【新着情報】Onido新著『神眼で読む霊界物語』ヒカルランド社から新発売！
文献名１歌集・日記
文献名２よみ（新仮名遣い）
文献名３言華よみ（新仮名遣い）
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日2025-10-18 22:22:22
ページ下巻 24
目次メモ
OBC B145400c53
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本文の文字数4791
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本文
既成宗教の殼を破りて現代に適合したる大本の道
死神死仏唐土の海に投棄して新たに生ける大本の道
神祀り仏斎くを生活の資料となせる既成宗教
宗教に覚めし石川舜臺氏のわれ霊前に誅言を宣る
生活の資料とせざる宗教はわが大本をおきて他になし
宗教は時代的精神を支配する生きたる教ならざるべからず
現代の既成宗教ことごとく時代精神に支配されおり
満蒙の事変に対し微弱なる活動力なき既成宗教
活動力なき宗教はことごとく排除し生きたる道を開かむ
安閑と長夜の夢のまだ醒めぬ時代遅れの既成宗教
偽りの涙の声をふりしぼり狸坊主が婆嬶いつはる
ああ天の父よと弱き声音にて青空祈る牧師の愚劣さ
顕斎と幽斎の区別知らずして神社を謗る牧師の盲目よ
祭典は報本反始の大道と知らずに謗る耶蘇の牧師等
祭典は神に対して忠となり祖先に対して孝となるなり
忠孝の道を踏みゆく人ならば先づ天地の神を祀らむ
天地万有森羅万象造りたる元津御神はまことの祖神
祖神の恵みなくして天地に栄え得べきや人の身魂は
満洲の野に働ける宣使等の労苦思ひて夜も眠らず
宗教の真諦さへも知らずして腐肉を包む錦襴の袖
十万の円き頭を悉く綱を通して数珠となさばや
上も下も行き詰りたる現代に別世界なる坊主が徒食す
釈迦の教一切滅びて伽藍堂は狐狸の巣窟となる
かくまでも無霊無力と思わざりき色と金との既成宗教
千早振る神の御国を悉く曇らせにけり既成宗教
日の本は神の造りし神の国神より外に斎くものなし
村肝の心きたなき僧侶等は葬式料をとりて酒食す
屍を墓場に送りて衣食するきたなき葬霊会社の坊主よ
極楽と地獄の有無を答へ得る僧侶牧師は今の世になし
牧師先づ地獄におちて信者を地獄に導く末世なりけり
盲目坊主めくらの手をばひきながら共に地獄におちゆくあはれ
先年の世界戦争に耶蘇教は無能無力を暴露なしけり
愛善の真心持たぬ宗教家のいかで世人を救ひ得べけむ
かりごもの乱れ果てたる地の上に光の神はあれましにけり
東より輝く光りを西洋人も持ちつつ光のありかを知らず
東方の光となりて現はれし誠の神は伊都能売の魂
地の上の世界の悩み知らぬがに呑気なるかな既成宗教
婆嬶の虎の子ねらふより他に何も知らない狸坊主よ
ぷんぷんと鼻もちならぬ体魂を錦襴の袖に包む蛸かな
百八煩悩数珠つまぐりて蛸坊主南無阿弥陀仏と空言をいふ
み仏の極楽浄土を説きながら医者を力とする坊主かな
大本は生きたる神の御教なり天地万有みな生かさむとする
不老不死の神に仕ふる神の子は霊の生命もとこしへなるべし
幾万劫の昔も今も変りなく栄えまします元津祖神
世を汚す既成宗教言向けて生ける誠の神斎かばや
大神の内流を得て地の上に光あまねき伊都能売の魂
内在の神の光を現はして烏羽玉の世をくまなく照らさむ
数千年前昔の教を現代に照らさむとする坊主の愚劣さ
医学科学既成宗教に迷ひたる文明人のあきめくらかな
宗教家も医者も学者も百年の生命を保つは稀なりにけり
千早振る神の光をまつぶさに地上に照らさむわが願ひなり
芸術は宗教の母とわれはいふ芸術なければ宗教もなし
宗教の尖端をきる大本はまた芸術の尖端をきる
定型律短歌に馴れて自由律短歌作るは易々たる業なり
定型律短歌も捨てじ自由律短歌にわれは意思を表示す
雅なる定型律短歌も捨て難し新興短歌は生活歌によし
完全にイデオロギ一を表はすは新興短歌に勝るものなし
日々の生活つぶさに詠み得るは新興短歌の力なりけり
万葉の歌を唯一の基礎として寝言のみ言ふ淋しき歌人よ
現代の歌壇の人のおほかたは虫の食ひたる思想をもてり
百余社の歌壇に入りて歌人等の世におくれたるを淋しみにけり
解散の風吹きすさぶ気配して騒ぎ出したり蛙の卵は
○
号令を大御心とかしこみて敵に突き入る決死の勇士
玉の緒の命をかけて敵陣に突き入る兵士の無心の境域
生命を心に懸けず君の為め御国の為めに進む軍兵
血と食に飢ゑたる匪賊に突貫のそのたまゆらは神に等しき
大君と御国を思ふ真心の凝りてし強き日本の軍兵
今死ぬる瞬間までも大君を心に離さぬ日本武士
大切な生命を国に捧ぐより勝る兵士の誠はあらず
あひ難き此世の生命を鴻毛の軽きと比する日本武夫
猛獣の血に飢ゑし如き支那兵をうちきためんと伊猛けるもののふ
愛善の道をひろむるわれながら支那の暴状こらしたく思ふ
連盟の袖にすがりて日の本をなやめむとする醜の民国
孔孟の道はいつしか滅び果てて巧言令色のみのからくに
東洋の平和のために満蒙に基礎を固めよ日の本の国
個人的に発達すれど団結の力のうすき支那は危し
黄金のためには非理を敢てする支那国民の目を醒ましたし
大君の御稜威輝く時は来ぬ満洲事変の連戦連勝
満洲の野に愛善旗ひるがへし世界平和のさきがけをなす
愛善旗向ふところは敵もなし何国人もゑらぎ集ひ来
半身不随支那の巨体を日の本の名医の薬に癒やさんと思ふ
漸くに平定したる満洲も心許せぬ時となりけり
愛善の道の光は満洲のすみずみまでも輝きにけり
わがたてし愛善の道をうべなひて人種の異同を問はず慕ひ来
日の出づる国に居ながら満蒙の天地にわが魂時じく通ふ
愛善の光に世人を救はむとあした夕べを寝食忘るる
来るべき世界の悩み思いつつ愛善の道説き明かすなり
愛善の神の守らす神国を夢にも知らぬ日本人かな
国人の心日に夜に乱れ果てあらぬかたへと流れ行くかも
乱れ行く世を救はんと三十年の昔ゆわれは道にいそしむ
教育の方針いつか外国のふりに倣ひて世は乱れゆく
地の上の人々ことごと教ゆべきわが日の本は神国なりけり
神国の教をよそに外国を此上なくあがむる醜のものしり
東の空に黒雲たちこめて今夜嵐の吹かむとぞする
芦原の中津御国は雨か将風吹くらんか犬の高吠え
やがて今お玉杓子の騒ぐらむ風吹きすさむあしはらの中
犬豚を何の苦もなく蹴飛ばして満蒙踏まへしあしはらの国
地の上の有りとあらゆる宗教は愛と善との仮面かぶれり
現代の歌壇を覗きて内容の貧弱なるにわれ驚けり
高山の強き嵐にあふられてやがて蛙はかげをひそめむ
山おろし来らんとするこの春を胸おどらせつ蛙叫べり
草枕旅の温泉に浸りつつ静心なし世の状思へば
信徒のわれを見送る駅頭に涙しぼりぬ汽車の窓べを
愛善の心世界に満ちぬればこの世は忽ち地上天国
愛善の誠の熱に生きながら永遠に生きなむこの天地を
やがて来む神代の柱を定めんと旅のまくらを重ねつつゐる
霊力体三大原素まつぶさに説きさとしたる大本の教
野天狗が偽善のマスクを鼻にかけ脚下知らずに落つる泥溝
錆付きし外国たましひの宗教者が宣る言霊の濁りたるかな
愛信の魂失ひし宗教家の冷たき言葉は氷柱に似たるも
自己愛の外に物なき新歌人の歌はいづれも血なま臭きもの
朝夕の命の糧を求ぎながら魂の生命の餌を忘れ居り
霊魂の命養ふ事知らば肉の保存は介意に及ばず
久方の神は更なり虫けらをかばふ心は愛善の道
既成宗教数多あれども愛善の二字を捨つれば何ものもなし
愛善を口に唱へて実行の伴はざるは既成宗教
地の上の国のことごと愛善の実行力に導き行かむ
千早振る神代ながらの大本の教ひらきし教祖かしこし
大本の神に仕へて三十年を昨日の如く思わるるわれ
石の上古き神代の神神の世に出でまさむ時は来れり
天津空仰げば高し月冴ゆるこの夕暮に教祖を思ふ
鳥が鳴く東の空に風立ちて雲の行きかひしげき御代なり
群星の光圧して山の端に輝き昇る月ぞ待たるる
並山の頂雪に包まれて吹く風寒き北国の旅
白山の雪消ゆるともわが誓ひたがふべきやはみろくの御代まで
大神のみあらか仕へまつらむと臥龍の山に登る雪の日
日本海眼下に見おろす金沢の臥龍の山の雪は冷たし
とがりたる心抱きて月見ればいつの間にかはまるめられ居り
烏羽玉の闇の帳も破れたり月山の端に昇りそめてゆ
東の山の黒雲押しわけて月の出づれば下界明るし
落葉松の冬の梢を照しつつ望の夜の月昇りそめたり
木の下に静にひそむ清朗の月の昇らむ時は近めり
黒雲に日は包まれてかげ暗しはや昇れかし望の夜の月
神愛と神信なくば地の上に何業なすも成らずと知るべし
目に見えぬ神を斎きて目に見ゆるわれは偉業に尽さむと思ふ
目に見えず耳に聞こえぬ神ながら心強きも拝み居れば
宗教も教育政治もことごとく世を救ふべき格失へり
新しき生きたる政治教育や宗教をさとす大本の道
人間は行くところまで行かざればさとり得ざらむ誠の道を
天津神の肉の宮なる人間を猿の子孫といふ学者あり
人間の知識は曇り情ねぢれ天地ますます曇り行くなり
あまりにも月の光の強ければ深山路ゆくも安かりにけり
天心に澄みきる月の姿こそ愛と善との鏡なるらむ
暑からずまた寒からず地の上に恵みの露を降らす月光
天も地もただ一輪の月光に生きの生命を保つなりけり
有らざらむ噂立てられ三十年を神の大道につくし来しわれ
六感の力さへなき学者等が心霊科学に世を迷はすも
認識もなき鼻高が傲然と心霊科学の翻訳をなす
西洋の詐術を誠と信じつつ翻訳の労を惜しまぬ学者等
西洋人の手品の種をかりあつめ心霊科学といふぞをかしき
兇党界の悪霊どもに偽られ幽霊写真を写し喜ぶ
経済学の活用を知れる政治家のただ一人なき現代は淋し
積極主義消極主義と謳ひつつ実行あがらぬ政治家のみなる
経済の運用知らぬ政治家の上に立つ世は禍なるかな
収入支出算盤玉ははじけども経済学にうとき政治家
我利我欲のみに心を曇らせて誠の道をふまぬ国民
黄金の力のみにて治めんとする政治家の愚劣にあきれる
愛善の道に世人を教へゆく秘策を知らぬ政治家をあはれむ
国民の和合一致は愛善の道行ふに勝るものなし
人の和をよそに政治をなす人の心の空を包む黒雲
地の上に君臨すべき日の本の使命を解せぬ政治家のみなる
何一つ権威を持たぬわれにして光投げたり外国国まで
山野河海おつる隈なく皇神の愛の御恵み充ち足らひけり
言の葉の通はぬ国の人々にも通ふは誠の心のみなる
大御代の恵みあまねしあしびきの山の奥まで輝く電燈
居ながらに外国人とも話する生代足代をかたじけなみ思ふ
野に山に神の恵みは満ち充てり天津日光のとどく限りは
春はよし夏もまたよし秋もよし冬さり来れば力養ふ
森羅万象雌伏の冬を嬉しみてわれ堂堂と道に働く
国民の起つべき時は来れども長夜の夢のさめぬ春なり
日の本の国を忘れて外国に黄金あづけしブルジヨア臍噛む
国民のなやみ思はずブルジヨアが自己愛の欲に魂を腐らす
口先で如何に説くとも今の世はつゆきくらげの耳なりにけり
愛すべき国を忘れて無生機の黄金を愛するきたなき長者よ
愛善の誠は人の宝なり身魂安けく永遠に生くれば
限りある肉の生命を惜しまずに永遠のみたまの生命を惜め
襲ひ来る百のなやみにうちかちてわれ愛善の道に生くるも
生き生きて生きの限りを神と君に仕へまつらむ力なき身も
産土の神に親しむ人の家は百の曲霊も襲ふ隙なし
大名牟遅少名彦神教へたる温泉の幸おもふ旅の疲れに
滾滾と真清水のごと湧き出づる温泉の里に天恩を思ふ
いたづきの身を温泉に浸しつつおもひを遠く満蒙に馳す
満洲の野に働けるはらからの状ありありとわが目にをどる
世の為に六千人の宣伝使夜を日についで働く雄雄しさ
綾の里天恩郷と代る代るわれ大道のためにいそしむ
大道をあまねく世人に示さんと人類愛善新聞を刷る
さとすべき事は山山ありながら聞く耳もたぬ日本国民
言の葉の限りつくして教ゆれど今の世人に聞く力なき
低級な学理の他は今の世の学者の頭脳に消化力なし
絶対の真理さとせば現代の低脳学者は嘲笑ふのみ
人を見て法を説くてふ諺を実にも実にもとわれ感じたり
第二流三流にある国民の議員となりて騒ぐ闇世なり
石碑に前大臣の名を刻み得得たる世は禍なりけり
内閣の更迭間際はほむれども二月経れば世人罵る
大君の大御心を奉戴しあやふく内閣留任となる
今の世の行詰りみな国民の教育法を誤りし罪
教育を根本革正なさざればわが神国は危ふかるべし
外国ゆあらぬ教の渡り来てわが国民の心乱せり
ロシヤ国顛覆させたるマルクスを神国に入るるはゆゆしき禍
貧弱な頭脳をもちて道の歌月月作るは苦しと思へり
神の国雑誌の為めに世の為めに頭しぼりし歌はまづかり
（昭和七・一・二〇）
死神死仏唐土の海に投棄して新たに生ける大本の道
神祀り仏斎くを生活の資料となせる既成宗教
宗教に覚めし石川舜臺氏のわれ霊前に誅言を宣る
生活の資料とせざる宗教はわが大本をおきて他になし
宗教は時代的精神を支配する生きたる教ならざるべからず
現代の既成宗教ことごとく時代精神に支配されおり
満蒙の事変に対し微弱なる活動力なき既成宗教
活動力なき宗教はことごとく排除し生きたる道を開かむ
安閑と長夜の夢のまだ醒めぬ時代遅れの既成宗教
偽りの涙の声をふりしぼり狸坊主が婆嬶いつはる
ああ天の父よと弱き声音にて青空祈る牧師の愚劣さ
顕斎と幽斎の区別知らずして神社を謗る牧師の盲目よ
祭典は報本反始の大道と知らずに謗る耶蘇の牧師等
祭典は神に対して忠となり祖先に対して孝となるなり
忠孝の道を踏みゆく人ならば先づ天地の神を祀らむ
天地万有森羅万象造りたる元津御神はまことの祖神
祖神の恵みなくして天地に栄え得べきや人の身魂は
満洲の野に働ける宣使等の労苦思ひて夜も眠らず
宗教の真諦さへも知らずして腐肉を包む錦襴の袖
十万の円き頭を悉く綱を通して数珠となさばや
上も下も行き詰りたる現代に別世界なる坊主が徒食す
釈迦の教一切滅びて伽藍堂は狐狸の巣窟となる
かくまでも無霊無力と思わざりき色と金との既成宗教
千早振る神の御国を悉く曇らせにけり既成宗教
日の本は神の造りし神の国神より外に斎くものなし
村肝の心きたなき僧侶等は葬式料をとりて酒食す
屍を墓場に送りて衣食するきたなき葬霊会社の坊主よ
極楽と地獄の有無を答へ得る僧侶牧師は今の世になし
牧師先づ地獄におちて信者を地獄に導く末世なりけり
盲目坊主めくらの手をばひきながら共に地獄におちゆくあはれ
先年の世界戦争に耶蘇教は無能無力を暴露なしけり
愛善の真心持たぬ宗教家のいかで世人を救ひ得べけむ
かりごもの乱れ果てたる地の上に光の神はあれましにけり
東より輝く光りを西洋人も持ちつつ光のありかを知らず
東方の光となりて現はれし誠の神は伊都能売の魂
地の上の世界の悩み知らぬがに呑気なるかな既成宗教
婆嬶の虎の子ねらふより他に何も知らない狸坊主よ
ぷんぷんと鼻もちならぬ体魂を錦襴の袖に包む蛸かな
百八煩悩数珠つまぐりて蛸坊主南無阿弥陀仏と空言をいふ
み仏の極楽浄土を説きながら医者を力とする坊主かな
大本は生きたる神の御教なり天地万有みな生かさむとする
不老不死の神に仕ふる神の子は霊の生命もとこしへなるべし
幾万劫の昔も今も変りなく栄えまします元津祖神
世を汚す既成宗教言向けて生ける誠の神斎かばや
大神の内流を得て地の上に光あまねき伊都能売の魂
内在の神の光を現はして烏羽玉の世をくまなく照らさむ
数千年前昔の教を現代に照らさむとする坊主の愚劣さ
医学科学既成宗教に迷ひたる文明人のあきめくらかな
宗教家も医者も学者も百年の生命を保つは稀なりにけり
千早振る神の光をまつぶさに地上に照らさむわが願ひなり
芸術は宗教の母とわれはいふ芸術なければ宗教もなし
宗教の尖端をきる大本はまた芸術の尖端をきる
定型律短歌に馴れて自由律短歌作るは易々たる業なり
定型律短歌も捨てじ自由律短歌にわれは意思を表示す
雅なる定型律短歌も捨て難し新興短歌は生活歌によし
完全にイデオロギ一を表はすは新興短歌に勝るものなし
日々の生活つぶさに詠み得るは新興短歌の力なりけり
万葉の歌を唯一の基礎として寝言のみ言ふ淋しき歌人よ
現代の歌壇の人のおほかたは虫の食ひたる思想をもてり
百余社の歌壇に入りて歌人等の世におくれたるを淋しみにけり
解散の風吹きすさぶ気配して騒ぎ出したり蛙の卵は
○
号令を大御心とかしこみて敵に突き入る決死の勇士
玉の緒の命をかけて敵陣に突き入る兵士の無心の境域
生命を心に懸けず君の為め御国の為めに進む軍兵
血と食に飢ゑたる匪賊に突貫のそのたまゆらは神に等しき
大君と御国を思ふ真心の凝りてし強き日本の軍兵
今死ぬる瞬間までも大君を心に離さぬ日本武士
大切な生命を国に捧ぐより勝る兵士の誠はあらず
あひ難き此世の生命を鴻毛の軽きと比する日本武夫
猛獣の血に飢ゑし如き支那兵をうちきためんと伊猛けるもののふ
愛善の道をひろむるわれながら支那の暴状こらしたく思ふ
連盟の袖にすがりて日の本をなやめむとする醜の民国
孔孟の道はいつしか滅び果てて巧言令色のみのからくに
東洋の平和のために満蒙に基礎を固めよ日の本の国
個人的に発達すれど団結の力のうすき支那は危し
黄金のためには非理を敢てする支那国民の目を醒ましたし
大君の御稜威輝く時は来ぬ満洲事変の連戦連勝
満洲の野に愛善旗ひるがへし世界平和のさきがけをなす
愛善旗向ふところは敵もなし何国人もゑらぎ集ひ来
半身不随支那の巨体を日の本の名医の薬に癒やさんと思ふ
漸くに平定したる満洲も心許せぬ時となりけり
愛善の道の光は満洲のすみずみまでも輝きにけり
わがたてし愛善の道をうべなひて人種の異同を問はず慕ひ来
日の出づる国に居ながら満蒙の天地にわが魂時じく通ふ
愛善の光に世人を救はむとあした夕べを寝食忘るる
来るべき世界の悩み思いつつ愛善の道説き明かすなり
愛善の神の守らす神国を夢にも知らぬ日本人かな
国人の心日に夜に乱れ果てあらぬかたへと流れ行くかも
乱れ行く世を救はんと三十年の昔ゆわれは道にいそしむ
教育の方針いつか外国のふりに倣ひて世は乱れゆく
地の上の人々ことごと教ゆべきわが日の本は神国なりけり
神国の教をよそに外国を此上なくあがむる醜のものしり
東の空に黒雲たちこめて今夜嵐の吹かむとぞする
芦原の中津御国は雨か将風吹くらんか犬の高吠え
やがて今お玉杓子の騒ぐらむ風吹きすさむあしはらの中
犬豚を何の苦もなく蹴飛ばして満蒙踏まへしあしはらの国
地の上の有りとあらゆる宗教は愛と善との仮面かぶれり
現代の歌壇を覗きて内容の貧弱なるにわれ驚けり
高山の強き嵐にあふられてやがて蛙はかげをひそめむ
山おろし来らんとするこの春を胸おどらせつ蛙叫べり
草枕旅の温泉に浸りつつ静心なし世の状思へば
信徒のわれを見送る駅頭に涙しぼりぬ汽車の窓べを
愛善の心世界に満ちぬればこの世は忽ち地上天国
愛善の誠の熱に生きながら永遠に生きなむこの天地を
やがて来む神代の柱を定めんと旅のまくらを重ねつつゐる
霊力体三大原素まつぶさに説きさとしたる大本の教
野天狗が偽善のマスクを鼻にかけ脚下知らずに落つる泥溝
錆付きし外国たましひの宗教者が宣る言霊の濁りたるかな
愛信の魂失ひし宗教家の冷たき言葉は氷柱に似たるも
自己愛の外に物なき新歌人の歌はいづれも血なま臭きもの
朝夕の命の糧を求ぎながら魂の生命の餌を忘れ居り
霊魂の命養ふ事知らば肉の保存は介意に及ばず
久方の神は更なり虫けらをかばふ心は愛善の道
既成宗教数多あれども愛善の二字を捨つれば何ものもなし
愛善を口に唱へて実行の伴はざるは既成宗教
地の上の国のことごと愛善の実行力に導き行かむ
千早振る神代ながらの大本の教ひらきし教祖かしこし
大本の神に仕へて三十年を昨日の如く思わるるわれ
石の上古き神代の神神の世に出でまさむ時は来れり
天津空仰げば高し月冴ゆるこの夕暮に教祖を思ふ
鳥が鳴く東の空に風立ちて雲の行きかひしげき御代なり
群星の光圧して山の端に輝き昇る月ぞ待たるる
並山の頂雪に包まれて吹く風寒き北国の旅
白山の雪消ゆるともわが誓ひたがふべきやはみろくの御代まで
大神のみあらか仕へまつらむと臥龍の山に登る雪の日
日本海眼下に見おろす金沢の臥龍の山の雪は冷たし
とがりたる心抱きて月見ればいつの間にかはまるめられ居り
烏羽玉の闇の帳も破れたり月山の端に昇りそめてゆ
東の山の黒雲押しわけて月の出づれば下界明るし
落葉松の冬の梢を照しつつ望の夜の月昇りそめたり
木の下に静にひそむ清朗の月の昇らむ時は近めり
黒雲に日は包まれてかげ暗しはや昇れかし望の夜の月
神愛と神信なくば地の上に何業なすも成らずと知るべし
目に見えぬ神を斎きて目に見ゆるわれは偉業に尽さむと思ふ
目に見えず耳に聞こえぬ神ながら心強きも拝み居れば
宗教も教育政治もことごとく世を救ふべき格失へり
新しき生きたる政治教育や宗教をさとす大本の道
人間は行くところまで行かざればさとり得ざらむ誠の道を
天津神の肉の宮なる人間を猿の子孫といふ学者あり
人間の知識は曇り情ねぢれ天地ますます曇り行くなり
あまりにも月の光の強ければ深山路ゆくも安かりにけり
天心に澄みきる月の姿こそ愛と善との鏡なるらむ
暑からずまた寒からず地の上に恵みの露を降らす月光
天も地もただ一輪の月光に生きの生命を保つなりけり
有らざらむ噂立てられ三十年を神の大道につくし来しわれ
六感の力さへなき学者等が心霊科学に世を迷はすも
認識もなき鼻高が傲然と心霊科学の翻訳をなす
西洋の詐術を誠と信じつつ翻訳の労を惜しまぬ学者等
西洋人の手品の種をかりあつめ心霊科学といふぞをかしき
兇党界の悪霊どもに偽られ幽霊写真を写し喜ぶ
経済学の活用を知れる政治家のただ一人なき現代は淋し
積極主義消極主義と謳ひつつ実行あがらぬ政治家のみなる
経済の運用知らぬ政治家の上に立つ世は禍なるかな
収入支出算盤玉ははじけども経済学にうとき政治家
我利我欲のみに心を曇らせて誠の道をふまぬ国民
黄金の力のみにて治めんとする政治家の愚劣にあきれる
愛善の道に世人を教へゆく秘策を知らぬ政治家をあはれむ
国民の和合一致は愛善の道行ふに勝るものなし
人の和をよそに政治をなす人の心の空を包む黒雲
地の上に君臨すべき日の本の使命を解せぬ政治家のみなる
何一つ権威を持たぬわれにして光投げたり外国国まで
山野河海おつる隈なく皇神の愛の御恵み充ち足らひけり
言の葉の通はぬ国の人々にも通ふは誠の心のみなる
大御代の恵みあまねしあしびきの山の奥まで輝く電燈
居ながらに外国人とも話する生代足代をかたじけなみ思ふ
野に山に神の恵みは満ち充てり天津日光のとどく限りは
春はよし夏もまたよし秋もよし冬さり来れば力養ふ
森羅万象雌伏の冬を嬉しみてわれ堂堂と道に働く
国民の起つべき時は来れども長夜の夢のさめぬ春なり
日の本の国を忘れて外国に黄金あづけしブルジヨア臍噛む
国民のなやみ思はずブルジヨアが自己愛の欲に魂を腐らす
口先で如何に説くとも今の世はつゆきくらげの耳なりにけり
愛すべき国を忘れて無生機の黄金を愛するきたなき長者よ
愛善の誠は人の宝なり身魂安けく永遠に生くれば
限りある肉の生命を惜しまずに永遠のみたまの生命を惜め
襲ひ来る百のなやみにうちかちてわれ愛善の道に生くるも
生き生きて生きの限りを神と君に仕へまつらむ力なき身も
産土の神に親しむ人の家は百の曲霊も襲ふ隙なし
大名牟遅少名彦神教へたる温泉の幸おもふ旅の疲れに
滾滾と真清水のごと湧き出づる温泉の里に天恩を思ふ
いたづきの身を温泉に浸しつつおもひを遠く満蒙に馳す
満洲の野に働けるはらからの状ありありとわが目にをどる
世の為に六千人の宣伝使夜を日についで働く雄雄しさ
綾の里天恩郷と代る代るわれ大道のためにいそしむ
大道をあまねく世人に示さんと人類愛善新聞を刷る
さとすべき事は山山ありながら聞く耳もたぬ日本国民
言の葉の限りつくして教ゆれど今の世人に聞く力なき
低級な学理の他は今の世の学者の頭脳に消化力なし
絶対の真理さとせば現代の低脳学者は嘲笑ふのみ
人を見て法を説くてふ諺を実にも実にもとわれ感じたり
第二流三流にある国民の議員となりて騒ぐ闇世なり
石碑に前大臣の名を刻み得得たる世は禍なりけり
内閣の更迭間際はほむれども二月経れば世人罵る
大君の大御心を奉戴しあやふく内閣留任となる
今の世の行詰りみな国民の教育法を誤りし罪
教育を根本革正なさざればわが神国は危ふかるべし
外国ゆあらぬ教の渡り来てわが国民の心乱せり
ロシヤ国顛覆させたるマルクスを神国に入るるはゆゆしき禍
貧弱な頭脳をもちて道の歌月月作るは苦しと思へり
神の国雑誌の為めに世の為めに頭しぼりし歌はまづかり
（昭和七・一・二〇）
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