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文献名1霊界物語 第2巻 霊主体従 丑の巻
文献名2第3篇 神戦の経過よみ(新仮名遣い)しんせんのけいか
文献名3第17章 佐賀姫の義死〔67〕よみ(新仮名遣い)さがひめのぎし
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-01 15:26:21
あらすじ
言霊別命はもとより、稚桜姫命に反抗する心は毛頭無かったのであるが、荒療治の目的で、わざと反抗的な書信を返したのであった。

竜宮城では大八洲彦命に討伐を命じたが、大八洲彦命は病と称して応じなかったため、小島別が討伐軍を指揮することになった。

言霊別命は味方を得るために、ボムベー山の佐賀彦を説得に訪れた。佐賀彦はかつて、命によって身の危難を救われたことがあった。しかし佐賀彦は竜宮城からの言霊別命討伐令に恐れをなし、すでに田依彦と通じて、言霊別命の命を狙っていたのである。

佐賀彦の妻・佐賀姫は、恩神の危難を救おうと言霊別命を逃がした。そして自殺を遂げた。言霊別命らはモスコーを指して落ちのびた。

モスコーでは、言霊別命軍の部将・正照彦、溝川彦が守っていた。しかし竜宮城軍・邪神軍の虚報の計略により、正照彦はボムベー山方面へ、溝川彦はローマ方面へおびき出されてしまった。

両神が敵の計略を悟って軍を返したときは、すでにモスコーは田依彦の手に落ちていた。そこへ、邪神軍がモスコーを占領しようと襲ってきた。モスコーを占領していた田依彦軍は、襲ってきたのは言霊別命軍だと勘違いして応戦した。一方、正照彦軍は、言霊別命・元照彦らと合流し、モスコーを奪い返そうと邪神軍の背後から攻撃を開始した。

邪神軍はモスコーの田依彦軍との挟み撃ちになって、全滅した。田依彦軍は、正照彦の軍を味方の竜宮城軍の援軍だと勘違いして喜んでいたが、今度は側面から溝川彦軍、正面から正照彦軍の攻撃を受けることになった。

両軍の猛攻に耐え切れず、田依彦らは黒雲を起こし、竜・狐と変じて敗走した。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年10月31日(旧10月01日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年1月27日 愛善世界社版83頁 八幡書店版第1輯 188頁 修補版 校定版85頁 普及版40頁 初版 ページ備考
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本文  言霊別命は素より稚桜姫命に反抗するの心は毛頭なかつたのである。されど命以下の神司にたいし、反正撥乱の目的をもつて故意に反抗的信書を認め、使臣小島別に渡した。

  玉の緒のいのちも如何で惜むべきすてて誠の道を照らさば

 稚桜姫命は、言霊別命の心情および行動につき、半信半疑の雲に包まれゐ給ひし折柄なれば、その信書を見て、本心より反旗を翻せるものとなし、ここに天使大八洲彦命に命じて、言霊別命討伐の令を下された。このとき大八洲彦命は疚と称して出でず、固く戸をとざして差こもり、諸神司との交通を絶ち、正邪黒白の判明する時機を待たれた。
 稚桜姫命は已むをえず、代つて小島別に叛神討伐の命を下された。小島別は直ちに命を拝し、田依彦、安川彦を部将とし、あまたの神軍を督して叛軍を悩まさむと全力を尽した。ここに言霊別命は、一方小島別の神軍に諸方より攻撃され、一方よりは常世姫の部下美山彦、国照姫の魔軍より攻撃され、非常なる苦境におちいつた。
 言霊別命はローマに根拠をかまへ、花園彦、大島彦をして神軍を督せしめ、正照彦、溝川彦をしてモスコーの神軍を督せしめおき、自らは元照彦とともに姿を変じ、小島別、常世姫の両軍の情勢を探りつつ、神出鬼没の神策を講じた。さても言霊別命は、ボムベー山に陣せる佐賀彦のもとに到り、この度の戦闘に参加せしめむとして百方弁をつくして説きつけた。
 佐賀彦は元来言霊別命のために身の危難を救はれたる神司であつた。ゆゑに一言の違背もなく命の命に従ふは当然の義務である。しかるに稚桜姫命は、
『言霊別命野心あり。ローマに拠りて神軍に叛旗を翻したり。万一かれに加担せば厳罰に処すべし』
との厳令は、佐賀彦はじめ一般的に諸神司の許に伝へられてゐた。佐賀彦もその選に漏れず、戦々兢々として怖れ戦いてゐた際である。また田依彦のすでに来りて神軍の令旨を伝へ、言霊別命来らば伏兵をまうけて、これを滅ぼさむとの準備すでに整ふてゐた際である。
 言霊別命はかかる計画ありとは夢にも知らず、佐賀彦の勧むるままに、奥殿に入りて休息し、かつ防戦の計画を命令された。佐賀彦は心すでに言霊別命を離れ、田依彦と款を通じてゐた。言霊別命の運命は、今や風前の燈火であつた。佐賀彦の妻佐賀姫は、命の立つて庭園を逍遥せるをりしも、傍より御前を横切り、懐よりわざと紙片を落し、足早に殿中に姿を隠した。
 命は怪しみながら、手早くその紙片を拾ひあげ披きみるに、「田依彦、佐賀彦の謀計により、貴神の身命は瞬時に迫れり。一時も早く裏門より免れたまへ」との書状である。命はやや思案にくるる折しも、奥殿に当りて怪しき叫び声が聞えた。これは佐賀姫が自殺を遂げたのである。恩神を救へば夫にたいして道立たず、一命を捨てて節を守つたのである。ボムベー山の陣営は、上を下への大騒ぎであつた。佐賀彦は妻の変死に度を失ひ、狂気のごとくなりて大声を発し、神々を集めてゐた。その声は言霊別命の耳に透き通るごとく聞えた。
 ボムベー山の部将は、残らず佐賀彦の声する方に集まつた。佐賀彦は周章狼狽のあまり、言霊別命のあることを忘却するにいたつた。このとき言霊別命は服装を変じ、神司の周章狼狽するその間を悠然として表門より立出で、門外に出づるや否や、待ちかまへたる元照彦と共に、モスコーをさして落のびた。
 モスコーには正照彦、溝川彦が固く守つてゐた。このとき田依彦の姉草香姫は、身を変じてモスコーに入り、正照彦にむかひ言霊別命の急使なりと偽り、面会を求め、かつ言霊別命はボムベー山において佐賀彦、田依彦のために窮地に陥り、今や全軍滅亡に瀕せり。正照彦は溝川彦とともに全軍を率ゐて救援に来れとの伝令なりと伝へた。
 正照彦は溝川彦をしてモスコーを守備せしめ、自ら部下を率ゐてボムベー山に急ぎ向ふたのである。モスコーは溝川彦の神軍によく守備されつつあつた。そこへ国照姫の部下種熊彦は、ローマの花園彦の急使なりとして面会を求めた。溝川彦は国照姫の間者たることを知らず、花園彦の急使と信じ面会を許し、かつ使のおもむきも訊ねた。種熊彦はローマの陥落は旦夕に迫り、大島彦は戦死したり。すみやかにモスコーをすて、全軍を率ゐて救援に来るべしとのことであつた。
 溝川彦はただちにその言を信じ、モスコーを空虚にし直ちにローマに向うた。ローマの都は士気おほいに振ひ、敵の片影だも認めないのが実際である。ボムベー山救援に向ひたる正照彦は中途にして、言霊別命、元照彦に会し、草香姫のために偽られしことを覚り、取るものも取りあへず、モスコーの陣営を気づかひ、急いでボムベー山の攻撃をすててモスコーに帰陣した。
 一方溝川彦はローマに到つて実情を知り、全く敵の間者に欺かれたるを悔いかつ怒り、これまたモスコーを危みて急に軍を復した。言霊別命、正照彦、溝川彦らのモスコーに到れる時は、すでにモスコーは田依彦の手に陥り、草香姫は部将として活躍してゐた。
 ここに国照姫の部下種熊彦は、モスコーを占領せむとして溝川彦を欺き、空虚を狙つて一挙に占領し、数多の魔軍をもつて一斉に攻撃をはじめた。この時モスコーの城塞は田依彦、草香姫の占領に帰してゐた。ここに田依彦、種熊彦の軍を見て国照姫の魔軍と知らず、言霊別命の一味と誤認し、死力を尽して戦ふてゐたのである。そこへ正照彦、元照彦は言霊別命を主将とし、種熊彦の後方より神軍を督して火弾を抛ち、よく戦ふた。種熊彦は双方に敵を受けつひに戦死を遂げ、全軍ほとんど全滅するにいたつた。それと同時に溝川彦の一軍は側面より田依彦、草香姫の軍を襲ひ、克く戦ふた。
 田依彦は種熊彦の滅亡せるを見、竜宮城の味方の援軍のために滅されたるものと信じ、凱歌を奏し万歳を連呼し、城中は鬨の声に充ち満ちてゐた。しかるに側面より溝川彦の激烈なる攻撃を開始したるに打ち驚き、その方に向つて全力をそそぎ、言霊別命の神軍にたいする備へを閑却してゐた。
 言霊別命は渡りに船と勇みすすみて、田依彦の占領する近くより一斉に火弾を発射した。田依彦、草香姫は、周章狼狽なすところを知らず、黒雲に乗じ、たちまち竜と変じ、狐と化して四方に敗走した。この時の天祐は全く言霊別命の神軍に下つた。
(大正一〇・一〇・三一 旧一〇・一 外山豊二録)
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