口子姫、須賀彦ともに復命しなかった竜宮城側では、ついに天使・言霊別命を鬼城山に使いに出すことになった。
美山彦側は、何度ともなくこれまでの戦闘で打ち負かされてきた敵将・言霊別命が使いにやってくると聞いて、これを害しようと、口子姫に命じて毒酒を用意させた。
口子姫は毒酒の甕を取り替えたため、言霊別命は危難を脱した。また美山彦は言霊別命に風呂を進めて、そこで命を害しようとしたが、口子姫は言霊別命の身代わりとなり、国照姫の槍に突かれて絶命した。
美山彦は城内くまなく言霊別命を探させた。言霊別命は口子姫の衣装で変装して城を脱出しようとした。清熊はこの変装を怪しんで、衣を掴んで引き止めたが、言霊別命は衣を捨てて裸体のまま城の堀に飛び込み、逃げおおせた。
北へ逃げた言霊別命は、老人夫婦の小屋に逃げ込み、老夫婦の厚意によって衣を得た。そして部下の村幸彦を鬼城山に偵察に向かわせ、自分はさらに北へと向かった。