聖地エルサレムは荒廃のきわみにあった。かつての天使・真心彦の従臣であった国彦、国姫の子ら、真道知彦、青森彦、梅ケ香彦は、祝部神から天教山の教えを聞いて意を決し、神政を復興しようとした。
父母である国彦、国姫を主管者と仰ぎ、三兄弟が神政を補佐することとした。諸方に散乱していた神人らは、この報せを聞いて集まってきた。皆、聖地の神政を待ち望んでいたのである。
しかし国彦、国姫は放縦で節制がなく、三兄弟の諫言も聞かず、再び聖地は混乱に陥ってしまった。
竜宮城の三重の金殿は、諸刃の剣の形となって天に延長してしまった。これを天の浮橋、また弥勒塔という。
三兄弟は橄欖山の大樹を伐って方舟を作らせたが、国彦、国姫はこれを妨害した。
そこへ、盤古神王の一行がウラル山を逃れて日の出神の手引きでエルサレムにやってきた。エルサレムは再び隆盛を見ることになった。
しかし天変地異が起こり、天地は振動し、星は空中に乱れ散り、怪しい音響、雨が滝のように降り注いで聖地も半ば水中に沈んでしまうほどであった。