾は遠隔鎮魂をなして帰綾の途につきにけり
福島も吾を綾部の大本に送りとどけて八木に帰れり
大本に帰りてあれば植村の急病いえしと謝電送り来
電報の文字面見れば植村の腹より鉄床出でしとかきあり
杠秤の重や鉄床などと面白き物が腹より出たる不思
議さ
実物の鉄床重ならずして精神的の物なりにけり
病人の感じは真の鉄床や杠秤の重と思へるならむ
杉の神霊
隣家の垣根の杉は枝茂り吾が庭の面をふさぎてせまし
あまりにも庭の面の暗ければ慶太郎は枝を伐らむとなせり
御開祖はこの様を見てこの杉に神霊いませば伐るなと宣らせり
御開祖の訓示を忘れ慶太郎はすぽりと枝を伐り払ひたり
その日より慶太郎俄かに発熱し睾丸病をわづらひにけり
朝夕に役員信者等集りて頼めど祈れど病いえずも
熱誠をこめて祈れど頼めども更にしるしは見えざりにけり
慶太郎は益ます苦悩をうつたへて瀕死の境に落ち入りにけり
御開祖は杉の木かげに立よりて何か小声に祈り給ヘり
御開祖の祈願の済みしころよりも慶太郎の病軽くなりたり
四五日をたてば出口の慶太郎全快せしと神前に仕ふる
御開祖の神徳現れ給ひしと役員信者は感謝にむせべり
吾もまた神の御前にひれ伏して大御恵を感謝したりき