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文献名1霊界物語 第7巻 霊主体従 午の巻
文献名2第9篇 小波丸よみ(新仮名遣い)さざなみまる
文献名3第48章 悲喜交々〔348〕よみ(新仮名遣い)ひきひきこもごも
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-05-06 19:49:27
あらすじ
祝姫に名を問いかけられた宣伝使は、北光神であった。北光神はなんと、祝姫に対して、蚊取別の思いを聞き入れて結婚せよ、と歌い返した。

祝姫は何よりも忌み嫌う蚊取別の恋慕を迷惑に思っていたので、北光神が蚊取別の思いをかなえることが、世を救う宣伝使の役目だ、と聞かされて倒れんばかりに驚いた。

祝姫は船中に悩み苦しみつつあったが、宣伝使となって立派な功名を立てようという名誉心のために、数多あった縁談をすべて断ってきた自らの行為に思いを致し、これも吾が身の報いと決心した。

そして、北光神、蚊取別に対して、蚊取別と夫婦の契りを結ぶことを承諾する歌を返した。

後に、祝姫は蚊取別によく仕え、また夫婦東西に分かれて神の教えを宣伝することになる。天の岩戸の変において偉勲をたてた雲依彦とは、蚊取別の後身である。太玉姫は、祝姫の後身である。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月02日(旧01月06日) 口述場所 筆録者湯浅仁斎 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年5月31日 愛善世界社版295頁 八幡書店版第2輯 140頁 修補版 校定版305頁 普及版125頁 初版 ページ備考
OBC rm0748
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本文  月照り渡る浪の上を客人を満載したる小波丸は、このローマンスを乗せて波に鼓を打たせつつ、東南に向つて進み行く。祝姫の歌に答ふべく以前の宣伝使は、亦もや立つて声も涼しく歌ひ始めたり。
『常世の波の重浪を  渡りて漸く筑紫嶋
 虎狼や獅子熊の  猛り狂へる熊襲国
 肥の国豊の国越えて  漸うここに北光の
 三五教の宣伝使  目一箇神と謳はれて
 錦の機を織りながら  千尋の海を打渡り
 黄金の山に進み行く  思へば同じ教の船
 同じ教を宣べ伝ふ  この世の曲を祝姫
 蚊取の別に狙はれて  苦き思ひの汝が心
 幾重にも量り参らせる  さはさり乍ら世の中は
 恋はれ恋ふるも前の世の  尽せぬ縁と聞くからは
 仇に捨てなよ祝姫  蚊取の別の顔は
 しこの醜女に似たれども  汝が身を思ふ真心は
 生命かけての恋の闇  闇を晴らして助くるは
 世人を救ふ大神の  心を現はす宣伝使
 幸ひ汝は独身者  何れ一度は夫を持つ
 汝の身の上表面の  花に迷ふな実を求め
 如何なり行くも人の身は  この世を造りし大神の
 心の儘よ祝姫  蚊取の別の妻女なる
 蚊取の姫のその面  花にも紛ふ優姿
 されど心は腐り切り  夫ある身をも打忘れ
 花光彦と手を取りて  今は常世の佗住居
 頼る術なき独身の  男心の哀れさを
 汲みて助けよ祝姫』
と歌ひければ、祝姫は蛇よりもげぢげぢよりも、何よりも嫌なる蚊取別に恋慕され、力限りに遁げ隠れつつありし矢先、執念深くも何処よりともなく蚊取別がこの船に乗りゐて、いやな歌を歌ひしに縮み上り、胸苦しく嘔吐を催す様な思ひに悩みゐたりしが、力と思ふ宣伝使の北光神は、
『蚊取別の燃え立つ思ひを叶へてやれ、それが宣伝使の世を救ふ役だ。幸ひ独身だから』
と勧められたのには倒れぬ許りに驚きける。
 祝姫は心の中に思ふ様、あゝこンな事なら何故もちと早く夫を持つて置なかつた。彼方からも此方からも夫にならう、女房に呉れいと、沢山の矢入れがあつた。その中には立派な男も沢山あつたのに、まあ世界は広い周章てるには及ばぬ、大神様のため世界のために宣伝使となり、一つの功名を立てて立派な神司となつたその上では、どんな好い夫でも立派な男でも持てると思つたのは誤り、あまり玉撰びをして男の切ない思ひを無下に辞つた。その天罰が報うて来て、世界に二人と無いやうな醜い男を夫に持たねばならぬか、それとも、せめて智慧なりと人に優れ、心の高尚な男ならたとへ色が黒うても、ひよつとこでも構ひはせぬが、選りに選つて世界の醜男に添はねばならぬか。あゝ情ない。如何しようぞや。とばかりに船底にしがみついて泣き伏しける。祝姫は決心の臍を固め、またもや立つて歌もて北光神に答へたり。
『昨日に変る今日の空  定め無き世と云ひ乍ら
 浮世の義理に絡まれて  嬉しい悲しい船の上
 嬉しい悔しい波の上  心の浪は騒げども
 なみなみならぬ北光の  神の命の御教は
 我身の胸にひしひしと  釘を打たるる如くなり
 あゝ何事も人の世は  吾身の儘にならぬもの
 切ない思ひの恋男  切ない思ひの我心
 雪と炭ほど変れども  切ない思ひは同じ事
 身の行く末も恐ろしや  頑固心振り捨てて
 汝が命の愛み  酬い奉らむ祝姫
 蚊取の別の宣伝使よ  必ず無情き女ぞと
 憎み玉はず末長く  千代も八千代も愚なる
 妾を妻と愛み  虎伏す野辺も山奥も
 互に手に手を携へて  睦びに睦ぶ玉椿
 鴛鴦の契を何時迄も  続かせ給へよ蚊取別』
と歌をもつて北光神並に蚊取別に承諾の旨を答へたりける。
 茲に祝姫は蚊取別によく仕へ貞節並びなく、婦人の亀鑑と謳はれて夫婦は共に東西に別れて神の教を宣伝し、天の岩戸の変に於て偉勲を立てた雲依彦は蚊取別の後身にして、太玉姫は祝姫の後身なりける。
(大正一一・二・二 旧一・六 湯浅仁斎録)
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