常世彦は天上の日の大神、月の大神、広目大神に、国祖が頑強にして、地上神界の主宰者として不適任であることを奏上した。
天の大神たちは、自分の祖神である国祖の身の上を慮り、神政をいったん緩和して神々の心を和めようとした。
しかし国祖を動かすことができなかったので、国祖の妻神である豊国姫命を招き、国祖に諫言してもらうよう説得をした。豊国姫命は命を受けて国祖に柔軟な神政を敷くことを説いたが、国祖は天地の律法は神聖犯すべからずとして、聞き入れなかった。
ついに常世彦は、父親の常世彦が開催した最初の常世会議の際に、国祖が権謀術数を尽くして妨害工作をしたことを持ち出し、天の大神に国祖を律法違反で追放するよう奏上した。
天の三体の大神はついに聖地に降り、根底の国へご退隠すべきことを、涙を呑みつつ伝えられた。三体の大神の心情を察した国祖は、自ら退隠の意を表するに至った。
国祖はただちに幽界に降り、幽政を司ることとなった。しかしその精霊は地上神界の聖地から東北の方角にあたる、七五三垣の秀妻国にとどめた。諸神人は国祖の精霊を封じるために、七五三縄を張り巡らした。
豊国姫命は夫神の隠退にともない、みずから聖地の西南にあたる島国に隠退し、隠れて神界を守護することとなった。
これが、艮の金神、坤の金神の名の始まりである。
天地の律法を国祖とともに制定した天道別命、天真道彦命も八王大神に弾劾され、天使の職を退いた。二神は世界の各地を遍歴し、身を変じて五六七神政の再建を待つこととなった。
国祖大神以下の神々がご退隠した地点を明示するために、神示の宇宙を述べることとする。