文献名1大本史料集成 3
文献名2第2章 裁判所資料 >第6節 控訴審判決書よみ(新仮名遣い)
文献名3控訴審判決書(19)よみ(新仮名遣い)
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概要国常立尊、豊雲野尊、素盞嗚尊が人間を霊代として現界に顕現するという大本教義を検討する。出口ナカ(ナオ)及び王仁三郎がこれらの神の霊代とされた経緯を整理し、霊代とは神の意思や働きを地上で実行する者であって、その者自身が神または統治者になることではないとする。王仁三郎の役割は立替立直の実行者・補助者であると認定する。
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㋥ 国常立尊は地上神界及現界の立替立直を担当せらるる神、其の妻神豊雲野尊は国常立尊の神業を補佐せらるる神なること及素盞嗚尊は贖罪救世の神にして、愛善の徳を以て国常立尊の立替立直の神業を補佐せらるるものなること叙上認定の如し、而して是等諸神が現界の立替立直を為らるるには神の霊代たるべき人に懸りて現界に顕現し、其の神業を現実に現はさるるものにして、艮の金神国常立尊は明治二十五年旧正月以来教祖ナカに懸り坤の金神豊雲野尊は明治三十三年旧七月以来王仁三郎に懸り素盞嗚尊は明治三十六年頃以来王仁三郎に懸りて現界に顕現せられ、撞の大神亦前約に従ひて国常立尊の神業補佐の為王仁三郎に懸りて顕現せられたるを以て、ナカ及王仁三郎は是等諸神の霊代顕現として現界に於ける立替立直を為すべきものなりと主張し居れり、而して大正七年十一月六日ナカ死亡後は国常立尊は王仁三郎に懸られたるを以て王仁三郎は国常立尊、素盞嗚尊及撞の大神の霊代として立替立直の神業遂行に当る唯一の人なりと説き居れり、改正皇道大本信条第八条に「我等は国祖大国常立尊が稚姫君命の精霊に御神格を充たし皇道大本開祖を御霊代として至純至粋の神諭を下し、天地惟神の大道を啓示し給へることを信奉す」とあり、同第九条に「我等は豊雲野尊が神素盞嗚尊の精霊に御神格を充たし、真如聖師を御霊代として国祖の神示されたる神人愛と世界平和を実現さるるものたることを信奉す」とあるは此の霊代関係を明にしたるものなり、尚右霊代関係を明示したる主なる文献を挙ぐれば左の如し、
火之巻第四五頁明治三十三年旧八月十日付筆先中、出口、上田は三千世界の世の立替への御役であるぞよ。是から筆先を書して説いて聞かせば解りかけるぞよ。世界の本の真理と申すものは綾部へ出て来ねば何も判らんぞよ。ドンナ豪い智者でも学者でも此大本へ出て来ねば実地の事は判らんぞよ。今は落ぶれものに大望な御用が命じてあるので誰も誠には致さねど、細工は流々仕上げを御覧うじ吃驚さして改心をさすぞよ。敵対て居る人早う大本へ来て下され。待ちて居るぞよ。チトぼつぼつと出て来て下さらんと蔭で敵対うて居りても、物事が遅くなるぞよ。此大本は変性男子と変性女子とに世界の事を知らせるぞよ。化物やら狂人やら訳の分らんやうに致して置いて、世界にある事を知らして与るぞよ。チツト量見の違ふ人も出来るであらう。余り我欲斗りを思うて居ると一旦天地へ引上げに致すぞよ。神が日々手伝うて是だけ苦労をいたして、人形使ふやうにして居りても、何も分らん人民ばかり、此事を変性男子、女子の因縁を説いて聞かせば、昔からの事が判りて安心が出来るぞよ。
同第九六頁明治三十六年旧六月四日付筆先中、今度の世の立替は昔から因縁のある変性男子と女子の身魂でないと物事成就致さんから、外の役員が何程智慧で考へて相談をして行りても途中で邪魔が這入りて虻蜂取らすの事が出来いたすから、此大本の経綸は女子に致さすから。
天之巻第二二頁明治三十一年旧五月五日付筆先中、時節が参りて変性男子と変性女子との身魂が揃ふて守護があり出したらいろは四十八文字の霊魂を世界の大本綾部の竜宮館にボツボツと引寄せて、神がそれぞれ御用を申し付けるから素直に聞いて下さる人民が揃ふたら、三千年余りての仕組が一度に実現て来て一度に開く梅の花、万古末代萎れぬ花が咲いて三千世界は勇んで暮す神国になるぞよ。日本の人民の天からの御用は三千世界を治め、神の王の手足となりて我身を捨てて神皇の御用を致さな成らん国であるから、外国には従はれぬ尊い国であるのに今の日本の人民は皆大きな取違ひを致して居るぞよ。
同第五一頁明治三十八年旧四月十六日付筆先中、艮の金神国常立尊出口の守と現はれて二度目の天の岩戸開きを致すに就いては昔の世の本から拵らへてある因縁の身魂を此大本に引寄して夫夫に御用を申付けるぞよ。今度の御用は因縁なくては勉まらんぞよ。同第二一六頁大正七年旧正月二十三日付筆先中、この変性男子と女子との身魂の昔からの誠の因縁さえ解りて来たら外の事は何も解らいでも今度の御用は勤め上るのであるから、詰らん理窟を申して何時迄も頑張りて居ると段々判らんやうに成りて来るぞよ。
火之巻第四八六頁明治四十三年旧九月十日付筆先中、変性男子の宿りて居る出口直の身魂は男と女の二つになりて神の代一代の永い間の苦労艱難を茲まで耐り詰めて来た徳に由つて、三千世界の御地面を天の大神様から請取りて万古末代続かす御用と成りたぞよ。誠に大望な御役に拵らへて御出なさる此の身魂であるから今迄は化けたり化して居りたなれど、もう化けては居れん時節が迫りで来たから、天晴神界の表に立ちて世界の守護を致さねば国が潰れるぞよ。この身魂が一つになりて世界の守護を致さねば真正の神政が出来致さんぞよ。出口の神と現はれて艮を刺さねば成らん時節が参りて来たぞよ。天と地とが揃ふて末代の世を続かすぞよ。綾部世の元世界の大本であるぞよ。是から三千年の経綸の蓋を明けて新つの世に立替へるぞよ。
同三〇六頁大正六年新六月六日付王仁三郎の筆先中、変性男子は世界の事を知らす御役なり。変性女子は三千世界の経綸を成就さして世界の神、仏、人民、鳥類、畜類、昆虫までも助ける至仁至愛の御用であるぞよ。
同第四四四頁大正七年旧十月二十九日付王仁三郎の筆先中、世界は九分九厘と為りて昔からの生神の経綸は成就いたしだから、変性男子若姫岐美尊は天に上りて守護いたすから、日の大神、月の大神、天照皇大神御三体の大神は地へ降りまして今度の御手伝を遊ばすなり。艮の金神国常立尊は天地を駈廻りて世界一切を構ふなり。坤の金神は弥々奥役となりて地の神界を守護いたして三千世界を一厘の経綸で立直す役となりたから、(中略)変性男子は肉体が水、霊体が火であるから、女子は肉体が火で、霊体が水であるから、男子の出立には水の守護なり。女子の出立には火の守護と成りたのであるぞよ。変性男子の霊魂は天の役、夫の役なり。女子の霊魂は地の役妻の御用であるぞよ。火と水との守護で天地を開く火水の経綸であるから、此の先は天と地との神の働きが明白に判りて来るぞよ。(中略)此の大本は明治二十五年から申してある如うに男子と女子と経綸が揃はねば何事も成就いたさんのであるぞよ。
瑞祥新聞昭和七年十一月号第五頁大正七年十二月二十四日付の筆先中、何事も神界ばかりでは地上の立直しは出来ぬから阿直王仁の身魂を斯の世へ現はして、三千世界を修理かへて新つの五六七の神政に致すに就いては……、霊界物語第四十八篇第十章天国の富第一七七頁、大神は是非なく茲に予言者なる媒介天人を設けて之を地上に下し、其神人をかつて天界の根底及基礎となし又之によつて天界と人間とを和合せしめ、地上をして天国同様の国土となさしめ玉ふべく深甚なる経綸を行はせたまふのである、この経綸が完成したる暁を称して松の世、みろくの世、又は天国の世と云ふのである、そして厳の御魂、瑞の御霊の経緯を予言者の手を通し口を通して聖言を伝達し、完全なる天地合体の国土を完成せしめんとしたまふたのである。
神霊界大正七年二月号皇道大本の真相の記事中、併し乍ら此未完成品時代も天運循還して其の終末に近き地の世界では従来神界の裡面に退きて蔭の守護に甘んじ給ひし国祖国常立之尊が明治二十五年から表面的大活動を起され最後の大仕上に取懸られました、現界で国祖の霊統を継承せられて生れましたのは他でもない我皇道大本開祖出口直子刀自であります、仍て開祖には国常立之尊が神懸りなされまして爾来今日迄二十七年に亘りて連日神諭を出されて居ります、(中略)天照天御神様から大地経綸の全大責任を附託されたる国常立之尊が其予定計画の一端を漏らさるるのが神諭なのであります、
同誌大正七年二月号、太古の神の因縁の記事中第四一頁、茲に於てか剛直厳正なる国祖の出現を要する機運到来し、撞の大神は艮に隠退し給へる国祖を許し再び地上の主権を付与し給ひしかば因縁の身魂出口開祖を機関として地球の中心なる綾の高天原に現はれ給ひ最初の国祖へ下し玉ひたる神勅を実行すべく、撞の大神は地上に降臨せられ霊力体即ち御三体の大神と現はれて現代の混乱世界を修理固成せんと国祖国常立之尊の補佐神と成り玉ひ教主の肉体を藉りて現はれ国祖の大業に神事し給ふに至れり、
同誌大正八年十一月一日号、大正八年八月十一日付王仁三郎の筆先中第六頁、変性男子の御魂若姫君命は天に昇りて天から地の世界の守護遊ばすなり、国常立尊は地に留りて二度目の天之岩戸開きを致されば成らぬに就ては出口直霊主命の肉体を使ふ事が出来ぬから、弥勒の御用を命じてある瑞の御魂の肉体を世を治まる迄は国常立尊の生宮と致して、御用を命せねば成らぬ時節が参りたから瑞の御霊を是から神界の場所へ連れて参るぞよ。明治二十五年から出口直霊主命の手を借り口を藉りて「ほのぼのと出て行けば心淋しく思ふなよ力に成る人用意が致してあるぞよ」「我行く先きは結構な所斗り神が懸りて連れて参るぞよ」と申して知らした事の実地が出て参つたのであるから今迄の変性男子の御役は次に譲て瑞の御魂に変性男子の御魂を入替て、伊都能売の御魂と致して真実の御用を致さす様になりたぞよ。
是等の文献の示す如く教祖ナカの霊性は女身男霊なれば変性男子と称し王仁三郎の霊性は男身女霊なれば変性女子と称しナカは火系、厳の御魂(厳霊)にして王仁三郎は水系、瑞の御霊(瑞霊)ナカは経の役にして王仁三郎は緯の役なりとし変性男子と変性女子、厳の身魂と瑞の身魂、経の役と緯の役の完全なる協力に因りて立替立直の神業を完成し得るものと為すなり、而して教祖ナカ死亡後は王仁三郎は国常立尊の霊代を兼ね其霊性も厳瑞両霊を兼ね備へたる伊都能売と為りたりと称し、立替立直の担当神たる国常立尊其の補佐神たる豊雲野尊、素盞嗚尊並撞の大神の各霊代たる地位に在るものと謂ふなり、厳霊、瑞霊及伊都能売の意義に就きては左記文献を引用す。
霊界物語第四十八巻第十二章西王母第二〇九頁、高天原の総統神即ち大主宰神は大国常立尊である、又の御名は天之御中主大神と称へ奉り其御霊徳の完全に発揮し玉ふ御状態を称して天照皇大御神と称へ奉るのである、そして此大神様は厳霊と申し奉る、厳と云ふ意義は至厳至貴至尊にして過去現在未来に一貫し、無限絶対無始無終に在します神の意義である、さうして愛と信との源泉と現はれます至聖至高の御神格である、さうして或時には瑞霊と現はれ現界、幽界、神界の三方面に出没して、一切万有に永遠に生命を与へ歓喜悦楽を下し玉ふ神様である、瑞と云ふ意義は水々しと云ふ事であつて至善、至美、至愛、至真に在しまし且つ円満具足の大光明と云ふ事になる、又霊力体の三大元に関聯して守護し玉ふ、故に三の御魂と称へ奉り或は現界幽界(地獄界)神界の三界を守り玉ふが故に三つの御魂とも称へ奉るのである、要するに神は宇宙に只一柱坐しますのみなれども、其御神格の情動に依つて万神と化現し玉ふものである、さうして厳霊は経の御魂を申し上げ神格の本体とならせ給ひ瑞霊は実地の活動力におはしまして、御神格の目的即ち用を為し玉ふべく現はれ玉ふたのである、故に言霊学上之を豊国主尊と申し奉り又神素盞嗚尊とも称へ奉るのである、
同第十篇(同証第三、六五八号)四五九頁言霊解第三〇九頁、経魂たる荒和に魂の主宰する神魂を厳の御魂と云ひ緯魂たる奇幸に魂の主宰する神魂を瑞の御魂と云ひ、厳瑞合一したる至霊を伊都能売御魂と云ふのである、
王仁文庫第八篇八面鋒(七)厳霊瑞霊第九一頁「天主一霊四魂を以て心を作り之を活動に賦与す、地主三元八力を以て体を作り之を万物に与ふ、故に其の霊を守るものは其の体、その体を守るものは其の霊なり、他神有りて之を守るに非ず、是れ即ち上帝の命永遠不易」とは道の大原の教ふる所にして又皇道大本の霊学観なり、而して一霊とは直霊なり、四魂とは荒魂、和魂、奇魂、幸魂なり、荒魂は真勇なり、和魂は真親なり、所謂経魂にして厳魂なれば一々万々確固不易の霊能あり、奇魂は真智なり、幸魂は真愛なり、所謂緯魂にして瑞魂なり、操縦与奪自在の霊能あり、而して天下一般の活物皆此の四魂を多少なりとも具備せざるは無し、荒和二魂の活動完全なる霊魂を称して厳の魂と謂ひ、奇幸二魂の活動完全なる霊魂を称して瑞の魂と謂ふ、而して直霊能く四魂を主宰し完全なる活動を為さしむる場合を称して伊都能売の霊魂と謂ふ、大本祝詞に曰く「直霊魂をして益々光り美しき伊都能売霊魂と為さしめ玉へ」とあるは、各人四魂を研き神に等しき活動を為すべき伊都能売の御魂と成らむ事を祈るに在り、然れば厳の御魂は教祖に限定し、瑞の御魂は教主補に限定する如く思考するは大なる誤謬なり、各人皆進んで厳の魂、瑞の霊は愚か伊都能売の御魂の活用が出来る所まで磨き上げて神業を補佐されむ事を希望する次第なり、
大本略史(同証第四、一七四号岩田久太郎著)はしがき第一頁、大本に於きましては開祖様の事を厳の御魂と申上げ肉体が女性で霊性が男性之を変性男子と申しまして、御懸りになつて居られる神様は艮の金神即ち神典に於ける国常立尊様であります、此神様の御神格は至厳至直誰も知らぬ事を前以て御知らせになる尊い神様であります、次に聖師様の事を瑞の御魂と申上げ肉体が男子で霊魂が女性之を変性女子と申しまして御懸りになつて居られる神様は坤の金神即ち神典に於ける豊雲野尊様であります、御神格は至仁、至愛、開祖様を通して示されました御教を平易に解釈し、且其の御教に就て実現、実行なさる御役であります、開祖様は経(縦)、聖師様は緯(横)、開祖様は火、聖師様は水、火はカ、水はミで開祖様のお働きが法身弥勒の御働き、聖師様の御働きが応身弥勒の御働きになるのであります、
尚立替立直の神の霊代たるナカ或は王仁三郎が立替立直を実行するには人民を使ひ、人民の改心を待ち其の協力に依りて為すものと主張す、文献に現はるる所左の如し、
火之巻第四四一頁大正七年旧十月二十九日附王仁三郎の筆先中、世の立替は人民の肉体を使ふて致さねば成らぬ事であるから、人民の改心次第で速くも成り、又遅れも致すから是から変性女子と役員が確かり致して下さらんと中々大事業であるから一寸の油断も寸暇も無いぞよ。
同第三一六頁大正六年旧八月二十二日付筆先中、今度の二度目の折には人民を使ふて神は人民を助ける也。人民は神の道具となりて働く也。
天之巻第六頁明治二十五年旧正月……日付筆先中、大本の仕組の判る守護神でありたら、互に手を曳き合ふて世の本の立替へ立直しを致すから是までの心を入替へて大本へ来て肝腎の事を聞いて御用を勤めて下されよ。
同第一六六頁明治四十一年旧六月八日付筆先中、元の大神様から造らへて御出でます直の分霊で無いことには、今度の二度目の世の立替の根本の御用は出来は致さんから、理会りた御方から霊主体従の道へ立ちかへりて、御手伝を為されば立替ありて立直しに成りた所では国常立尊が御働きを見届けたその上では、御出世をさして御礼を申すのであるから。