文献名1大本七十年史 上巻
文献名2第1編 >第2章 >2 筆先のはじまりよみ(新仮名遣い)
文献名3釘で記された筆先よみ(新仮名遣い)
著者大本七十年史編纂会・編集
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データ最終更新日2019-03-25 10:09:41
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開祖の四〇日間の入牢中は、宇佐八幡の御正念石を授かったこと、天竺行・竜宮行の霊夢をみたこと、神剣をうけたことなどの、かずかずのふしぎなできごとが伝えられている。そして、最初の筆先も、この入牢中にでた、とつたえられる。
開祖は、帰神中に大声をあげて叫ぶことが、入牢のそもそもの原因になったことから、神に、もうこれから叫ぶことのないように、とうったえてやまなかった。すると、神は、「それでは筆をとれ」と命じた。開祖は、じぶんは文字をまったく知らないのに、とためらっていると、「お前が書くのではない。神が書かすのであるから、疑わずに筆をもて」と重ねての神示があった。近くにあった一本の古釘を手にとって動かしてみると、ひとりでに手が動き、牢の柱になにか文字のようなものを、しきりに書かせられる。出牢後、命じられるままに筆を手にすると、いろはのひらがなで、スラスラと文字が書けだした。これが筆先のはじまりである。
筆先を書くようになってから、帰神の発動はしずまった。しかし、神霊が感応すれば昼夜の別なく筆先を書かされる。そのころから一九一八(大正七)年、開祖が数え年八三才で昇天するまで、二七年間にわたり、半紙二〇万枚にもおよび筆先が書かれた。
文字はひらがなのほかに、「五」「九」「十」などの数字がつかわれているが、漢字はほとんど用いられていない。独特の書体で読みにくいが、その字体は、はじめのころも二〇数年後も変わりなく、上達もないので、筆先の文字を一ど読みおぼえれば、すべての筆先が読みこなせる。文字を知らなかったといわれる開祖も、後には筆先の文字が読めるようになったようである。
その書体はまことに稚拙に見えるが、六朝体に似て一種の風格をそなえ、凡人の筆跡ではないと、讃嘆する書家もある。