日の出神は、面那芸の司を救うために急遽竜宮に渡ることとし、智利の都への出張を見合わせる、と清彦に伝えた。そして、自分の代わりに智利の都へ入り、三五教を宣伝するように、と言い含めた。
高砂洲には竜世姫神、月照彦神が守護しているので、勇んで行くように、と述べた。そして猿世彦、駒山彦も改心して神の教えに従え、と諭すと、海中に身を躍らせて飛び込んだ。
船中の人々は、すわ身投げ、と驚いたが、よくよく見れば日の出神は巨大な亀の背に乗って、悠々と彼方を指して行ってしまった。
清彦は、自分が日の出神の代理に指名されたことを、猿世彦・駒山彦に自慢している。三人はおかしな問答を交わしているうちに、船は智利の国の港に着いた。
三人は一目散に船を飛び出して、どんどんと奥深くに進んで行く。
清彦は、ここで三人分かれてそれぞれ宣伝しよう、と提案する。猿世彦は清彦を頼って、泣き言を言う。清彦は闇にまぎれて二人を置き去りにしてどこかへ行ってしまった。