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文献名1霊界物語 第3巻 霊主体従 寅の巻
文献名2第4篇 鬼城山よみ(新仮名遣い)きじょうざん
文献名3第13章 嫉妬の報〔113〕よみ(新仮名遣い)しっとのむくい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2017-02-11 03:44:12
あらすじ
長白山の八頭神・磐長彦の妻、磐長姫は、ことあるごとに夫に反抗の態度を取っていた。磐長姫は、夫を自分の意にしたがわせようと祈願し、深山に分け入ってすさまじい形相で滝に打たれ、白面の悪狐に魅入られてしまった。

磐長姫はそれより、獣を殺し、ついに気に入らない従者を片っ端から斬り殺すようになってしまった。八王神である有国彦は使いを出して、磐長姫を訓戒させたが、磐長姫は使者をだまして、悪いのは夫であると思わせた。

有国彦は磐長彦・磐長姫の正邪の判別に迷ったが、奥殿に入ると白色の国魂を取り出し、磐長姫に伊吹の神業を行うと、たちまち白毛の悪狐が現れて、逃げてしまった。磐長姫はこれを恥じて大川に身を投じて果てた。

磐長姫の霊魂は緑白色の鴨となった。この川を鴨緑江と言う。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年11月16日(旧10月17日) 口述場所 筆録者栗原七蔵 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月3日 愛善世界社版80頁 八幡書店版第1輯 288頁 修補版 校定版82頁 普及版36頁 初版 ページ備考
OBC rm0313
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本文  長白山には白色の玉を、荘厳なる神殿を造営してこれに鎮祭し、国魂の神の御神体となし、八王神は有国彦これに任ぜられ、妻の有国姫神業を輔佐することとなりぬ。八頭神には磐長彦任命せられ、磐長姫は妻となり、内助輔佐の役を勤めゐたりける。
 しかるに磐長姫は、その性質獰猛邪悪にして、かつ嫉妬心の深き女性なりき。常に夫の行動を疑ひ、何事にもいちいち反対的行動をとり、夫が東へゆかむとすれば、西へゆくといひ、山へゆかむといへば、川へゆくといひ、常に夫婦の間に波瀾が絶えざりしが、磐長姫の頭髪は、実に見事なるものにして、その色沢は漆のごとくあくまでも黒く、ひいて地上に垂るるほどなりし。磐長姫はある時ただ一人深山にわけ入り、白布の滝に身をうたれ、夫の我意に従はむことを祈願したり。
 百日百夜強烈なる滝にうたれ、見るも凄じき血相にて、祈願をこめゐたるをりしも、山上より騒がしき足音聞え、樹木を吹き倒し、岩石を飛ばし、姫のかかれる滝の上にも、あまたの岩石降り来たりたれども、姫はこれにも屈せず、一心不乱に、長髪をふり乱し、祈願を籠めつつありぬ。そこへ忽然として白狐の姿現はれ、姫にむかつて、
『我は常世国の守護神なり。汝の熱心なる願ひにより、今より汝の肉体を守護すべし』
といふかと見れば姿は消えて、ただ滝の水のはげしく落つる音のみ聞えけり。
 それより磐長姫の黒漆の頭髪は、にはかに純白色に変じ、眼は釣りあがり、唇は突出し、容貌たちまち一変するにいたりけり。
 磐長姫は、我は白狐の守護により、夫の驕慢を矯なほし、夫婦和合の目的を達することと確信し、欣然として長白山にかへりきたれり。
 さて磐長彦をはじめ、あまたの神司は姫の俄然白髪となり、かつ面貌の凄くなりたるに驚きぬ。それより姫は性質ますます獰猛となり、日夜従者をしたがへて山野に入り、兎、猪、山鳥なぞを狩立て無上の楽みとなし居たりければ、夫はこれを固く戒めて曰く、
『天地の律法を厳守して、すべての生物を断じて殺すべからず』
とおごそかに訓諭しける。されど白毛の悪狐に憑かれたる姫は、夫の訓諭を、東風吹く風と聞き流し、ますます殺生をつづけ、つひには我が意に少しにても逆らふ従者は、片つ端より斬り殺し、生血を啜りて無上の快楽となし、悪逆の行為日に日に増長し、従者も恐れて近づくものなきにいたりたり。
 このこと八王神なる有国彦の耳に入り、唐山彦をして厳しき訓戒を伝達せしめられたるに、磐長姫は声を放つて号泣し、夫の無情を陳弁し、かつ、
『妾は天地の律法を厳守し、虱一匹といへども殺したることなし。その証拠には妾が着衣を検められよ』
といひつつ、下着を脱いで唐山彦の面前に差出したり。唐山彦は、その下着を見ておほいに驚きぬ。よく見れば下着には、ほとんど隙間なきほどに、粟のごとく虱鈴生になりゐたればなり。唐山彦はこれを見て、同情の涙にくれ、
『貴女の御心中察するにあまりあり。かくのごとく虱にいたるまで、仁慈の情をもつて助けたまふ。今は疑ふところなし。この由ただちに八王神に達し奉らむ』
と袂を別ち帰りゆく。あとに磐長姫は長き舌をだし、いやらしき微笑を浮かべてけり。
 有国彦は、唐山彦の復命の次第を詳細に聴きをはり、ただちに磐長彦を召して、
『事実の詳細をつつまず、隠さず奏上せよ』
と厳命しければ、磐長彦は事実をもつて答弁したり。されど有国彦は頭をかたむけ半信半疑の面色にて、命の顔色を熟視されつつありき。このとき磐長姫は、夫の後を追ひ出できたり有国彦にむかつて、涙とともに、言葉たくみに我身の無実を陳弁したりける。
 ここに夫婦二人の争論は開かれけるが、姫は口角泡をとばし、舌端火をはき、両眼はますます釣りあがり、口は耳元まで割け、見るも凄じき形相となりける。有国彦はこの光景を見てただちに奥殿にいり、白色の国玉を取りだし、その玉を両手に捧げ、磐長姫目がけて、伊吹の神業を修したまへば、その身体より、たちまち白毛の悪狐現はれいで、空中を翔りて、たちまち西天に姿を没したりける。
 ここに磐長姫は大いに愧ぢ、この場を一目散に逃げだし大川に身を投じ、終焉を遂げたり。しかして磐長姫の霊魂は化して無数の緑白色の鴨となり、水上に浮きつ沈みつ日を送ることとなりぬ。これよりこの川を鴨緑江となんいふとかや。
(大正一〇・一一・一六 旧一〇・一七 栗原七蔵録)
(第一二章~第一三章 昭和一〇・一・一六 於みどり丸船室 王仁校正)
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