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文献名1大本史料集成 3
文献名2第2章 裁判所資料 >第3節 地裁公判調書(諸幹部)よみ(新仮名遣い)
文献名3第八回公判調書(2)よみ(新仮名遣い)
著者
概要大本の根本教義である「みろく神政成就」と「立替立直」の本質についての審理である。東尾は、みろく神政とは「日本の天皇陛下が世界を統一される皇道世界の実現」であり、王仁三郎が統治者になる意図は全くないと断言する。予審調書にある「王仁三郎が世界の統治者になる」といった供述は、本意ではないと否定した。また「立替立直」とは、物質主義(体主霊従)の世を精神主義(霊主体従)へと改めることであり、暴力的な国家変革ではなく、信者一人ひとりの「心の立替立直」が真の目的であると主張している。
備考
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ページ528 目次メモ
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本文  裁判長は、
  被告人出口王仁三郎に対する証拠品中、
  証第九百六十四号皇道大本事務便覧の皇道大本信条皇道大本規定
  証第三十六号真如能光第百三十八号附録の大本規約
を読み聞け且展示し
 問 右大本信条第六条大本規約第一条其の他規定等に拠ると皇道大本の根本目的は立替立直みろく神政成就の様記載されあるが如何。
 答 其の通り書いてありますが皇道大本の目的は私が曩に述べた通りです。
 問 皇道大本に於て所謂みろく神政成就とは如何なる事なるや。
 答 一口に申せばみろく神政成就とは皇道世界を実現せしむる事、又は神の意思の世界を実現する事であり、形の上に於て申せば日本の天皇陛下が世界を統一され世界が一君万臣になる事であり、精神的に申せば体主霊従の世を霊主体従の世に立替立直して本当の神の御心を心とする様になる事を謂ふのであります。
 問 被告人は予審に於てはみろく神政成就とは出口王仁三郎がみろくの神として地上現界に顕現し地上現界を立替立直してみろく神政を樹立し日本の統治者となり、日本を中心として世界の統治者となりみろく神政を世界に施く事にして之が皇道大本の根本目的なる旨斯様に供述し居るが如何。
 此の時裁判長は、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第六回訊問調書第六問答を読み聞けたり。
 答 左様な事は全然頭に無い事ですが予審では已むを得ずに其の様になつたのですから私の意思に反する調書であります。
 問 被告人は予審に於て出口王仁三郎全集第一巻三百四十九頁の記事を解説して、皇道大本の根本目的は世界大家族制度の実施実行であつて王仁三郎が世界の統治者になる事を謂ふのであると供述し居るが如何。
 此の時裁判長は、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第六回訊問調書第七問答の一を読み聞け、
  被告人出口王仁三郎に対する証拠品中、
  証第二千五十八号王仁三郎全集第一巻皇道篇第三百四十九頁を読み聞け且展示したり。
 答 私の意思に反する予審調書ですから承服する事は出来ません。
 問 皇道大本の所謂立替立直とは如何なる事を謂ふや。
 答 神の御意志通りの世界に改めて行く事でありまして、即ちみろく神政成就せしむる為には種々改めなければならない所があり、之を改めて行く事であります、尚立替には破壊立直には建設の意味もあります。
 問 体主霊従の世の中を霊主体従の世の中に改めるのか。
 答 左様であります。
 問 現界及霊界共に改めるのか。
 答 霊界が主になり、現界も改めるのです。
 問 日本の現界に関する限り如何なる事を立替立直するのか。
 答 具体的の事は私には判りませぬが神の御心に添ふ様変つて行くのであります、夫れで議会制度を改めたり法律制度を改めたりする様な事は私には判りませぬ。
 裁判長は、
  被告人出口王仁三郎に対する証拠品中、
  証第三千三百六十二号皇道経済我観
  証第千九百七十二号皇道維新と経綸
  を読み聞け且展示し
 問 之等の文献に拠ると経済問題其の他に付てはみろく神政成就により斯様に立替立直すと掲載しあるが皇道大本に於ては斯様に主張し居りたるや。
 答 之を主張したのは昭和神聖会でありまして神様の事が能く判つた人であれは斯様な説明をせんでも判るのですが、昭和神聖会員や人類愛善会員の様に信者でない様な人には神様の事がよく判らぬのでみろく神政成就とは斯様なものだと具体的な例を挙げられたものと思つて居ります。
 問 被告人は予審に於ては文献に基きみろく神政成就は国家制度の改革は斯様な政治を行ふものなりと詳細斯様に供述し居るが如何。
 此の時裁判長は、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第六回訊問調書第七問答の二つ読み聞けたり。
 答 王仁三郎が統治者になると謂ふ様な事はありませぬ、現在の如き個人個人の主義を廃し、陛下の御稜威の下に神様本位に議する神廷会議になるのであります、現在の議会制度ももう一歩進めば左様な神廷会議の様になると思ひます、其の余の事は大体御読み聞けの通りでよいと思ひます。
 問 現在の議会制度は将来被告人が申す様になつて行くと云ふのか。
 答 左様であります。
 問 被告人は予審に於ては現在の日本は神勅に反する統治者に依つて統治せられて居る為体主霊従弱肉強食となり世が乱れて居るからみろくの神の命令を受けた王仁三郎が世の立替立直をしてみろく神政を成就せしめ日本の統治者と為る旨詳細斯様に供述し居るが如何。
 此の時、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第九回訊問調書第一問答を読み聞けたり。
 答 全然私の意思に無い事が調書になつたのであります。
 問 皇道大本の所謂立替立直の実行者如何。
 答 神様がされるのです、即ち国常立尊の御働きにより立替立直されるのであります。
 問 神の霊代たる人間が立替立直の実行者になるに非ずや。
 答 人間も実行者になりますが全部をするのではありませぬ。
 問 立替立直の中心となつて其の衝に当る者は誰なるや。
 答 先述の通り立替立直は神様が為されるのであり、此の神様の御意思を伝へるのが皇道大本の務めであります、出口王仁三郎は神様の意思を聞き之を我々に伝達されるのでありまして、王仁三郎は自分で神教伝達使だと申して居ります、各人我が我がと思つて各其の局に当つて居るが、之は神様に使はれ立替立直をやつて居るのであります、夫れで王仁三郎は神教伝達使として立替立直の実行者関与する事になると思います。
 問 皇道大本の役員信者も立替立直に協力する事になるに非ずや。
 答 先述した意味に於て神教伝達したる出口王仁三郎から伝へられた神の意思を我々信者や役員は世間の人達に伝へ世間の人達は皇道大本の教により心の立替立直をするのでありますから、此の意味に於て皇道大本の役員信者も立替立直に協力する事になります。
 問 被告人は予審に於ては大本は教を説く丈ではなく進んで立替立直の衝に当り具体的活動する様に供述し居るが如何。
 此の時裁判長は、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第九回訊問調書第二問答を読み聞けたり。
 答 私の信念に反する調書であります、皇道大本の全目的は宗教的で之を超へるものでなく釈迦は自ら三千世界の所為者で主師親であると云ふて居るが之は宗教的な意味で皇道大本で所謂主師親もこの観念より来りしものにして日蓮も主師親のことを申して居るが大本も同様宗教的範囲を超へるものではありませぬ。
 問 皇道大本の所謂立替立直の手段方法如何。
 答 第一に我々の心の立替立直をし心が改まれは行が皆変るので、其の外に立替立直の手段方法は無く日本の統治者の立替立直と謂ふ様な事は考へて居りませぬ。
 問 被告人は予審に於ては種々文献に基き暴力を用ひても日本の統治権者を立替立直し、然る後社会制度を立替立直す旨詳細斯様に供述し居るが如何。
 此の時裁判長は、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第十回訊問調書第一問答を読み聞けたり。
 答 左様な事に私が申した様になつて居りますが、全然其の様な事はありませぬ。
 問 所謂立替立直の時期如何。
 答 最初は明治三十年で立替立直を致すとの筆先が出、其の後度々十年延びたとか、筆先が出、私には立替立直の時期は判りませぬ、昭和八、九年頃より私は何時立替立直されるか其の様な事を考へるのがわれよしの考だとの結論に到達し、爾来立替立直の時期に付ては考へない事に致して居ります。
 問 被告人は予審に於ては立替立直の時期に関する筆先は出鱈目たと述べ居るが如何。
 此の時裁判長は、
  被告人東尾吉三郎に対する予審第十回訊問調書第七問答を読み聞けたり。
 答 立替立直の時期に関する筆先は出鱈目でなく方便だと思つて居ります。
 問 立替立直の完成は必ずあると思ひ居りしや。
 答 実現性あるものと思つて居りました。
 問 立替立直の実現は近き将来にあると思い居りしや。
 答 私は出口王仁三郎の存命中には実現するかも知れないが、之は永遠の仕事だと思つて居りました。
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