日の出神は蚊取別に語りかけた。蚊取別は三五教の宣伝使と聞いて、逃げ出そうとする。
日の出神は蚊取別を引き止めて、実は三五教は民には飲むな、といっておいて自分が飲む教えなのだ、と説示する。蚊取別は、それは本当にようわかった神様ですな、と感心している。
日の出神の共の三宣伝使は、日の出神の言いように合点がゆかず、怪訝な顔をしている。
丑三つ時になると、日の出神は何事か祈願を始めた。すると、あたりを照らす鏡のような火の玉が降り、光の甕となって芳しき酒を湛えた。
日の出神は酒を飲もうとする蚊取別の体を霊縛したため、蚊取別は飲もうとしても飲めない状態になった。そのうちに蚊取別の口から焼け石が三個飛び出して甕の中に落ちた。とたんに甕は消えうせた。
これ以降蚊取別は酒がすっかり嫌いになってしまい、三五教を信じることとなった。蚊取別は後に面那芸司の供となって諸方を遍歴し、生き神になることになる。