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文献名1霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
文献名2第3篇 秘露より巴留へよみ(新仮名遣い)ひるよりはるへ
文献名3第14章 秘露の邂逅〔364〕よみ(新仮名遣い)ひるのかいこう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-04 17:18:58
あらすじ
表玄関から上がってきた声の主は、日の出神であった。日の出神は高座の前に来ると、清彦、蚊々虎に挨拶した。清彦はこの騒動を日の出神に陳謝した。

蚊々虎は日の出神の後ろに控えた淤縢山津見を見て、かつての自分の主人であった醜国別であることを認め、急に態度を変えて手もみしながら挨拶した。

清彦はまた、桃上彦が日の出神と供に現れたことに驚いて声をかけた。醜国別は一同に向かって、自分がかつて大自在天の宰相として悪事を働いたことを明かし、かつ救われて心を改め、竜宮城の門番・淤縢山津見として仕えてきたことを明かした。

また桃上彦も同じく改心して門番・正鹿山津見となり、日の出神にまた救われて今ここに現れたことを明かした。そして清彦についても、最前蚊々虎が述べたとおりの悪人であったが、やはり改心して日の出神の代理となったことを説き明かし、人々の疑いと迷いを払拭した。

日の出神は宣伝歌を歌い始めた。壇上の四柱も、その声にあわせて面白く歌い、かつ舞った。

群集もまた各自手をうち踊り狂い、今までの騒動は消えてしまった。清彦はこれより紅葉彦命と名を賜り、秘露の国の守護職となった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年02月07日(旧01月11日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年6月15日 愛善世界社版89頁 八幡書店版第2輯 183頁 修補版 校定版91頁 普及版39頁 初版 ページ備考
OBC rm0814
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本文  折から表玄関よりツカツカと上り来る三人の宣伝使ありき。宣伝使は直に清彦、蚊々虎の直立せる前に進み寄り、
『オー、清彦殿久し振りだなあ、オー、その方は蚊々虎か』
清彦『ハア、思ひがけなき処にてお目に懸りました。貴下は日の出神様、斯る混乱紛糾の状態をお目にかけ誠に汗顔の至りに堪へませぬ』
と詫入る。蚊々虎は醜国別の顔を熟視し、
『やあ、あなたは御主人様、根の国とやらにお出ましになつたと承はりしに、今如何して此処にお出になりましたか』
と頭をピヨコピヨコさせ手を揉み乍ら恐さうに挨拶する。清彦は桃上彦を見て驚き、
『やあ、あなたは如何して日の出神様と御同行を何されましたか』
と不思議相に尋ねる。数多の人々はこの光景を見て善悪正邪の区別に迷ひ、各自に耳に口を寄せて種々と囁き始めたり。
 醜国別は一同に向ひ、
『満場の人々よ。我は大自在天大国彦の宰相なりしが重大なる罪を犯し、生命を奪はれ根底の国に陥ち行かむとする時、大慈大悲の国治立尊の御取計ひによつて竜宮城に救はれ、乙米姫命の守護らせ給ふ照妙城の金門の守護となり、今までの悪心を改め昼夜勤務を励む所へ、ゆくりなくも日の出神の御来場、茲に救はれて淤縢山津見司となり、桃上彦は正鹿山津見司となり、伊邪那美之大神のお供仕へ奉りて、夜無き秘露の国へ漸く着きたるなり。今清彦の身の上につき蚊々虎の証言は真実なれども、清彦もまた悪心を翻し日の出神の代理として秘露の都に現はれたるものなれば決して偽者に非ず。汝らは清彦を親と敬ひ、よく信じ以て三五教の教理を感得し、黄泉比良坂の大神業に参加されよ』
と宣り了り口を結び玉ふ。拍手の音はさしもに広き道場も揺がむ許りなり。
 日の出神は群衆に向ひ宣伝歌を歌ひ始めたまへば、壇上の四柱もその声に合せて節面白く歌ひかつ踊り舞ひ狂ひける。
『黄金山に現れませる  埴安彦や埴安姫の
 貴の命の作られし  厳と瑞との玉鉾の
 道を広むる神司  大道別の又の御名
 黒雲四方に塞がれる  暗世を照らす朝日子の
 日の出神と現はれて  善と悪とをそぐり別け
 山の尾の上や河の瀬に  猛り狂へる枉津見を
 真澄の鏡に照しつつ  恵みの剣ふり翳し
 醜の身魂を照さむと  山の尾渡り和田の原
 海の底まで隈もなく  清めて廻る宣伝使
 駒山彦や猿世彦  醜国別や桃上彦の
 貴の命の宣伝使  昔は昔今は今
 時世時節に従ひて  白梅薫る初春の
 優雅心になり鳴りて  吾言霊も清彦の
 教に服へ百の人  教に従へ諸人よ
 世は紫陽花の七変り  天地日月さかしまに
 変り輝く世ありとも  この世を造りし神直日
 心も広き大直日  天地四方をかねの神
 珍の御言の麻柱に  世は永久に開け行く
 世は永遠に栄え行く  誠をつくせ百の人
 神の御言を畏みて  身魂を磨け幾千代も
 ミロクの世までも変らざれ  ミロクの世までも移らざれ
 世は烏羽玉の暗くとも  やがて晴れ行く朝日子の
 日の出国の神国と  なり響くらむ天と地
 天地四方の神人よ  天地四方の神人よ
 海の内外の国人よ』
との歌につれて数多の群衆は、各自に手を拍ち踊り狂ひ、今迄の騒動は一場の夢と消え失せ、館の外には長閑な春風吹き渡りゐる。之より清彦は紅葉彦命と名を賜り、秘露の国の守護職となりにける。
(大正一一・二・七 旧一・一一 北村隆光録)
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