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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第2篇 天地暗雲よみ(新仮名遣い)てんちあんうん
文献名3第12章 横紙破り〔162〕よみ(新仮名遣い)よこがみやぶり
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-02-23 18:22:26
あらすじ
八王大神は壇上に登り、またもや八王の撤廃を訴え、さらに神々自身の武装を除去することを提案した。大自在天の部下・大鷹別は登壇し、八王大神の弁に賛成の意を表して強圧的な演説を述べ立てた。

これにたいして天山の八王・斎代彦は飄然と登壇すると、八王大神、大自在天の強圧的なやり方を痛烈に非難した。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月18日(旧11月20日) 口述場所 筆録者出口瑞月 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版72頁 八幡書店版第1輯 398頁 修補版 校定版77頁 普及版35頁 初版 ページ備考
OBC rm0412
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本文  常世城の大広間の中央の高座には、八王大神常世彦泰然として現はれ、ふたたび神界永遠の平和確立のため、八王神の聖職を撤廃し、神人各自の武装を除却すべきことを提案したり。
 大自在天大国彦の重臣なる大鷹別は、登壇するや否や満場の諸神司に向つて、八王大神の提案にたいし、縷々数万言を費やしてその提案を称讃し、かつ、
『かくのごとき事理明白なる天来の福音にたいして、異議をはさむ神司ありとせば、我らは神界平和の攪乱者としてこれを排斥せざる可らず。諸神司はいづれも公明正大にして、天下の平和を心底より好愛さるる仁義の方々なれば、八王大神の大慈眼の発露ともいふべき今回の提案に対しては、満場一致もつて本会議の大目的を達成すべく努力されむは必定なりと、吾々は堅く信じて疑はざる次第なり。願はくば賢明なる諸神司の一致的賛成を世界平和のために熱望して止まざる次第なり』
と頭上より大風呂敷をかぶせ有無を言はせず、一瀉千里の勢を以てこの議案を疾風迅雷耳を覆ふに暇なく通過せしめむとしたり。
 列座の諸神司はまたもや乱暴極まる議案の提出と、大鷹別の強要的弁舌に不快の念をおこし満場寂として、一柱の立つて応答弁駁するものなく、いづれもその突飛なる提案に呆れ果て面上にも、形容しがたき不安と公憤の色ただよひぬ。中には隣席の神司と眼と眼を見合せ、その横暴に舌をまくものもありける。常世彦をはじめ、大国彦は苦虫を噛み潰したる如き六ケしき面構へを高座に曝して、形勢いかんと固唾を呑み手に汗を握りて、何人かの発言を、もどかしげに待ちゐたり。
 このとき天山の八王斎代彦は八王大神にむかひ、発言権を求めながら両腕を振りつつ登壇したれば、諸神司の視線は期せずしてその一身に集注したり。
 斎代彦は壇上に現はれ咳一咳し、右の手の掌をもつて鼻先を左より右に擦りあげ、そのまま右の眼瞼から眼尻にかけてツルリと撫で次で、洟を右の手の甲にてかみ、ただちに右の乳の下あたりの着衣に無造作に拭きとり、上唇を山形に人中の下に押し上げ配列不整なる赤黒き歯を剥きだし、平素得意の能弁を活用するはいまこの時なり、との誇りを面に遺憾なく表白したりける。元来斎代彦は磊落不覊の勇者なり。八王大神の大勢力も大自在天の権勢力も彼にとつては放屁の一つとも思ひをらず。またもや鼻をこすり上げ眼を撫で洟をかみ、その手を乳の方で拭ひながら、雷声を発していふ。
『元来八王大神かれ何ものぞ、大自在天とは彼れ果して何ものぞ。そもそも狐ン怪の屁和怪疑なるものは、天地神明の大御心に出でたるものに非ずして、神にあらざる神の発企に成れるものなれば、我らをはじめ諸神司は、互にその蘊蓄をかたむけて各自の意見を吐露し正邪理非の根本を討覈し、和衷協同して、もつて世界永遠平和の基礎を確立せざるべからず。しかるに何ンぞや、八王大神の強要的宣示といひ、大自在天の部下なる大鷹別の傍若無人の強圧的暴言といひ、殆ンど巨石を以て頭上を打ち砕くに等しき、その言辞論説の横暴無道なる、どこに和親協同の精神がある。平和を懇望するの至誠果していづれにあるや。諸神司よ柔順と隠忍と盲従とは決して平和を招来するものに非ず、諸神司は本会議に対しては、無限絶対的の権能あり、しかるに何を苦しみてか諸神司らは斯かる大問題に対して沈黙を守らるるや。諺にいふ、出る杭は打たれ、喬木は風にもまる、如かず退いて我身の安全を守らむ、とするに如かずと卑怯の精神に抑圧されたまふに非ずや、左もなくば八王大神ごとき神司の勢力に恐怖されしに非ずや。八王大神も神司なれば、諸神司もまた同様なり、大自在天の権威にして、いかに強大不可犯の趣きあるごとく見ゆるとも、宇宙の大元霊たる大国治立命の、無限絶対の神威と慈心に比ぶれば、象にたいする蚤の比較にも如かず。我らは大神の厳命にしたがひ、天山の八王として神明の示教を奉戴し、普く神人を教化し扶掖す。これにたいして虱にも比べがたき微々たる八王大神、または大自在天を恐るるの理由あらむや。我らの王は生ける真正の独一神なり。諸神司よ、宇宙はいかに広大にして無辺なりといへども、畏るべく、信ずべく、親しむべく、愛すべきものは真誠の活ける神ただ一柱あるのみ、何ンぞ八王大神らの頤使に盲従し、以て真正の神の聖慮に背かむや。諸神司よろしく自己の天授的聖職の神聖不可犯なる理由を反省され、神にあらざる神の圧制的宣示に盲従すること勿れ。大宇宙にはただ独一の真神なる大国治立命ゐますのみ。しかるに常世彦はみづから称して、王の王たらむとし、八王大神と称す、真正の神ならぬ身として八王大神とは僣上至極、天地容れざるの大逆罪なり。我は今より八王大神に尊称を奉らむ、即ち八王のおは八頭八尾の大蛇の尾にして、大神を台陣と敬称せむ、諸神司の賛否いかん』
と弁舌水の流るるごとく説き去り説き来つて、平然として一座を見渡したり。満座の神司らは斎代彦の痛快なる演説に溜飲を下げ、元気は頓に加はり、各自肩のそびゆるを覚えざる程なりき。八王大神の部下の邪神は喧々囂々として嘲罵し咆哮し、この演説を極力妨害せむとせしに、斎代彦はそれらの妨害も嘲笑も馬耳東風と聞きながし、滔々として所信を述べ了り、右手をもつて鼻と目をこすり、最後に着衣の袖にて洟の手を拭ひながら悠々として降壇し自席に着きにける。
(大正一〇・一二・一八 旧一一・二〇 出口瑞月)
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