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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第2篇 天地暗雲よみ(新仮名遣い)てんちあんうん
文献名3第13章 再転再落〔163〕よみ(新仮名遣い)さいてんさいらく
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-08 16:23:02
あらすじ
八王大神の部下・八十枉彦は斎代彦に反論しようと登壇したが、にわかに舌が釣りあがり、恥をかいて降壇した。

続いて大自在天の部下・蚊取別が登壇して斎代彦を非難する弁舌を始めた。蚊取別は演説のたびに自分の額をピシャリと叩く癖のせいで壇上から転倒して担ぎ出されてしまった。

続いて八王大神の部下・広依別は演説中に壇上をぐるぐる行き来する癖のために、踏み外して壇から落ちてこれもまた、担ぎ出されてしまった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月18日(旧11月20日) 口述場所 筆録者出口瑞月 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版77頁 八幡書店版第1輯 400頁 修補版 校定版83頁 普及版37頁 初版 ページ備考
OBC rm0413
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本文  このとき八王大神の部下なる八十枉彦は、胡麻煎型の禿頭に湯気を立てながら、発言権を請求して登壇し、右手を高く右耳のあたりより、クルリと左頬部を撫で廻し、その手を胸のあたりに抱へるやうな招き猫よろしくといふ恰好で一寸押へ、ややうつむきつつ頭を前方に突きだし、蚊の鳴くやうな歯切れのせぬ、細い肝声を臍の上方より搾りだし、乞食が物を貰ふときの姿勢よろしく承り腰になりて、
『アヽ満場の諸神司よ』
と一言を発したまま、今度は腹をやや前方に突出し、左の手で自分の腰を三ツ四ツ打ちながら衝立つかと思ふと、またもや腰を曲げて前方に頭をうつむけ、幾回ともかぎりなく繰り返し繰り返し狂態を續けたり。あたかも機織バツタの化物然として滑稽なる態度を晒しける。
 神人らの中には可笑しさに耐へかねて、クツクツと吹き出すものさへありけり。今まで斎代彦の痛快なる演説のために緊張し切つたる議場は時に取つての実に一種の愛嬌にぞありける。
『八十枉彦といふは、その名のごとく心の八十色百種に曲つてゐるかと思へば、頭も腰も素敵滅法界に曲つた奴だ』
と小声に囁く神人もありき。八十枉彦は妙な手付きをしながら、憤然として斎代彦の言にたいして大々的攻撃を加へ、大勢を挽回せむとし、矢庭に登壇はしたものの、にはかに舌が釣り上りしために、ただ口ばかりをパクパクさせて上唇と下唇との衝突運動を開始したるのみ。衣川の弁慶よろしくといふ行体にて、壇上に機織バツタの曲芸を演じ、諸神司を抱腹絶倒せしめたるのみ、一言半句も得出さず、またもや右の手を右耳のうしろより左頭部にクルリと撫で廻し、ついでに頭を三ツ四つガシガシと掻きながら、満座の中で赤耻までかいて手持無沙汰に降壇し、こそこそとその珍姿怪体を隠したりにける。
 大自在天の部下なる蚊取別は、八十枉彦の失敗に憤慨し、会稽の耻辱を晴らさばやと焦立ちながら八王大神にたいし発言の許可をもとめて、肩を斜にゆすりながら傲然として登壇したり。
 蚊取別にもまた一つの面白き癖ありき。満場の神司に向つて一礼せむとし、まづ吾が額をあたかも蚊の止まれるを打ちたたくごとき手つきにて、ピシヤリと右の手にて打ちながら、屁放り腰になりて前方を見渡し、大文字屋の福助に菊石をあしらつたごとき御面相にて大口を開き、満場を睥睨し、
『アヽ満場の諸神司よ、諸神司は斎代彦の驕慢不遜なる言動にたいしていかなる御感想を』
と、ここまでいつて、またもや額をピシヤリと一つ打ち、腰をかがめ、
『承はりたし、畏くも大宇宙の大元神たる大国治立命の神霊を奉祀し、神明の』
と、ここまで云つてまたもや額を右の手でピシヤリと音をさせ、屁放り腰を後に突だしながら、
『御許容の下に開かれたる神聖なる』
とここまで云つては、またもや止まつた蚊をたたくがごとき手つきにてピシヤリとたたき、
『大議場を攪乱せむとする悪逆無道の邪神なり。我々は議場の神聖を保つために先づ第一着手として』
とここまで云つて、またもや額をピシヤリと打ちたたき、調子にのつて吾と吾が鼻柱を拳骨を握りかためて打ちたたき、眼から火を出し昏迷して壇上より真逆様に顛倒し肱を折り、
『イイイ痛つたーい』
と左の手で右手の肱を撫で、涙をボロボロとこぼして男神に似合ず、ほへ面をかはく可笑しさ、神人らは周章てて之を担ぎ場外に持ち運びけり。
 ここに八王大神の一味なる広依別は、発言の権を求めて、勢よく大手を振つて登壇したるが、広依別にもまた一つの妙な癖ありき。彼は演壇に立つや、両手を背後にまはし弱腰の辺にて結び合せ、反身になつて壇上を前後左右に往来しながら演説を始めたりしが、少しく油が乗り来ると、その往来はだんだん激烈の度をまして、終には両手を離し、両の手に拳骨を握り、一言云つてはポンと卓上を乱打する悪癖あり。
 広依別はその名のごとく、壇上を広く往来せねば演説の出来ざる奴なり。彼は列座の神人に向ひ、お玉杓子に目鼻をあしらつた如き凹みたる顔に、田螺のごとき丸い眼玉の持主なるが、彼はその丸い眼をギヨロつかせ、右の手の拇指を以て左の眼をこすりながら、
『満場の諸神司よ。吾こそは此の広大なる常世の国の常世の城主、もつたいなくも天下に勢力徳望ならびなき八王大神常世彦、常世姫の最寵最愛の従臣にして、常世城はおろか常世の国は未だおろか、トコトコまでも名の轟いた常世彦の床の間近く侍りたてまつる智勇兼備の勇者なり。世の諺にも勇将の下に弱卒なしとは宜なる哉言や。諸神司よ、今度こそは耳の穴の掃除をなして、余が明智の言を聞かれよ』
と傲然として鼻うごめかしつつ述べ立てながら、例の癖を発揮して壇上を前後左右に往来しつつ、卓を頻りに打ちながら、グルグルと速度を早めて舞ひ狂ふ。
 神司らは広依別が、蚊取別の二の舞を演ずるごとき失態を演出せざらむかを、汗を握つて危み、その身体のみを凝視し居たるが広依別は、その演説に油がのり来たり、いよいよますます猛烈に舞ひ狂ふその態度を、神人らは半笑半危の態にて打ち眺め居たる。広依別は図に乗り舞ひ狂ひ、愚論迂説を連発しながら、踏み外して壇上より転落し、蚊取別同様に右の肱を折り挫き、神司らに担がれてまたもや場外に運ばれにけり。斯くも邪説を吐く邪神の不可思議なる運命に遭遇するの悲劇は果して何ものの所為なりや。量り知るべからざるなり。
(大正一〇・一二・一八 旧一一・二〇 出口瑞月)
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