聖地エルサレムが崩壊し、八王大神らがアーメニヤに逐電した後、橄欖山の神殿は鳴動し、竜宮城の三重の金殿が空中に向かって延長し、上端は東西に伸びて丁字型の金橋を形作った。
この金橋は緩やかに回転し、橋の各部から美しい細い金色の霊線が発生して、柳のように地上に垂下した。霊線の先には、金・銀・銅・鉄・鉛などの鉤がついていた。これを「神の御綱」、または「救ひの鉤」という。
中空に金橋が伸びて回転する様を見て、地上の神人らは怪しみ不安の念にかられた。宣伝使たちは各地を回って、教えを受け入れ正道に帰順した神人には、ひそかに見えない「神」の印をつけて歩いた。
しかし、ウラル彦の体主霊従の宣伝歌も勢いを得て、これに狂惑される神人らも多数あった。
そんな中、「神」の字がつけられた神人は、金橋の霊線の鉤にかけられて中空に引き上げられるものが多数出てきた。引き上げられるものの中にも、行いや心がけに応じて、苦しみつつ引っかけられるものもあれば、帯に鉤がかかって易々と金橋に上るものもあった。
中には耳、鼻、あご、首、腕などを鉤にかけられ、苦しみの余り地上に落下してしまうものも沢山に現れた。
このとき、天橋には第二の銀色の橋があらわれ、銀色の霊線を地上に垂らし、中の身魂の神人を引っ掛け始めた。また同じく銅色の橋が銅色の霊線を垂らし、同様に相応の身魂の神人らを引っ掛け上げ始めた。