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文献名1霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
文献名2第8篇 一身四面よみ(新仮名遣い)いっしんしめん
文献名3第40章 三人奇遇〔340〕よみ(新仮名遣い)さんにんきぐう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-06 19:34:51
あらすじ
日の出神は、自分は神伊弉諾大神の落胤である、と名乗った。

世の大立替に際して撞の大神は天の浮橋に立ち、その後天教山に下って八百万の国魂の神を生ませ給い、日の出神に命じて国魂神を間配られ給うのである、と説いた。そして、今後は自分の指示に従ってもらいたい、と八十熊別に諭した。

八十熊別は日の出神の説示を承知し、自分は国治立命の落胤で、高照彦であると正体を明かした。

高照彦は国祖御退隠の後は、八十熊別と名を変えて、阿弗利加の原野に都を造って時節を待っていたのだ、と明かし、日の出神に出会えた嬉しさに涙をこぼした。

日の出神はこのような地にも仕組みを用意していた神様の経綸に思いを致した。

豊日別は立ち上がり、扇を開いて松葉を左手に持ちながら、自ら歌い舞った。その歌で、自分は醜の曲霊に取り憑かれて虎転別と成り果ててはいたが、神素盞嗚大神の隠し給うた御子・豊国別神であることが明かした。

日の出神、高照彦はこの奇遇に神恩の深きを感謝し、国治立大神、豊国姫大神、伊弉諾大神、撞の御柱大神を鎮祭し、天津祝詞を奏上して宴を閉じた。

日の出神は、澄世姫命の神霊を鎮祭し、豊日別を豊の国の守護職に任命した。日の出神は高照彦、面那芸、祝姫とともに筑紫を指して進んでいった。

この島は身一つに面四つあり、豊国、肥国、熊襲国、筑紫国という。この四つの国を総称して、筑紫の洲という。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月02日(旧01月06日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月31日 愛善世界社版245頁 八幡書店版第2輯 122頁 修補版 校定版253頁 普及版104頁 初版 ページ備考
OBC rm0740
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本文  熊公に連れられて、四人の宣伝使は宏大なる構への館に導かれ、種々の馳走は堆高く並べられぬ。数多の侍女は盛装を凝らして果物の酒を取り出し、四人の宣伝使を饗応したり。而して一行は宣伝歌を盛に歌ひ始むる。数多の侍女は松の小枝を手に手に携へて、歌に連れて淑やかに舞ふ。日の出神一行は長途の疲れをここに慰め元気は頓に回復したりけり。
日出神『貴下は熊公と仰せになつたが、初めてお目にかかつた時より、凡人ならじと睨ンでおきましたが、果して我が推量に違はず此国の大酋長なりしか、重ね重ねのお心遣ひ感謝の至りに堪へませぬ。我々は神伊弉諾大神の落胤にして、日の出神と申すもの、世の大立替に際し撞の大神は天の浮橋に立ち、それより天教山に降り玉ひて八百万の国魂の神を生ませ玉ひ、我々をして国魂神を間配らせ玉ふのであります。この後はどうか私の指揮に従つて貰ひたい』
と厳かに云ひ渡したり。
熊公『承知いたしました。私は熊公とは仮の名、国治立命の落胤、高照彦と申すもの、大神の御退隠後は八十熊別と名を変へてこの亜弗利加の原野に都を造り、時を待ちつつあつたものであります。時節の到来か神の御引き合せにて貴き日の出神様との今日の対面』
と云ひながら嬉し涙をボロボロと流しける。日の出神はこの物語を聞いて感に打たれ独語、
『あゝ神様は何処までも注意周到なものだナア。水も漏さぬ神の御仕組、何処の果に如何なる尊き神様が隠してあるか、分つたものでない』
と俯むいて首を傾け、暫くは物をも云はず溜息を吐く。
 日の出神は三人の宣伝使に向つて、
『皆の衆、今の命のお言葉を聞きましたか。世の中にはどンな偉い神様が落ちてござるか分りませぬ。皆さまも是からは、どンな落魄た神でも人間でも侮る事は出来ませぬよ。あゝ今日は何たる結構な日であるか、高照彦といふ立派な神様がこの世界に隠してあるといふ事は、天教山の木花姫より承はつて居りました。何とかしてその御方に一度お目に懸り度と忘れた暇とては無かつたのです。今日は嬉しくも、斯も貴き御方に出遇ひ、何とはなしに心強くなりました』
 末座に控へたる豊日別は立上り、扇を披いて松葉を左手に持ちながら、席上に立つて自ら歌ひ且つ舞ひ始めたり。
『久方の天津空より天降ります  神伊弉諾の大神の
 珍のかくしの御子とます  光も清き日本の
 日出る神の宣伝使  我は輝く肥の国の
 守の神と現はれて  虎転別と名告れども
 その源をたづぬれば  神素盞嗚の大神の
 隠し給ひし珍の御子  豊国別の神なるぞ
 豊国別の神なるぞ  世の荒浪に隔てられ
 醜の曲霊に取り憑かれ  身を持ち崩し虎転別の
 虎狼や獅子熊に  劣らぬばかり荒れ果し
 心の空の村曇り  曇りを晴らす日の神の
 御胤と現れし宣伝使  日の出神に救はれて
 豊の御国の主宰神  任けのまにまに出で来る
 心の空ぞ涼しけれ』
と歌によそへてわが素性を明しける。日の出神も高照彦神も此奇遇に神恩の深きを感謝し、直に神籬を立て国治立大神、豊国姫大神、伊弉諾大神、撞の御柱大神を鎮祭し、天津祝詞を奏上し、一同歓びを尽して宴会を閉ぢたりにける。
 此より日の出神は澄世姫命の神霊を国魂として鎮祭し、豊日別をして豊の国の守護職となし、日の出神、高照彦神、外二人の宣伝使は筑紫を指して足に任せて勇み進み行く。
 この島は身一つに面四つあり、豊国、肥国、熊襲国、筑紫国と区別され居るなり。しかしてこの四つの国を総称して又筑紫の洲といふなり。
(大正一一・二・二 旧一・六 加藤明子録)
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