大神は厳然として正座になおると、桃上彦を天使長と任じ、その部下たちを補佐に任じた。また、常世姫を竜宮城の主管とし、八王大神常世彦は常世の国で神業に奉仕することと定めた。
桃上彦兄たちと心を照らし合い改め、常世彦、常世姫、大自在天の部下ら悪神たちも、このときばかりは前非を悔い、大神のために力を尽くすことを誓ったのである。
鬼武彦、高倉、旭らの白狐は聖地を離れて各地を放浪し、猛り狂う邪神たちを言向け和した。春日姫、八島姫は聖地の常世姫の侍女としてとどまった。
常世姫管掌のもと、竜宮城はよく治まり、平和の一大御世が現出した。しかし時が移るにしたがって桃上彦は放埓の気が生じ、ついには八王大神らの信任を失って混乱を招くに至るのである。
桃上彦は事足姫が天則を破って後添えを向かえて生まれた子である。父母の精神行動はその子に及ぶのである。これをもって親たるものは、至誠善道を行うように心がけるべきなのである。