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文献名1霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
文献名2第2篇 一陽来復よみ(新仮名遣い)いちようらいふく
文献名3第11章 蓬莱山〔404〕よみ(新仮名遣い)ほうらいざん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-06-27 19:11:36
あらすじ
松代姫は、三五教が黄金山に現れた経緯から歌い始めた。厳のみろくの守り神が瑞霊と現れて、三五教の宣伝使・三葉彦の神魂となった。三葉彦は広道別と名を改めて、黄金山に宮柱を立てた、という。

そして、三五教の神のよさしによって、高砂洲への長旅を無事に終え、親子の対面を果たすことのできた喜びを歌いこんだ。

竹野姫と梅ケ香姫も、言霊歌の慶歌を披露した。最後に従者の照彦が祝歌を歌い終わると、珍山彦は天晴と手を打って祝いの口上を述べた。

主な人物 舞台ウヅの館 口述日1922(大正11)年02月13日(旧01月17日) 口述場所 筆録者東尾吉雄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年7月5日 愛善世界社版86頁 八幡書店版第2輯 305頁 修補版 校定版91頁 普及版35頁 初版 ページ備考
OBC rm0911
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本文  松代姫の歌。
『松は千年の色深く  厳のみろくの守り神
 瑞の御魂と現はれし  三五教の宣伝使
 三葉の彦の神魂  清き尊き玉鉾の
 広道別と改めて  黄金山に宮柱
 太知り立てて神の代を  治め給ひし神業を
 朝な夕なに嬉しみて  天地に願ひを掛巻も
 畏き神の引き合せ  恋しき父に邂逅ひ
 心の丈を語りあふ  今日の月日を松代姫
 待つ甲斐ありて今茲に  松竹梅の姉妹は
 恋しき父に巡り会ひ  又もや母の懐に
 抱かれて眠る雛鳥の  吾身の上ぞ楽しけれ
 吾身の上ぞ楽しけれ  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  千代も八千代も変りなき
 心やさしき五月姫  母の命と敬ひて
 心を尽し身を尽し  力の限り仕ふべし
 あゝ垂乳根の父母よ  親と現はれ子となるも
 遠き神代の昔より  天津御神や国津神
 金勝要の大神の  結び給ひし神業と
 聞くも嬉しき今日の宵  竜世の姫や月照彦の
 神の命の守ります  高砂島は幾千代も
 山は繁れよ野は栄え  花は匂へよ百の実は
 枝もたわわに結べかし  五日の風や十の日の
 雨も秩序をあやまたず  稲麦豆粟黍までも
 豊に稔れ永久に  蓬莱山も啻ならず
 鶴の齢の末長く  亀の寿のいつまでも
 夫婦親子の契をば  続かせ給へ国治立の
 神の命よ豊国姫の  神の命よ平けく
 いと安らけく聞しめせ  天教山にあれませる
 木の花姫の御守りは  千代も八千代も変らざれ
 千代も八千代も変らざれ  神に任せし親と子の
 心は清し惟神  御霊幸はへましまして
 世の大本の大御神  開き給ひし三五の
 言葉の花は天地と  共永遠に栄えませ
 いや永遠に栄えませ』
と述懐歌をうたひ、しとやかに舞ひ納めたれば、竹野姫は又もや起つて、長袖ゆたかに歌ひ舞ふ。
『あゝ有難し有難し  いづの身魂のみ守りに
 うづの都を立ち出でて  えにしも深き海の上
 おさまる胸は智利の国  かがやき渡る天津日の
 きしに昇りて山河を  くもなく渡る四人連れ
 けしき勝れし珍の国  こころも晴るる今日の空
 さかえに充てる父の顔  しら雪紛ふ母の面
 すずしき眼月の眉  せみの小川の水清く
 そそぎ清めし神御魂  たなばた姫の織りませる
 ちはた百機綾錦  つぼみも開く梅ケ香に
 てる月さへも清くして  とこよの暗も晴れてゆく
 なに負ふ清き高砂の  にしきの機を織りなして
 ぬなとも母揺にとり揺らし  ねがひ叶ひし親と子は
 のどかな春に逢ふ心地  はるる思ひの鏡池
 ひびに教ふる言霊の  ふかき恵みを仰ぎつつ
 へに来し夢も今はただ  ほーほけきよーの鶯の
 ま声とこそはなりにけれ  みじかき夏の一夜さに
 むすぶも果敢なき夢の世の  めぐりて此処に親と子は
 もも夜の春に逢ふ心地  やちよの椿優曇華も
 いや永遠に薫れかし  ゆくへも知らぬ波の上
 えにしの船に乗せられて  よを果敢なみつ進み来る
 わが身の上を憐みて  いづの御魂や瑞御魂
 うきに悩める姉妹の  ゑがほも清き今日の宵
 をさまる夫婦親子仲  四十五文字の言霊の
 花も開いて実を結ぶ  結びの神の引き合せ
 娘と父と母神の  今日の団欒ぞ嬉しけれ
 今日の団欒ぞ楽しけれ』
 梅ケ香姫は又もや起つて歌ひ舞ふ。
『ひは照る光る月は冴ゆ  ふかき恵みの父母よ
 みたりの娘を何時までも  よは紫陽花と変るとも
 いつくしみませ永久に  むすぶ縁の糸柳
 ながながしくも親と子は  やちよの春の来るまで
 こころ変らぬ松の世の  ときは堅磐に何時までも
 もも上彦と現はれて  千々の民草守りませ
 よろづのものを救ひませ  ひがしに昇る朝日影
 二日の月は上弦の  みいづかくして世を守る
 よしも悪しきも難波江の  いつしか晴るる神の胸
 むかしの神代廻り来て  なく杜鵑声高く
 八千代の春を祝ふらむ  こころも清き梅ケ香の
 とこよの春を迎へつつ  ももの千花に魁けて
 ちり行く後に実を結ぶ  よろづ代祝ふ神の国
 ひかり洽き神の国  ふかき恵みに包まれて
 みろくの御代を松代姫  よし野に開く花よりも
 いつも青々松緑  むつびに睦ぶ神人の
 なさへ目出度き高砂や  やま河田畑美はしく
 こころも直き竹野姫  ときは堅磐に栄ゆべし
 もも上彦の知らす世は  千代も八千代も限りなく
 よろづ代までも栄えませ  万代までも栄えませ
 思ひは胸に三千年の  一度に開く梅の花
 心のたけのすくすくと  世は治まりて伏し拝む
 み民の心ぞ尊けれ  み民の心ぞ尊けれ
 常世の松代くれ竹野  世のふしぶしに潔く
 色も香もある桃の花  梅ケ香慕ふ鶯の
 声も春めき渡りつつ  血を吐く思ひの杜鵑
 声も静かに治まりて  松吹く風となりにけり
 松吹く風となりにけり  緑滴る夏山の
 霞をわけて天津日の  輝き渡る五月姫
 三月三日の桃の花  五月五日の花菖蒲
 桃と菖蒲の睦びあひ  松竹梅の千代八千代
 栄ゆる御代ぞ目出度けれ  栄ゆる御代ぞ目出度けれ』
と節なだらかに、舞ひ終り座に着きぬ。珍山彦は、
『ヤア、天晴々々、これは秀逸だ。天の数歌を三度も繰返された御手際は、三月三日の桃の花よりも、五月五日の花菖蒲よりも、美はしい、尊い目出度い歌であつた。さあさあ、これからは照彦さまの番だよ』
 照彦は儼然として立上り、声高々と自ら歌ひ自ら舞ふ。
『天地百の神たちの  その喜びをただ一人
 うけさせ給ふ桃上彦の  神の命の宣伝使
 地の高天原を出でまして  御稜威も高き高砂の
 島に現はれ正鹿山  津見の命の珍都
 音に名高き淤縢山祇の  神の命や村肝の
 心の駒山彦司  御稜威輝く蚊々虎の
 名もあらたまの貴の御子  木の花姫の御恵に
 珍山彦と宣り直し  心も晴るる五月姫
 鴛鴦の衾の幾千代も  外へはやらぬ悦びは
 御稜威も高き高砂の  浜辺に繁る松代姫
 世は呉竹野すくすくと  梅ケ香匂ふ神の島
 月日は清く照彦の  神の恵ぞ尊けれ
 波も静かな国彦の  従属の神と諸共に
 珍の御国に永久に  鎮まりまして高砂や
 この浦船に帆を揚げて  月照彦と諸共に
 出潮入潮平けく  いと安らけく凪ぎ渡る
 大海原に浮く島の  国の栄えぞめでたけれ
 国の栄えぞめでたけれ』
 駒山彦は、
『妙々、天晴々々』
と感嘆の声をもらすのみ。珍山彦も手を拍つて、
『天晴々々。天晴れ国晴れ皆晴れよ、晴れよ晴れ晴れ晴れの場所、晴れの盃親子の縁、ここに目出度く千代も八千代も、弥永久に祝ひ納むる』
(大正一一・二・一三 旧一・一七 東尾吉雄録)
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