春山彦が三人の宣伝使をかくまっていることが知れて、同僚の照山彦、竹山彦が家来を引き連れて、捕縛にやってきたのであった。
春山彦は、照山彦・竹山彦を待たせておいて、その間に妻の夏姫を呼び、自分の娘たち、秋月姫・深雪姫・橘姫を宣伝使の変わりに差し出そうと提案した。
夏姫はただ涙にくれていたが、そこへ娘たちはいつの間にか宣伝使の服をつけて両親の前に現れ、自ら身代わりになろうと決心の色を表した。
そこへ松・竹・梅の三姉妹の宣伝使が現れ、春山彦一家の心遣いに感謝しつつも、やはり自分たちが自ら縄につこうと、縛吏の待つ部屋に行こうとする。親子は宣伝使にすがって止めようとする。
照山彦、竹山彦は待ちきれずに春山彦を呼びたてて、宣伝使の引渡しを要求した。松・竹・梅の三姉妹はその場に現れて、自ら縄につき、引かれて行った。春山彦と夏姫はわっとその場に泣き伏した。
そこへ、春山彦の三人の娘と、今引かれて行ったはずの三姉妹の宣伝使が、何事かとやってきた。春山彦夫婦は自分の娘たちも三宣伝使も無事でいることに驚き、思案にくれている。
果たして、捕縛されて行った三姉妹の宣伝使は、何神の化身であろうか。