文献名1三鏡
文献名2月鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3日本人目覚めよよみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日----
神の国掲載号1928(昭和3)年11月号
八幡書店版379頁
愛善世界社版
著作集349頁
第五版21頁
第三版21頁
全集462頁
初版3頁
OBC kg251
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本文
オイツケンがどういつた、マルクスが斯う云つたのと、個々の人々の抱いた思想に就いて、深く之を究める事は専門家の仕事であつて、凡ての人間が専門家同様の研究を重ねんとするのは無理である。普通の吾々等は、各学者の学説を通観した丈で常識的の頭を作らねばならぬ、少なくとも一瞥しただけでその取捨選択を誤らないだけの常識を、持つて居らねばならぬ。政治の経過に於ても政治的歴史から見ても、大抵わかることで西洋諸国には古来幾回かの人種の大移動を繰り返して来た。前の人種を後の人種が全滅する、優等人種が出て之に代り転滅戦に次ぐに全滅戦を以て今日に至つたので、残虐の継続が今日を築き上げたものと見られる。そして西洋思想は実にここから生れてゐる。
地上の草木を知らうとするなら、先づ以てその土地を充分に調べて見なくてはならぬ。然るに日本人にして、日本を知らないものがある。日本に生れ日本に育ちながら、日本の歴史、日本人の習慣性等については全く之を知らうとさへ努めるもののなき現代である。日本人の言葉と言へば浅薄なもの、西洋人のいふ事なれば、必ず夫が真理であるやうに、早呑込みする様になつて了つては始末に困る次第である。日本の刀剣に就いてさへ独逸に聞かなければ判らぬなどは沙汰の限りである。特に今日の青い連中の読物は凡て西洋のもの、語る所も亦西洋のもので、日本は昨日まで未開野蛮国であつたのだ、西洋の御蔭で文明国になつたのだと思つてゐる。然も是等の連中は自他共に知識階級と称して怪しまない。斯んな事では日本の神国も前途甚だ寒心の至りである。先づ此の迷信を打破することに努め、日本人には日本固有の真の文明を知悉せしむる事が刻下の急務である。吾々大本人が現代人から迷妄と罵られ山カンと嘲笑され乍らも、人類社会の為国家国民の為に昼夜不断の活動を続けてゐるのも、国家の前途を憂ふるの余りに外ならないのである。