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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
文献名2第1篇 神界の混乱よみ(新仮名遣い)しんかいのこんらん
文献名3第7章 天地の合せ鏡〔57〕よみ(新仮名遣い)てんちのあわせかがみ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-11-14 10:03:49
あらすじ
天使・稚桜姫命は、天使・天道別命に竜宮上を守らせた。天使・天真道彦命と神国別には、地の高天原を守らせた。滝津彦には橄欖山を、斎代彦には黄金橋を守らせた。

後顧の憂いをたつと、稚桜姫命は金竜にまたがり、大八洲彦命は銀竜に、真澄姫は金剛に、木花姫命は劒破の竜馬にまたがって天空を駆け、高砂島の新高山に降った。

高砂の神島は、国治立命の厳の御魂の分霊を隠しおいた聖地である。生粋の神国魂を有する神々が永遠に集う経綸の地であり、神政成就の暁には、この聖地の神司を選抜して使用するという、大神の御神慮である。

しかしながらこの高砂の神島も、国祖ご隠退の後は、七分どおりまで体主霊従・和光同塵の邪神の経綸に汚されてしまっている。

この島の正しい守り神である真道彦命は岩石を打ち割り、紫紺色の透明の宝玉を持ち出して、稚桜姫命に奉呈した。これは、神政成就のときに、ある国の国魂となる宝玉である。

つぎに奇八玉は海底から日生石を献上した。これは、神人出生のときに安産を守る宝玉である。

真鉄彦は谷間から水晶の宝玉を取り出して奉呈した。これは、女の不浄を清める神玉である。

武清彦は山腹から黄色の玉を献上した。これは病魔を退ける。

速吸別は頂上の岩窟を、黄金の頭槌で三回打った。巨巌は分裂して炎と成り、空中で紅色の玉となって火炎を吐き、続いて水気を吐き、雷鳴を起こして妖気を一掃した。この玉も稚桜姫命に献上された。火と水で天地の混乱を清める神宝である。

稚桜姫命一行は無事に宝玉を得て竜宮城に帰還する途中、鬼猛彦の邪神に行く手をさえぎられたが、木花姫命が天の真澄の鏡を取り出して、撃退した。この鏡は先に大足彦が使用した地の真澄の鏡と対をなすものである。

五個の神玉は、海原彦命、国の御柱神の二神によって守護されることになった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月28日(旧09月28日) 口述場所 筆録者桜井重雄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版34頁 八幡書店版第1輯 170頁 修補版 校定版36頁 普及版17頁 初版 ページ備考
OBC rm0207
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本文  ここに天使稚桜姫命は、天使天道別命をして竜宮城を守らしめ、天使天真道彦命、神国別命をして地の高天原を守らしめ、滝津彦をして橄欖山を守らしめ、斎代彦をして黄金橋を守らしめ、はじめて後顧の憂ひなきをみて、稚桜姫命は金竜にまたがり、大八洲彦命は銀竜に、真澄姫は金剛に、芙蓉山より現はれいでたる木花姫命は劒破の竜馬にまたがり、あまたの従臣を率ゐて天馬空を駆けりて、高砂の島に出で行きたまひ、新高山に下らせたまふ。

  天までも高く匂ふや梅の花

 この高砂の神島は国治立命の厳の御魂の分霊を深く秘しおかれたる聖地であつて、神国魂の生粋の御魂を有する神々の永遠に集ひたまふ経綸地で、神政成就の暁、この聖地の神司の御魂を選抜して使用されむがための、大神の深き御神慮に出でさせられたものである。故にこの島は四方荒浪をもつて囲み、みだりに邪神悪鬼の侵入を許されない。天地の律法まつたく破れて、国治立命御隠退ののちは邪神たちまち襲来して、ほとんどその七分どほりまで体主霊従、和光同塵の邪神の経綸に全く汚されてしまつた。されど三分の残りし御魂は、今に神代のままの神国魂を抱持する厳正なる神々が、潜んで時節を待つてをらるるのである。稚桜姫命はこの中央なる新高山に到着し、あまたの正神司を集め、神界の経綸をひそかに教示しおかれた。
 ここにこの島の正しき守り神、真道彦命は岩石を打ち割り、紫紺色を帯びたる透明の宝玉を持ちだし、これを恭々しく稚桜姫命に捧呈された。この玉は神政成就の暁、ある国の国魂となる宝玉である。
 つぎに奇八玉命は海底に沈み日生石の玉を拾ひきたつて捧呈した。この玉は神人出生の時にさいし、安産を守る宝玉である。この玉の威徳に感じて生れいでたる神人は、すべて至粋至純の身魂を有する霊主体従の身魂である。そこで真鉄彦は谷間へ下りて水晶の宝玉を取りだし、これを稚桜姫命に捧呈した。この玉は女の不浄を清むる珍の神玉である。ここに武清彦は山腹の埴を穿ちて黄色の玉を取りいだし恭しく命に捧呈した。この玉は神人の悪病に罹れるとき、神気発射して病魔を退くる宝玉である。つぎに速吸別は頂上の巌窟の黄金の頭槌をもつて静に三回打ちたまへば、巨厳は分裂して炎となり中天に舞ひのぼつた。空中にたちまち紅色の玉と変じ、宇宙を東西南北に疾走して火焔を吐き、ついで水気を吐き、雷鳴をおこし、たちまちにして空中の妖気を一掃し、美しき紅色の玉と変じ、命の前にあまたの女性に捧持させてこれを命に献つた。この玉はある時は火を発し、ある時は水を発し、火水をもつて天地の混乱を清むるの神宝である。
 稚桜姫命の一行は、馬上はるかに海上を渡りて地の高天原に帰還したまへるとき、天の八衢に鬼熊の亡霊は化して鬼猛彦となり、大蛇彦とともに命の帰還を防止し、かつその神宝を奪取せむと待ちかまへてゐた。ここに稚桜姫命は紅色の玉を用ひるは、いまこの時なりとしてこの玉を用ひむとしたまひし時、木花姫命はこれをとどめていふ。
『この玉は一度使用せば再び用をなすまじ。かかる小さき魔軍にむかつて使用するは実に残念なり。この魔軍を滅ぼすはこれにて足れり』
と懐より天の真澄の鏡をとりだして鬼猛彦の魔軍にむかつて逸早くこれを照らしたまうた。魔神はたちまち黒竜と変じ、邪鬼と化して、ウラル山目がけて遁走した。

 天地の真澄の鏡照りわたり
  醜の曲霊も逃げうせにけり

 稚桜姫命一行は無事帰還された。さうしてこの玉を竜宮島の湖に深く秘めおかれた。さきに木花姫命より大足彦に賜はりしは国の真澄の鏡である。天地揃うて合せ鏡という神示は、この二個の神鏡の意である。また五個の神玉は海原彦命、国の御柱神二神の守護さるることとなつた。
(附言)後世女神および婦人らの簪に玉をつけ、また玉を連ねて頸飾りとなして、悪事を払ひ、幸福を求め、賢児を得むとするのはこの因縁に因るものである。
(大正一〇・一〇・二八 旧九・二八 桜井重雄録)
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