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文献名1大本史料集成 3
文献名2第2章 裁判所資料 >第6節 控訴審判決書よみ(新仮名遣い)
文献名3控訴審判決書(14)よみ(新仮名遣い)
著者
概要大本の主宰神及び天照皇大神・天照大御神の関係を検討する。大本皇大神とは天照皇大神を奉称したものであり、大本は天照皇大神を宇宙の至尊至貴の主宰神として信奉していたと認定する。文献上、天照皇大神と天照大御神を別神のように記す箇所もあるが、実際には同一神の異なる働きを示す名称であり、別個の神として対立させたものではないと判断した。
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2026-06-17 13:05:26
ページ620 目次メモ
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本文  ㈡ 大本の主宰神は大本皇大神にして大本皇大神とは天照皇大神を奉称するものなることは王仁三郎の当公廷に於ける、其の旨の供述(分離第二回公判調書第一二、二三六丁)並皇道大本信条第二条(大正七年一月発行神霊界所載のもの、其の後改正せられたるものも同条項に付ては同旨なり)に、我等は天照皇大神が全一大祖神の極徳を顕現せられ八百万の神達を統率して遍く六合に照臨し給ふ至尊至貴の大神に坐しますことを敬信す、とあるに依り明なり、而して前記大本の教理に依れば天照皇大神は宇宙の大元霊たる天之御中主大神の極徳を顕現せられたるを称するものなるが、大本の主祭神たる天照皇大神は皇祖の大神伊勢大廟の祭神として尊崇する天照大御神と同一神なりや否や次に解明を要する問題なり、
皇道大本信条(大正七年一月発行神霊界所載のもの)第三条には、我等は我皇上陛下が天照皇大神の霊統を継承せられ惟神に主師親の三徳を備へて世界に君臨し給ふ至尊至貴の大君に坐すことを敬信す、改正の同信条(大正八年十月発行神霊界所載)第三条には、我等は皇孫命が天照皇大神の御神勅に依り極東の霊域に天壌無窮の宝祚を樹立し給ひ世界統一の基礎を確立し給へることを確信す、同第四条には我等は我皇上陛下が万世一系の皇統を継承せられ惟神に主師親の三徳を具へて世界を知ろし召さるる至尊至貴の大君に坐ますことを確信すとあるを以て若し天照皇大神が天照大御神と同一神に非ずとせば右信条の皇孫命並皇上陛下は皇孫瓊々杵尊並天皇を称するに非ずして別人を指称し天壌無窮の宝祚を樹立し給ひ、世界を統一して君臨し給ふ者は他に在りと謂ふに帰し、大本の根本目的たるみろく神政成就は不逞の意図を包蔵するものなりとの結論を生すべきを以てなり、
文献に就き之を観るに教祖ナカの筆先の真解書と称せらるる霊界物語第四十七篇(大正十三年十月六日発行前同証第三、六五八号)総説第二頁には天照皇大神様と天照大御神とはその位置に於て神格に於て所主の御神業に於て大変な差等のあることを考へねばなりませぬ、瑞祥新聞昭和八年三月一日号(同証第一〇一号)第二頁、信条略解には第二条の天照皇大神は天之御中主大神が極徳を顕現せられた円満具足の御姿を名付けて申し上げるのである天照皇大神と天照大神と申し上げる場合は其の御神格及御神業の上に非常な相違のあることを注意せねばならぬ、裏の神諭(大正八年七月二十日発行同証第二、六一〇号)第二十一頁には至仁至愛神は全智全能に坐しませば、第一に大地を造り、二に太陽を造り、三に太陰を造り之に霊魂と霊力と霊体とを賦与し給ひ、天照大神をして太陽を守らしめ給ひ、大国常立尊をして大地を守らしめ、月の大神をして太陰を守らしめ給ふ、とあり
又王仁三郎は予審第三十八回訊問(記録第九冊第三、五五三丁)に於て、私が大本皇大神即ち天照皇大神は天之御中主大神の御精霊体の完備せる神、又は天之御中主大神の極徳を顕現せられたる至尊至貴の大神で天照大御神とは別神である、天照大御神は太陽界の主宰神であると説き始めたのは大正七年一月に皇道大本信条を作りし頃からなり、夫で教祖名義の神諭中には天照皇大神と天照大御神との区別を判然付けあらず私の所謂天照皇大神の事を天照大御神と書き天照大御神の事を天照皇大神又は天照皇大神宮と書きし所もある旨供述し、スミは予審第四回訊問(記録第五冊第一、五〇六丁)に於て私は伊勢に御祀りしてある天照大御神様は頭に十本の角のある神様であると教祖より聞き居たり、
又大正二、三年頃に教祖が統務閣で私に伊勢の天照皇大神宮様は「あつかましい」神様で世を御持ち為される神でないのに天地を横取りせられた神様であると神様から聞き居ると云ひし事あり、夫で私は伊勢の天照大御神は大本で云つて居る大本皇大神又は天照皇大御神様とは別な神様と思ひ居たる旨陳述せり、之等に拠れば天照皇大神と天照大御神とは別神なるが如しと雖も前記神霊界大正七年二月号所載の太古の神の因縁には天之御中主大神の御精霊体の完備せるを天照皇大神又は撞賢木厳能御魂天盛留向津媛之神言と称し奉る是撞の大神なり、神霊界大正九年一月十五日号(前同証第七二四号)所載随筆第二四頁には天照皇大神は天のミロク様で撞賢木厳之御魂天疎向津媛尊と云ふ別称の大神である、此の神名を開祖の神諭には総合的に頭の一字を取つて撞の大神と仰せられたのであつて決して月界守護の月の大神の事ではありませぬ、とありて天照皇大神の神名は日本書紀巻第九神宮皇后の御紀中答曰神風伊勢国之百伝度逢県之折鈴五十鈴宮所居神名撞賢木厳之御魂天疎向津姫命焉とある天照大御神の神名と同一なるのみならず、
霊界物語第六篇(大正十一年五月十日発行同証第三、六五八号)真木柱第一五二頁には、伊弉諾大神の又の御名を天の御柱の神と曰ひ伊弉冊大神の又の御名を国の御柱の神と曰ひ天照大神の又の御名を撞の御柱の神と曰ふ、霊界物語第十七篇(大正十二年一月十日発行同証同号)第四〇二頁には、真神たる天之御中主の大神の霊徳の完備具足せるを天照大御神と称へ奉り、又撞の大神と称へ奉る、とありて両神を斉しく撞の大神と称し差別を為さざるのみならず前記神霊界大正七年五月十五日号第四頁にはナカの筆先として天之御中主天神様は天の此世の御先祖様であるぞよ、地の先祖は国常立尊であるぞよ、至仁至愛神は天照皇大神宮とお成り遊ばして三千世界の御守護遊ばすぞよ、神霊界大正八年五月十五日号(同証第七二四号)第十二頁には、王仁三郎の筆先として日本は結構な神国であり、天子は天照皇大神様の直系の生神様であるから是位立派な神国は広い世界に外にもう一つは無いなれど……とあり其の他神霊界大正七年八月十五日号大八洲号(同証第七二四号)皇典釈義第十七頁には、天照大御神者天上主宰の大御神にましまして全一大御祖神が極仁、極徳、極智、極真、極威、極真霊を顕はし示して世界を照臨し給ふ時の御名也……天之御中主神の一切の御霊徳は悉く天照大神に帰し奉りし也、故に天地初発の大御祖神なる天之御中主神は理(現の誤乎)身の如くに身を隠し給ひ高天原の一切万有生と無生とを問はず皆悉く天照大御神を大御祖神と斎つき祭るべき掟とはなりし也、現身の天上に坐します大御祖神を皇祖皇宗とは尊び斎つき祭るべき也、天照大御神の和霊現霊を斎き奉りて伊勢の現祭の宮に斎ひ奉る、
霊界物語第十七篇(大正十二年一月十日発行同証第三、六五八号)第四〇二頁には、真神たる天之御中主の大神の霊徳の完備せるを天照大御神と称へ奉り、又撞の大御神と称へ奉る、王仁文庫第二篇国教論集(大正九年八月二十日発行同証第二四号)第四一頁には、天照大御神は万有統理の大君神として高天原の主体と為り給へることは前に説く所である、同第四篇記紀真解(大正十年二月五日発行同証同号)第三六頁には天皇様は天津日嗣の帝と申し上げまして天照皇大神様の御子孫が御代身御名代となりて、天壌無窮の皇運を保全し万世一系の皇祚を践ませ給ひて豊葦原の中津国に御君臨遊ばして居られるのであります、天皇様は即ち神でありまして現人神と申しあげるのであります、霊界物語第十一篇(大正十一年九月十日発行同証第三、六五八号)第三〇九頁には、此事忽ち天上に在す天照皇大御神の御疑を懐かせ給ふ種となり遂に須佐之男命は諸神に嫌疑を受け神遂に逐はれ給ふ悲境に陥り給ふたのである、
出口王仁三郎全集第一巻(昭和九年六月三日発行同証第一、八一〇号)皇道我観第五二頁には我国歴代の至尊は天祖天照皇大神の此豊葦原瑞穂国は吾児の世々知さむ国と詔り給ひて全地球の御支配権を任さし給へる大君に在します、同趣旨全集第一巻第一五九頁第三三五頁、第五巻第三五八頁等、教育勅語謹解(昭和五年十月二十五日発行同証第四、一八三号)第二頁には、吾等の上に君臨し給へる万世一系の天津日嗣天皇は皇祖天照皇大神の貴の御子に坐しまし八百万の神等の子孫を民として大日本の国を平けく安らけく知食し給ひ君徳弥高く坐しますとの記載ありて大正七年一月以後に於ても天照皇大神と天照大御神の神名を区別して用ひ居らざること明なり
而して之より先神霊界大正六年七月号(同証第七二四号)掲載浅野和邇三郎筆皇道大本概説と題する記事第二六頁には、右両神名の区別に付即ち天之御中主神の極仁、極徳、極智、極威、極神霊が顕現して全大宇宙を照臨し給ふのが天照大御神で天之御中主神は取りも直さず天照大御神といふ事になる……此全大宇宙の独一真神の御資格で呼ばるる時の御名称は天照皇大神であらせらるる、換言すれば神霊界の大主宰者としての称号は天照大御神、全大宇宙の独一真神としての称号は天照皇大神なのである、甚だ均衡を失する譬だが英国国王が取りも直さず大英国の皇帝であるのと筋道は同一である、と説明しありて王仁三郎が当公廷(分離第二回公判調書第一二、二四一丁)に於て天照皇大神と天照大御神とは違ひませぬが言霊学によると皇は統る事であつて天照大御神とは地球上丈けの神様であり天照皇大神と云へば宇宙全体の主宰神の事であります、例ば公爵近衛文麿と云ふのと総理大臣近衛文麿と云ふのが違ふ位なもので同じ神様ですが御役が違ふのである……神様は御働によりて御神名が変るので霊界物語には天照皇大神と天照大御神とは其御用が違ふ意味で書いたので別神と云ふ意味にあらざる旨説明せる所と同趣旨なるに徴すれば大本に於ては両神名を別神と観念し居るに非らず、働の相違することを明にする趣旨にて称呼を別にせるものと認むるを相当とす、前記霊界物語第四十七篇総説及信条略解の説明は右解釈と相容れざるものに非ざるなり。
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