文献名1出口王仁三郎著作集 第3巻 愛と美といのち
文献名2如是我観 >現代の世相よみ(新仮名遣い)
文献名3現代をいかにせんよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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現代に行なわるる既成宗教や、新宗教なるものの唱導する教義をみるに、いずれも霊肉一致の救済には大なる欠点があるようだ。某教の十戒といい、某宗の五戒といい、某宗の七カ条、某教の十二カ条、その他粟産的宗教の唱うる教義を見わたすに、いずれも倫理学の範囲を出づるものは一つもない。たまたま霊界を説き、天国浄土、地獄を説くといえども、その論旨は不徹底きわまる妄断のみで、人心を安定させる力のある教えは一つもない。
人間は、死後の世界の生涯を気づかわないものは、痴呆者でないかぎりは一人もないはずだ。下手な自然界に行なわるる倫理の模倣ばかりをもつて、宗教の真体をつかんでいるように思つている宗教家のみだ。倫理なれは倫理の教えとして布教伝導すれは、あまりに弊害も大きくならなかろうが、不徹底きわまる天国地獄説や、神罰仏責などをひねりだして、世俗を迷妄の淵におとしいれんとしているのだからたまらない。
既成宗教の権威と信用は、すでにすでに墜ち、新宗教の頻起するもまたなんらの権威なく、信望なく、旧き道徳はすたれて、新しき生命ある道徳の教えもおこらず、世俗は霊肉ともにその方向を見失い、自暴自棄の結果、神仏の存在を否定し、心魂日に月に荒廃して自己愛のみに専念し、あたかも野獣のごとく乱倫不行の徒のみ増加し、世はますます暗黒無明の軌道に向かつて、最大急行的に驀進しつつあるのである。
ああ、かかる精神界自然界の一大危機に頻し、天下万民のため万有愛護の教旗をひるがえし、舎身的大活動をこころみ、霊肉の救済に向かつて実行的運動を開始する者出でずんは、世は近き将来において猛獣毒蛇の天地と一変するは、火をみるよりも明らかなるべきは、具眼者のみとむるところである。ここにおいてか吾人は、群肓の妨害や悪罵に撓まず屈せず、人類愛のため、天国建設のため、一大獅子吼を継続し、日夜活動しつつあるのである。
(「瑞祥新聞」 大正14年9月21日)