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文献名1霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
文献名2第5篇 御玉の争奪よみ(新仮名遣い)みたまのそうだつ
文献名3第49章 バイカル湖の出現〔49〕よみ(新仮名遣い)ばいかるこのしゅつげん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
竹熊は一度はお咎めなしとされたが、衆神人の手前、竜宮上への出入りは禁止されざることになった。居城であるエデン城に帰ろうにも、エデン城は鬼姫に占拠されていて帰れない。

また、高杉別、森鷹彦は竹熊に反抗するようになり、竜宮城の門扉を固く閉ざし、今までの竹熊の暴虐をののしる有様であった。

仕方なく竹熊は鬼城山に割拠する木常姫に救援を求めた。木常姫は竹熊を受け入れ、軍をエデン城に進めた。木常姫は雨を呼んでヨルダン河を氾濫させ、エデン城を水攻めにした。

鬼姫は旗色の悪さに、十個の黄金水の珠と二個の偽珠を持って、竜の姿に変じて城を脱出し、ウラル山目指して逃げていった。

そこへ国常立尊の命により、奇晴彦、村雲別は火竜となって鬼姫を取り囲み、前後左右から炎を吹いて攻め立てた。

鬼姫軍は力尽きて地上に落下し、大震動とともに長大な湖水が生じることになった。これがバイカル湖である。鬼姫はバイカル湖の黒竜と変じ、後には杵築姫となって竜宮上をつけ狙うことになった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月26日(旧09月26日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1921(大正10)年12月30日 愛善世界社版258頁 八幡書店版第1輯 138頁 修補版 校定版258頁 普及版134頁 初版 ページ備考
OBC rm0149
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本文  大八洲彦命の仁慈に充てる犠牲的至誠より、竹熊の罪は赦された。しかしながら衆神の手前もあり、竹熊も竜宮城に出入せしむることを禁ぜざるを得ない立場になつた。竹熊はやむを得ず、もとのエデンの城塞に帰らうとした。この時エデンの城塞は既に鬼熊に占領されてゐた。そして鬼熊の滅亡後鬼姫は、牛熊、武熊別を部将とし、あまたの魔軍を集めてこれを死守してゐた。竹熊は高杉別、森鷹彦の心中を少しも知らず、全く自分の無二の味方であると信じてゐた。
 竹熊は高杉別、森鷹彦に命じてエデンの城塞を前後より襲撃し回復せむとした。されどもふたりは言を左右に託して竹熊の命に従はず、かへつて竹熊の暴悪不道の行為を責め門内よりこれを突出し、門扉を固く鎖して、再び竹熊の出入し得ざるやう、きびしく警護した。
 竜宮城の出入を禁ぜられた竹熊は、鬼城山に城塞を構へ数多の魔軍をしたがへ割拠する、木常姫の陣営にむかひ救援を求めた。木常姫は何条否むべき、同志の竹熊にして亡ぼされなば吾が大望を達する望みなしと、ここに魔鬼彦、鷹姫等とともに軍容を整へ、エデンの城塞にむかつて短兵急に攻めいつた。鬼姫は牛熊、牛姫に命じて敵のヨルダン河を渡るを拒止せしめた。木常姫は雲を呼び、風を起し、雨を降らし、死力をつくして争うた。河水はたちまち氾濫し、水量おひおひに増して、エデンの城塞はほとんど水中に没するばかりである。ここに鬼姫は進退谷まり、竹熊より奉れる真贋十二の玉を抱き、従者とともに黒雲に乗じ天空はるかに逃げゆく。天日暗澹として常暗のごとく、鬼姫一行の邪神隊はウラルの山上目がけて一目散に姿を隠した。
 たちまち前方より奇晴彦、村雲別は国常立尊の命を奉じ、火竜となつて中空に現はれ、鬼姫の前後左右より焔を噴きだし攻めきたる。鬼姫の一隊は苦みにたへず、少時は死物狂ひとなつて応戦せしが、つひに力尽きて地上に落下した途端に、大地は大震動とともに陥落し、長大なる湖水を現じた。これをバイカル湖といふ。そして鬼姫は茲に終焉を告げバイカル湖の黒竜となり、再び変じて杵築姫となり、執念深く竜宮城を附け狙うたのである。エデンの城塞はかくして再び竹熊の手に還つた。
(大正一〇・一〇・二六 旧九・二六 加藤明子録)
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