国祖は地の高天原の役職について、天上より高照姫命を降して宰相とし、天使長とした。また真澄姫、言霊姫、竜世姫らを天使と定めた。
この新体制により、八王たちは八王大神の支配を離れて高照姫命に帰順したため、一時は世界は前にもまして平和に治まることとなった。加えて、竜宮城の三重の金殿から顕国の御玉の霊光が発揮して邪神を照らし、地の高天原と竜宮城に神威をますます加えた。
顕国の御玉の霊威は、万寿山に退去した四神の祈念の力によるものであった。しかし高照姫命以下地の高天原・竜宮城の神々は、須佐之男大神のご守護の賜物であることを悟らず、慢心したために、徐々に世界には不平不満の声が満ちてくるようになった。
ここにいたって八王大神は、大国彦とはかって各地の八王・八頭に邪霊を憑依させ、再び聖地に反逆させることに成功した。八王大神らが再度聖地に攻め寄せると、高照姫命らは軍事力でこれに対抗し、国祖の戒めを無視して戦いを続けたために、聖地は戦乱によって悲惨を極めた。
激しい戦いの末、神器の威力もあって地の高天原軍が勝利するが、東北から強風が突如として吹き起こり、聖地聖城を倒壊させ、甚大な被害が生じた。また洪水が氾濫して竜宮城は水没するほどになってしまった。
神々は国祖の神勅をないがしろにした報いであろうと謝罪の天津祝詞を必死で称えたが、天変地異は一向に収まる気配がなかった。