文献名1出口王仁三郎著作集 第5巻 人間王仁三郎
文献名2第4部 歌譜心象 >王仁新輯辞典よみ(新仮名遣い)
文献名3記憶便法 英西米蘭統作歌集(その壱)(抄)よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
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ページ413
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本文
記憶便法 英西米蘭統作歌集(その壱)(抄)
本書は大正十二年八月十五日より同十八日迄四日を費やして作り上げたり。而して八木氏著の『エスペラント講習読本』より金玉の語を選出して提供したるは加藤女史なり。本書は歌としては何の価値だもなし。只心に記憶し易からしめんために、和歌の調などは省みず口から出任せに喋りおく。読者幸いに諒ぜられんことを。
大正十二年八月十八日 瑞月誌
エスペラント語
エスペラント国の人の差別も立てず天の下に開き行かなん英西米蘭統語
(この作歌集は八木氏著『エスペラント講習読本』による。揚音はーを以て示し、LとRを区別する為、Lの方には「らりるれろ」の平仮名を使用す)
第一課
エン の中に、内へ(en)
足音をそつとしのばせ泊り客に気がねしながら中エン(中縁)を行く
アる に、の方へ(al)
何々に又何方へと通ふ語はおなじ道をばアる(歩)くなりけり
イーウ 誰か、ある人(iu)
傾城に誠無しとは誰かイーウ(云う)た比翼塚をば知らぬ馬鹿者
トウイ 直ちに(tuj)
トウイ(遠い)国直ちに達す今の世は通意即達光線のごとし
カーント 歌(kanto)
歌会でカーント(巻頭)得たる嬉しさは予選に入りし時の心地す
ポーモ りんご(pomo)
ポーモ(坊も)桃一つ慾しいと云ひながらりんご畠に飛び込むクナーボ(子供)
ツエーろ 目的(celo)
ツエーろ(杖老)の身さへ目的あるものをなど若人の希望なからん
シエーろ 貝殻(selo)(注 sに^あり)
貝がらを高く吹き立て夜もすがら二人の守衛楼(シユエーろ)門を守る
セーろ 鞍(selo)
セーろー(青楼)の主人と客との板ばさみ居た丶まらずして鞍がえをする
パーヂヨ 頁(pago)(注 gに^あり)
りープロ(書籍)のパーヂヨ(頁)幾度も読み数へ夏の一夜をあかしけるかな
パーゴ 支払ひ(pago)
支払ひの時には立派倣(パーゴ)然と只与るやうに威張る商人
ホー口 時間(horo)
ホーロー(放浪)の旅を続けて暮す身は時間の観念半時もなし
コー口 心(koro)
アークヴオ(水)の流れはすこし濁れどもコーロ(心)のちりを洗ふやうなり
ビールド 鳥(birdo)
ビールド(ビール筒)を半ダースあまり呑みほして足もと鳥のごとくひよろつく
ヂヤルデーノ 庭、花苑(gardeno)(注 gに^あり)
花苑にいとうるはしき女子の箒手にしておヂヤルデーノー
ピーア 敬神な(pia)
敬神なまめ人ばかりあつまりてやしろの前にピーアのを奏づる
トローア 甚だしき(troa)
軽便鉄道上滑り行く運搬のトローア(トロは)甚だしき音立っるなり
ピエード 足(piedo)
雪のみち遠くあゆみて我が足は氷のごとく冷通(ピエード)しなり
スインヨーロ 紳士、君(sinjoro)
君はまた紳士なりせば信用あり新要路(スィンヨーロ)に用ゐられなん
エードゾ 夫(edzo)
草枕旅に出たるエードゾ(夫)の身よ安かれと朝夕祈る
エードゾ(夫)にこの明月を見せばやと座頭の妻のしのびねに泣く
エウローポ 欧羅巴(Europo)(注 uに⌒の反転したものあり)
アウ 或いは(au)(注 uに⌒の反転したものあり)
アデイーアウ 左様なら(adiau)(注 uに⌒の反転したものあり)
アウ(逢ふ)事の或はあらんエウローポ(欧羅巴)
アデイァウ(亜細亜の洒落)の国探しまはりて
バらーウ 掃け(balau)
掃けと云ふ命令受けて下男庭のすみずみ蜘蛛の巣バらーウ(払ふ)
カーポ 頭(kapo)
はげ頭力ー(蚊)が止まれば手をあげて力限りにポーと打つなり
(附字記憶法)
エクスポズイツイーオ 博覧会(ekusupozico)英工敷邦随智偉多
アエロプらーノ 飛行機(aeroplano)
天遠路風羅嗚呼悩男
フイズイオろギーオ 生理学(fiziologio)
不意随欧露偽異応
べーら 美しい(bela)
美麗
ドーモ 家(domo)
堂模
ぺーツオイ 数片(peco)
兵強い
第二課
パートロ 父(patro)
カイ そして、又、と(kaj)
フラート 兄弟(frato)
カイそして(会葬して)又パートロ(父)パトリーノ(母)フラート(兄弟)とともに泣くなり
れオーノ 獅子(leono)
れオーノの吼ゆるが如き谷川のたけき水音ゆめを破りぬ
エースタス あります、ある(estas)
天上にあります神の右に坐し罪ある人をエース(イエス)タス(助)くる
べースト 獣(besto)
いろいろとベスト(べースト)つくす智者学者つゐに獣の魂となりぬる
コろームボ 鳩(kolombo)
のりをつけほうせほうほうと古宮の森にひそみてコろームボ(鳩)啼く
グラーンダ 大きい(granda)
グラーンダは合衆国の大統領実にも大きいホーモー(人)と知れ
サーナ 健康(sana)
あサーナさな(朝な朝な)早く起き出で清鮮の空気を吸へば健康となる
ハーヴアス 持つて居る(havas)
びんづるに花も実も無いハーヴアス(葉蓮)をしぶい顔して持つて居るなり
フろーロ 花(floro)
何時までも花の姿を保つ人を不老々(フろーロ)とてオーニー(世人)羨む
チウ か?(cu)(注 cに^あり)
こうですか?違ひますか?と問ふて見るチウは注意のチウとこそ知れ
エース 然り、左様(jes)
エースとは然り左様と云ひながらヱビス顔して承認の声
コールボ 籠(korbo)
肩の凝る棒(コールボ)を通したかごかつぎブラリブラリと山道のぼる
ヴイーダス 見る(vidas)
名人の画を見るたびに面白きすぐれた箇所を見出す(ヴイーダス)なり
(「神の国」大正十二年九月十日号)