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文献名1三鏡
文献名2玉鏡よみ(新仮名遣い)
文献名3ナヒモフ号の金塊よみ(新仮名遣い)
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
神の国掲載号1933(昭和8)年05月号(八幡版)?1933(昭和8)年03月号(愛世版) 八幡書店版113頁 愛善世界社版114頁 著作集 第五版86頁 第三版87頁 全集 初版64頁
OBC kg538
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本文の文字数571
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本文  ナヒモフ号の金塊引揚げに関して、世間が大分騒いでゐる様だが、あの金塊といふのは確に有ることはあるのである。
 昨夜(昭和八年三月一日)王仁はわざわざ霊体を以て実地見聞に行つて来た。遮断されたる一室に積み重ねられた箱の中に、燦爛たる光を放つて、それが現存するのであるが、其時王仁はそれと同時にいと恐ろしい光景を見せられた。
 船と運命を共にした人達の亡霊が我利坊子となつて其金塊を守つてゐる。責任観念と執着との一念凝つた亡霊の姿は見るも凄まじい状態であり、霊体を以て覗きに行つた王仁の姿を見ると、猜疑と嫉妬の眼を見張り憤然と迫つて来た。王仁は急いで其処を立退いたが、彼等は飽まで追撃して来た。
 あの金塊がもし完全に引揚げられたとしても、其後の悶着は恐るべき状態であらう。奪ひ合ひの為、血を流す様な惨事も起つて来るであらうし、幾多の犯罪も構成されて、監獄へ入る者もあらう。霊的の事を知らぬ世間は呑気なもので、唯利欲の為に目を光らせてをるのであるが、引揚げた金塊は彼等露国の将士の亡霊を弔ふ為や慈善事業等に使用されるべきもので、彼等の意志に反して勝手に使用などしようものなら、どんな凶事が出来せぬとも限らぬ。
 神様はそれが、死者の墓を発いて指輪をとり、入歯の金をとるに等しい行為だと申されて居る。
 王仁は唯覗きに行つただけで其夜ひどい苦しみにあつた。
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