竜宮城の神々は大半が言霊別命・神国別命に信服していたが、次第に常世姫の魔の手が広がっていた。そこで二神は、天下の義神を募って竜宮城に参集させようと東西に旅立った。
ペテロの都に声望の高い道貴彦という義勇の神があり、言霊別命は自ら訪ねて神界の経綸を説明した。道貴彦は竜宮城に出仕する決心を固めたので、言霊別命は村幸彦を迎えに遣わした。
道貴彦が出発しようとするとき、道貴彦の弟の高国別は大酒を飲んで現れ、出立を妨害しようとした。曰く、祖先の館を捨てて怪しい竜宮に仕えるとは何事だ、という理屈である。
しかし村幸彦に諭された高国別は時勢をようやく悟り、自分が祖先の地を守り、兄を送り出すことに同意した。
道貴彦は花森彦とともに、竜宮城の大門の部将として、入り来る神々の善悪正邪を審判するという重要任務が与えられた。
常世姫は部下の魔我彦・魔我姫に城内の様子を探らせておいて、自分はひとまず常世城へと帰って行った。