美山彦・国照姫は、常世国の常世姫を使って竜宮城を乗っ取ろうとした。常世姫は稚桜姫命の三女で、野心の強い神であった。美山彦・国照姫は自分の部下の魔我彦・魔我姫を常世姫につき従わせて入城させようとした
常世姫は竜宮城の入り口の黄金橋までやってくると、神威に打たれて、進むことができなくなった。しかし稚桜姫命は肉親の情から舟を出してヨルダン河を渡らせ、常世姫は竜宮城に安着してしまった。
常世姫は久々の親子の対面に、稚桜姫命に提案して、竜宮城の神人一同で、舟遊びをすることとした。そして、言霊別命には泥舟を用意して溺死させようと企んでいた。
言霊別命は魔我彦によって無理に泥舟に乗せられ、舟が沈んでいったが、従神の斎代姫によって救われた。すると常世姫は、言霊別命と斎代姫の間に怪しい関係ありと誣告をして回った。
言霊別命の妻神・言霊姫は、この誣告を信じなかったが、この一件により、言霊別命夫婦と、稚桜姫命・常世姫親子の間に、面白からぬ高い垣根が築かれてしまった。