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文献名1霊界物語 第4巻 霊主体従 卯の巻
文献名2第3篇 正邪混交よみ(新仮名遣い)せいじゃこんこう
文献名3第20章 長者の態度〔170〕よみ(新仮名遣い)ちょうじゃのたいど
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-04-29 21:16:55
あらすじ
森鷹彦の厳然たる非難と、猿田姫の説き諭した歌によって、満場の諸神はやや本心に立ち返りつつあった。その形勢を目ざとく見て取った八王大神はやおら演壇に登ると口を切って演説を始めた。

八王大神は、大国治立命を最大限に尊重し、そうであるからこそ混乱を収めるために、国祖の御心を汲んで、我々自身が自発的に世の中をよくするように行動しなくてはならない、八王の撤廃もそのような意図から来るものである、と強弁した。

一同は、国祖の威をかさに着た八王大神の論弁に反論できずにいたが、にわかに八王大神は顔色蒼白となり、あっと叫んで壇上に倒れてしまった。
主な人物 舞台 口述日1921(大正10)年12月21日(旧11月23日) 口述場所 筆録者 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年3月30日 愛善世界社版130頁 八幡書店版第1輯 419頁 修補版 校定版137頁 普及版59頁 初版 ページ備考
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本文  森鷹彦の峻烈なる攻撃演説と、猿田姫の流暢なる水も漏さぬ歌意とによつて、並居る満場の諸神司はややその本心に立復り神威の畏るべく、神律の儼として犯すべからざるを今さらの如く自覚し、神人らは以心伝心的に八王大神らの今回の言動の信憑すべからざるを固く知了したるごとき形勢は、会場の各所に漂ひける。この形勢を目敏くも見てとりし八王大神は、ヤオラ身を起して演壇の前に立ち現はれたり。
 さて八王大神常世彦は頭髪長く背後に垂れ、身躯長大にして色白く、眼清く、眉正しく鼻は高からず低からず、骨格逞しうして神格あり、何処となく長者たり頭領たるの権威自然に備はり、諸神人の猛烈なる攻撃も嘲罵も、少しも意に介せざるがごとく、如何なる強敵の襲来も、たとへば鋼鉄艦に蝶々の襲撃したるごとき態度にて悠々せまらず、光風霽月の暢気さを惟神に発揮しゐたりけり。かくのごとき神格者の八王大神も、少しく心中に欲望の念萠さむか、たちまち体主霊従的行動を敢行して憚らぬまで神格一変したりしなり。心に一点の欲望おこるや、宇宙間に充満せる邪神は、その虚に乗じて体内に侵入し、ただちにその神格をして変化せしめ、悪心欲望をますます増長せしめむとするものなり。ゆゑに八王大神も常世姫も、天授の精魂体内を完全に支配するときは、じつに智仁勇兼備し且つ至聖至直の神格者となり得る人物なり。邪神の憑依せしときの二人は、俄然狂暴となり、時に由つては意外の卑怯者と変ずることあり。如何に善良なる神人といへども、その心中に空虚あり、執着あり、欲望あるときは直様邪神の容器となる。実に恐るべきは心の持方なりける。これに反し、至誠一貫わづかの執着心も欲望もなき神人は、いかなる場合にも恐怖し嗟嘆し失望することなく、行成彦のごとく、敵城にありながら少しも恐れず滔々として所信を述べ、その目的の達成に努力を吝まず、その使命を完全に遂行することを得るものなり。
 常世彦は悠々せまらず静かに壇上に行儀正しく佇立し、温顔に溢るるばかりの笑を湛へて両手を揃へて卓上におき、ややうつむき気味になりて、諸神人の面上を見るごとく見ざるごとく、諄々として口演を始めたり。
『あゝ満場の諸神司ら、吾が最も敬愛するところの八王をはじめ、慈愛と正義の権化とも称ふべき神人らの前に、謹ンで吾が胸中に深く永年納めおきたる赤心を吐露し、もつてその同情ある御了解を得て、這般の大会議の目的を世界平和のために達成せむことを、天地の神明に誓ひ、至誠をもつて貫徹せむことを希望する次第であります。そもそも、宇宙の大元霊たる大国治立命の大宇宙を創造し、太陽、太陰、大地および、列星を生み成し洪大無辺の神業を樹て給ひしは、万有一切の生物をして、至安至楽の世に永遠無窮に栄え住はしめ、かつ宇宙の大意志を完全に遂行せしめたまはむが為であります。大神は太陽を造り、これに附するにその霊魂と、霊力と霊体をもつてし、太陽の世界にその守護神を任じたまひ、太陰にも同じくその霊魂と霊力と霊体とを附与して、各自の守護神を定めて、太陽界と太陰界の永遠無窮の保護神として、それぞれの尊き神をして守護せしめたまふ如く、我地上にも大国治立命の分霊をして、これを守護せしめたまふたのであります。これぞ、吾々の日夜尊敬して止まざる大地の主宰たる国治立命であります。賢明にわたらせらるる諸神司の方々は、吾々のごとき愚者の言は、耳を傾くるの価値なきものとして一笑に付して顧みられざるは、当然であらうと思ひます。しかしながら、宇宙一切のものには凡て本末がありますから、幼稚極まる論説でありますが、今日は天地開闢にも比すべき神聖祥徴の大会議でありますから、賢明なる諸神司の特に御承知のこととは存じながら、神の御恩徳を讃美したてまつるために、謹ンで天地根本の大道より説きはじめた次第であります。そもそも我地上の大主宰にまします、国祖の国治立命は、鋭意世界の平和と、進歩発達の聖業を完成せむと、不断の努力を続けさせたまふは、諸神司の熟知さるるところと堅く信じて疑はざる次第であります。国祖は大慈大悲の大御親心を発揮し、神人その他の生物をして各自そのところを得せしめむと、大御心を日夜に砕かせたまふは、吾々は実に何ンとも申上げやうのなき有難きことであつて、その洪恩に報いたてまつり、大神の御子と生れ出でたる地上の万有も、大神の御心を心として、吾々はそれぞれ神のために、最善の努力と奉仕を励まねばならぬのであります。国祖の神は、その御理想を地上に完全に遂行せむがために、ここに国魂の神を祭り、八王、八頭を配置し、もつて神政の完成を企図したまひしことは、諸神司も御承知のことと思ふのであります。しかるに、現今世界の状況をつらつら思考するに、賢明なる八王、八頭の方々の鋭意心力を尽して治めらるる各山各地は、いづれも星移り月代りて、次第に綱紀は緩み最早収拾すべからざるに立到つたことは、直接その任に当りたまふ、諸神司らの熟知さるるところでありませう。かくのごとき世界の混乱を放任して、これを修斎せざるは、果して国祖の御聖慮に叶ふものでありませうか、いづれの神司らも、我々としては実に申上げがたき言葉でありますが、これでも、立派に国祖の大御心を奉体されてをらるるのでありませうか。国祖は現代の世界の状況を見て、いかに思召したまふでありませうか。吾々は、深夜ひそかに国祖の神の大御心を推察したてまつるときは、熱涙滂沱として腮辺に伝ふるを覚えざる次第であります。仁慈に富ませたまふ、国祖の神の御聖慮はいかに残念に思召さるるでありませう。一旦神命を下したまひて八王と定めたまひし以上は、その不都合なる神政をおこなふ神司が、万々一ありとしても、神司らの体面を重ンじ、容易にその御意思を表白したまはず、神司らの本心に立復り、神意の神政をおこなふを鶴首して待たせたまふは、必定であらうと思はれます。アヽ国祖は今日の八王らの、優柔不断の行動を見て、日暮ンとして途遠しの御感想をいだき、内心御落涙の悲惨を嘗めたまはぬでありませうか。吾々神人の身をもつて、国祖の大御心を拝察したてまつるは畏れ多きことではありますが、大神は必ずや、各山各地の八王の退隠を、自発的に敢行するのを希望されつつ、心を痛めさせたまはぬでありませうか。諸神司はここにおいて、一つ御熟考を願はねばなりませぬ』
と自発的八王の退隠を慫慂したりける。並ゐる八王、八頭は、国祖を笠にきての堂々たる八王大神の論旨にたいして、一言半句も返す辞なく、羞恥の念にかられて太き息を吐くのみなりける。この時いかがはしけむ、八王大神の顔色俄に蒼白となり、アツ、と叫ンで壇上に打倒れたり。アヽこの結末は如何に治まるならむか。
(大正一〇・一二・二一 旧一一・二三 出口瑞月)
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