ロッキー山は八王神・貴治彦のもと、八頭神・靖国別、靖国姫のもとに治まっていた。
ある夜、靖国姫の居間に地の高天原の密使と称し小島彦と名乗る神がやってきた。そして、地の高天原では悪神によって天使長・大八洲彦命が昇天し、国直姫命が窮地に陥った、と報告を伝えた。
貴治彦、靖国別はこの密使をいぶかったが、たちまち城下に十曜の神旗を押し立てた軍勢が到着すると、密使が城内にやってきて、国直姫命が地の高天原を追われて、ロッキー山に落ち延びてきた、と伝えた。
貴治彦、靖国別はこの様を見て、ただちに国直姫命一行をロッキー山に迎えた。この国直姫命は貴治彦と靖国別に命じ、地の高天原の惨状を視察するように、といって使いに出してしまった。
しかし一方で、貴治彦は竜宮城に先に密かに使いを出して、事の真相を確かめさせていた。
実際には地の高天原は平穏無事に治まっており、大八洲彦命は貴治彦の使いからこのことを聞いて大いに驚いた。そして言霊別命をロッキー山に使わした。