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文献名1神霊界
文献名2大正8年12月1日号(第99号)よみ(新仮名遣い)
文献名3随筆よみ(新仮名遣い)
著者教主輔王仁
概要
備考
タグ データ凡例2023/07/26大本史料集成のデータをもとにして校正。 データ最終更新日2023-07-26 19:49:35
掲載号 ページ23 目次メモ
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本文       大正八年新十一月十四日より
△皇道大本の終局の目的は、大宇宙の大修祓である。先づ第一に一身上の霊肉一致、即ち身魂の修祓、次ぎに一家の和合一致と修斎、次に一村一郡より一府県に及ぼし、進んで日本国全体の大修祓を、神の言霊の霊力に依つて遂行し、完全無欠の神国を復活し、皇祖皇宗の御遺訓に奉答し、五六七の神政を招来して、世界各国に其範を示すべく努力するにあるのであります。日本国の現状は言ずもがな、現代の世界的混乱状態は果して何時鎮定が出来るで在らう乎。現代には遺憾乍ら降雨凝地的の大経綸を企図する、大思想家が無いので在るから、随つて思想上の大真柱が無いのである。併し日本は古来神国と称す。如何に世界は混乱するとも、如何に天下濁流漲るとも、之を鎮定し之を払拭する、一大偉人は、何処かの山奥には出現せねば成らぬ。否吾人は出現を望むのみならず、現に出現しつつ在るを確信して居るのである。早稲田の老人が、一代の思想家と目された時代は、既に過去の夢と消え去つた今日、敬神尊皇報国の至誠を有し、且つ其実現に向つて、着々進行しつつある一大神霊の今日に現はれつつ在る事を、皇天皇土に拝跪して、感謝する次第であります。
△私は前号の神霊界紙上に、信任状を書いて上げるから、ドシドシ申込んで下さい。人格を疑がはれて布教の出来難い人には、何時でも渡しますと発表しましたのは、全く副守護神の徒らで在つた事が後に成つて気が付き大いに赤面の至りであります。就いては二三の信任状申込者がありましたけれ共、右様の次第でありますから、一先づ御断りを申上げねば成りませぬ。誠心誠意神国の為に竭さむとする真心さへ在れば、別に私の如うなものの信任状は無くても、大神様が直接に信任して下さるべきもので在ります。私は某々氏から大変に御目玉を頂戴いたしまして、私の目玉が飛び出る如うな目に逢ひました。惟神霊幸倍坐世々々々々々々々。
△福知山出て長田野を経て駒を速めて亀山へ、トコドツコイドツコイドツコイシヨウー、と申す丹波地方の童謡を実現せしめむと思ひ立ち、福知山を初発として、深町、木島氏外数名の青年隊に命じ、馬上演説を行らせました処が、大変な好成績であつたので、それから長田野や菟原で大演説を行り、次で檜山、須知、園部、八木を馬上演説や公会堂講演を為し、遂に目的の亀山へ進軍し、激戦の結果、明智光秀の居城たりし、三十五万石の天下を取つた名城趾を占領する事に成り、いよいよ廿日の夕方、地の高天原へ復命する事に成つた。此城趾は山陰道の咽喉であつて、京都の旧帝都には、最も近く将来神界の御経綸を遂行さるる上に於て、大変に必要な場所であります。今日未だ発表の時機では在りませぬが、天王平の一の仕組に次での神策地と成るべき須要の地点であります。
△新十一月十八日、丹波南桑田郡曽我部村大字穴太の産土小幡神社へ一行と共に参拝し、神饌並に玉串を奉献しました。抑も当社の祭神は開化天皇様で、延喜式内の旧い由緒の在る御宮で、屋根には十六の菊の御紋と、三ツ巴の紋が付けてありますが、私が去る明治三十一年二月帰神状態に成つた時、大心願を籠めて置いた神様であります。神名は稚日本根子彦大日日命様で、此御神名を日本言霊学の上から奉釈すると、 新の日本国建設大本皇威発揚の神言霊と曰ふ事に成ります。私が此神様の氏子と生れ、綾部の地の高天原へ参上り、五六七神政成就の御用を勤めさして頂いて居るのも、決して偶然では無いと曰ふ事が、首肯されるので在ります。
△先月頃より肉眼にては見えぬ程の彗星が、東北の天に四体斗り出現して、天下の変を暗示し居るさへあるに、又々阿蘇の大噴火を始め出し、毒を含める灰を多量に降らし、草木獣畜に危害を加へつつある矢先、又た東北の天に、丑の刻から寅の刻へ渡りて、五箇の大光星出現し、支那や朝鮮人が非常に時世の大変兆として恐れて居るのは、アナガチ迷信と斗り一口に貶する事は出来ぬと思ふ。教祖の神諭にも此星の出現は示されてある。私も一二度実見した事がありますが、実に大きい光星で、中にも一箇は殊更に大きい星である。最初の間は一度に五箇の星が現らはれて居つたのが、中途にして二箇は隠れ、三箇は歴然として東北の天に輝やいて居る。要するに皇道大本の神界の経綸の進展せし事の表現で在る。最初五箇の表現は、変性男子即ち五つの御魂の活動で、後の三箇は即ち変性女子、三つの御魂の活動時代に移つた事の前兆である。五ツの御魂の御一周年祭の前に当つて、天この兆を示すは、実に神誓神約の確固不動なるを証するものであります。今後に於ける日本国対世界の変動、世界対大本の関係等に注意されたきもので在ります。
△大本は世界統一、神政成就の神界の経綸を輔弼し奉る道場であるから、役員信者一同に心を一にして、神業を勤め上げねば成らぬと云ふ事は、既に已に御承知の事で在りませう。然るに○○方面の会合所長や役員の心理状態は、実に不思議と云ふより外に評し方が無い。要するに口の上でこそ和合一致を唱て居つても、肝心の精神は矢張○○式の利己主義者が多数を占めて居るから、堂しても真正の統一が出来ぬのである。各自に下らぬ理屈を言うたり、下らぬ感情の衝突でゴテゴテと騒いだり、反目嫉視したりして居るのは、神第一と言ふ肝心の条項を忘れた、自己第一、感情第二、神第三、大本教第四、国家第五と言ふやうな有様である。神界の経綸を妨害し、神名を汚す悪魔は斯る人々の体内に傲然として宿泊して居るもので在ります。人は十人寄れば十人共、顔の形や体の長短等がある如く、其精神状態も決して同一では無いから、自分の精神に合はぬからとて排斥するは、実に身勝手の極であつて、神の道を三日でも聞た人の為る事では有りませぬ。○○に限らず何所の部所の役員信者も此際自己を捨て神第一の精神に成て、此千載一遇の五六七神政の大神業に真心から参加されむ事を希望致します。
△光陰矢の如く早くも惟神真道弥広大出口直霊主命の御上天遊ばされてより、満一周年を経過しました。顧れば、教祖の御威徳は益々発揮され、御遺教を慕ひ奉りて集まり来る人士は、全国を通じて殆んど百倍に達し、神界御経綸の日に月に進展しつつ在るを喜び奉る次第であります。神諭に一の経綸は天王平と出て在るを見れば今後は世界の変進と共に、大本の内外の様子も大に変進する事で在りませう。日米日独の今后の変交は、堂しても神界に於て、教祖の神の神変不測の御活動と相俟つて、大本の信徒初め日本全国民は、世界平和のために大々的奮起し望まねば成らぬ事と、教祖の一年祭に際して、感を深う致しました次第で在ります。
△阿蘇や焼ケ嶽等の大噴火は、新聞紙上で喧ましく唱へて居る程、目下の処では大したことでも無い。今后に於ける大活動に注意を怠つては成らぬ。夫れよりも海底の大噴出は、太平、大西、印度洋の各所に於て、既でに已に大活動を開始して居るのである。海草類が枯死したり、絶滅したり、魚漁の不良等は、皆其の影響を受けて居るのである。海洋の風位が数年前より変化したのも、潮流の変じつつ在るのも、要するに皆海底大噴火の結果である。今日の文明利器の力では、堂しても海底どころか、地上の変動を予知する事の不可能なる不完全な極めて幼稚な有様である。是を見ても我々は大本大神の道に依りて、神智を開き、神力を受けておかねばならぬことを、深く深く感ずる次第であります。
△教祖様の御神諭に、二代の御世継が出口純子、三代が直霊であるぞよ。此大本は代々女の御世継、是を間違へたら治らぬと、毎度御遺訓が出て居ります。併し昨年教祖の御上天と共に、二代の純子が教主と成る可き神約であります成れども、過渡時代の大本の内外の状勢上、止むを得ず今日、即ち教祖の御一年祭の当日まで、私が教主の職を汚して居ましたが、弥々神諭を実行する時期が到来したる事を自覚しましたから、神代の大国主神が国土を皇孫に返上された如く、教祖の直系の二代に国譲りを致しました。私は一段下へ降りて、教主の顧問役の教主補に、神界から任命されましたから、大本信者一般に御披露致して置きます。今後は私も少々気楽に御用が出来るので在らうと思へば、籠から久し振りで放れた小鳥の如うな、心待ちで今までの神界の束縛を免がれて、自由の天地に活動する事が、出来る如うに成りましたから、今後は御用が在れば、事情の許す限り、布教伝道に出陣いたしますから、相不変神国の為に、私の活動の御援助を願つて置きます。併し神霊界は従前の通りに、執筆致しますから、下らぬ随筆なれど御愛読を希望します。
△体主霊従の役員さんが、地方に現はれて、照天姫の攻込まれた岩窟を開かねば、世が治まらぬとか言つてるさうですが、ソンナ事は神諭に出て居らぬから迷はない様に仕て下さい。又た或る部所には、おひねりの自造をして、信者をゴマカシて居る所があるさうですから、注意して貰ひたい。又た心に当る人は、一刻も早く改めて、御神諭通りに守つて下さい。余り何時までも聞いて下さらねば、紙上で素破抜きます。或は通知なしに、神界の帳を断りますから、前以て注意しておきます。神聖なる神霊界に此んな事を書きますのは、不本意の至りで在りますけれども、止を得ぬ次第で在りますから、不悪御賢察を願ひます。
△コンナ事を書くと、修斎会は皆ソンナ約らぬ人間の集団かと思はれませうが、決してソンナ不都合な事を為す人斗りでは在りませぬ。九分九厘までは実に立派な言行一致の人士であります。僅に一部分が判らぬから、誤まつて神慮に背いた言行を、知らず知らずの間に、副守護神にさせられて居るので在りますから、一日も早く身魂を研いて本守護神を発動させられむ事を祈ります。   大正八年十月三日 教主補王仁
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