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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第2篇 天地暗雲
文献名3第9章 大の字の斑紋〔159〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ八島姫の父である南高山の八王・大島別は壇上に上がると、一同に向かって、娘の八島姫は現在南高山の城に居り、ここに八島姫と名乗るは妖怪変化に違いない、と語ると、八島姫をめがけて斬りつけた。
常世城の八島姫は刀をひらりとかわすと、父に向かって微笑をたたえながら、なだめ諭した。
大島別の部下・玉純彦も壇上に上がり、本物の八島姫は額に巴形の斑紋があり、左肩には大の字の斑紋があるはずだ、と詰め寄った。壇上の八島姫は額の白粉を落として、大島別・玉純彦に斑紋を示した。
まだ疑いを晴らさない二人に対して、八島姫が左肩の斑紋を示すと、ようやく大島別・玉純彦の疑いは和らいだが、そうなると今南高山に居る八島姫は何物であろう、と思案にくれてしまった。
そこへ、南高山から八島姫がやってきた、という知らせが会議場に入った。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月17日(旧11月19日) 口述場所 筆録者出口瑞月 校正日 校正場所
OBC rm0409
本文の文字数2084
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本文  常世姫の快諾を得て今や中央の高座に現はれたる神司は、南高山を主管する八王の大島別なりき。命は登壇するや否や、八島姫の全身に眼をつけ、頭上より足の爪先まで異様の顔色すさまじく熟視し、ややしばらく無言のまま壇上に突つ立ち瞑目をつづけ、思案に暮るるものの如くなり。満場の諸神人は大島別の態度の尋常ならざるに怪訝の念を湧起し、たがひに眼と眼を見合せゐる。場内はあたかも水を打つたるごとき静寂の空気漂ふ。
 大島別はやうやく口を開いていふ、
『満場の神人よ、活目張耳して今回の会議を熟慮されよ。昨日の議場の怪といひ、種々合点のゆかざることのみ多かりしに、今日またもやその怪はますます怪ならずや先刻道貫彦の賛成説を吐露するや、たちまち中空に怪声あり、…常世彦の奸策に陥るな、悪魔は常に善の仮面を被るものぞ、諸人注意せよ…と呼ばはりしその声は、果して何神の発声なりしぞ。おそらくは現場に出席したまふ神司らの声には非ざるべし。我は之をもつて全く天津神の御注意の御声なりと断言して憚らざるものなり。現に見よ、いまこの壇上に立てる八島姫はいかにも我娘の八島姫に酷似して、その真偽を判別せむとするは、現在の父たる吾においても、これに困しまざるを得ざるまでに克くも化けたり。これをもつて察するときは常世姫はじめ春日姫、八島姫の三女は、けつして正しきものにあらず。かならず妖怪邪鬼の変化なるべし。現に吾が娘八島姫は一度ある事情のために、城内を脱出し、諸方に彷徨せしことあるは事実なれども、忠実なる従者玉純彦の苦辛惨憺の結果、スペリオル湖の南岸において姫に邂逅し、ただちに姫を南高山にともなひ還りたれば、我は南高山にありて姫の孝養を受け日夜傍を放れしことなし。しかるに一応合点のゆかぬは、いま眼のあたり八島姫の堂々としてこの壇上に現はれ、小賢しき駄弁を振ひをることなり、吾は二柱の八島姫を産みし覚えなし。思ふに、この八島姫なるものは、妖怪変化の作用に相違なし。吾いまその正体を曝露し、諸神人の眼を醒し参らせむ』
と言ふより早く長刀を抜きはなち、電光石火の迅業に八島姫の首は壇上に落ちたるかと思ひきや、八島姫はヒラリと体をかはし、悠然として直立し、微笑をたたへながら、
『父上よ心をしづめて妾が言葉を聞きたまへ。大事の前の小事、早まつて噬臍の悔を後日に貽したまふな』
と、泰然自若すこしの恐れげもなく述べたてけり。
 大島別は八島姫の少しも動ぜざる、その態度にあきれ、やや躊躇の色見えたる折しも、玉純彦はまつしぐらに壇上に登り八島姫の前に立ちふさがり、言葉を荒らげ肩をそびやかし、眼を怒らせながら、
『汝は必定常世の国の邪神の変化なること一点疑ふの余地なし。汝いかに巧みに変化して神人を誑惑せむとするも、吾一人のみは欺き得ざるべし。八島姫には他神人の知らざる特徴あり吾は常に姫に奉侍してその一部身体の特徴を知悉す、第一には額に巴形の斑紋なかるべからず、第二には左の肩のあたりに大の字形の紋あり、汝果して八島姫ならばその斑紋を明らかに吾が前に示して證明せよ』と言葉鋭く詰め寄れば、八島姫はカラカラとうち笑ひ、
『愚なるかな玉純彦、汝かくまで妾を疑ふならば、今その證拠を顕はさむ』
と額に塗りつけたる白粉を、両手をもつて擦りおとし、
『玉純彦これを見よ』
と額を突出し見せたるに、擬ふ方なき巴形の斑紋は歴然として表はれたり。玉純彦は眉毛に唾し眼をこすり、吾と吾が頬を爪もてつまみ、不審の眉をひそめて、八島姫を深く見つめてゐたり。八島姫はまたもや笑つて、
『いかに玉純彦よ、妾の妖怪変化に非ざることを悟りしや』
と言ひながらクルリと背を玉純彦の方に向けたり。玉純彦はその後姿を首筋から足の下まで打ちながめ、長き舌をまき太き息を吐きながら、
『この畜生奴、よくも完全に化けをつたなあ』
と思はず叫ぶ。八島姫はやや声をとがらせ、
『汝は主の姫女にむかつて無礼の雑言畜生奴とは何事ぞ』
と向きなほり柳眉を逆立て叱りつけたるに、玉純彦はその真偽の判断に苦しみける。玉純彦は半信半疑の雲につつまれ壇上に諸神人とともに、無言のまま暫時突立ち居たり。八島姫は、
『汝はこれでも疑ひを晴らさざるか』
と言ひつつ片肌を脱ぎ、左肩の大の字の斑紋を示したるより、玉純彦はその場に平伏し無礼の罪を陳謝したり。
 大島別は、初めて疑ひ晴れたれど、南高山にある、八島姫の身上についてふたたび疑問を喚び起さざるを得ざりけり。第一の不審は、城内の八島姫には巴形の斑紋の有無に気づかざりし故なり。玉純彦もまた巴形の斑紋の消え失せたるものと考へゐたるが、いま目のあたり確固不動の証拠を見て、南高山の八島姫を疑ふこととなり、大会議の壇上に我身の立てることさへも気づかずありける。このとき南高山より大島別の後を追いつつ八島姫きたれりとの報告あり。アヽこの判別は如何。
(大正一〇・一二・一七 旧一一・一九 出口瑞月)
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