王仁DBβ版 出口王仁三郎と霊界物語の総合検索サイト 文献検索 画像検索 単語検索 メニュー開く
サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)

文献名1霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
文献名2第1篇 千軍万馬よみ(新仮名遣い)せんぐんばんば
文献名3第1章 常世城門〔431〕よみ(新仮名遣い)とこよじょうもん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-07-16 13:56:40
あらすじ
ロッキー山のふもとの常世城では、大自在天・大国彦が自ら常世神王と称していた。大国彦はまた、自ら日の出神に化け、妻を伊邪那美命と偽って、世を欺いていた。

鷹取別を宰相とし、広国別を常世神王の影武者として、体主霊従の政策を行わせていた。

鷹取別の部下・照山彦、竹山彦(=実は鬼武彦の化身)は、間の国で捕らえた松・竹・梅の宣伝使を護送して常世城にやって来た。そして門番に開門を要求し、自らの手柄を常世神王に奏上せんとした。

門番の蟹彦は、常世神王の指図がなければ門は開けられぬ、しばらく待て、と照山彦・竹山彦一行をさえぎった。竹山彦は通せと蟹彦をしかりつけるが、蟹彦は常世城門番の職掌を楯に、通さない。

蟹彦は松代姫の駕籠を除いて、姫の美貌にしりもちをつき、すっかり肝を奪われてしまった。そして同僚の赤熊に、ちょっとのぞいて見よ、と誘いかける。

剛直無比の赤熊は、蟹彦の体を見てしかりつけた。蟹彦は、この天女の美しさが分からぬ奴は枯木か岩石だ、と逆に赤熊をなじる。

二人がやりあっているところへ、門内から常世神王の入城許可が下りたと報せの声がした。照山彦、竹山彦は松・竹・梅の宣伝使を護送して場内に入っていく。
主な人物 舞台常世城 口述日1922(大正11)年02月19日(旧01月23日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年8月20日 愛善世界社版13頁 八幡書店版第2輯 395頁 修補版 校定版17頁 普及版6頁 初版 ページ備考
OBC rm1001
本文のヒット件数全 0 件
本文の文字数1725
その他の情報は霊界物語ネットの「インフォメーション」欄を見て下さい 霊界物語ネット
本文  東と西の荒海の  浪に漂ふ常世国
 ロッキー山の山颪  吹く木枯に烏羽玉の
 暗にも擬ふ曲神が  暗き心を押し隠し
 白地に葵の紋所  染めたる旗を翻へし
 大国彦の命をば  この世を欺く神柱
 太しく立てむと種々に  心を砕き身を藻掻き
 黄泉国の戦ひに  勝鬨あげて一つ島
 浪高砂の島の面  心筑紫の神国や
 豊葦原の瑞穂国  醜の剣を抜き持ちて
 常世の国の神力を  輝かさむと大国の
 夫の命を日の出神に擬へて  大国姫は伊弉冊の
 神の命と現はれて  心も驕る鷹取別を
 暫し止めて常世神王が宰相となし  体主霊従の政策を
 広国別に事依さし  天下を偽る常世神王とこそ称へけり。
 ロッキーの峰分け昇る天津日に、丸い頭も照山彦や、竹山彦は勇ましく、松、竹、梅の宣伝使、輿に舁がせ数多の供人引き連れて、勝誇りたる手柄顔、肩を怒らし帰り来る。
 常世城の表門に現はれ出でたる二人の上使は、声を張り上げ、
『ヤアヤア門番。照山彦、竹山彦が帰城。一時も早くこの大門を開けよ』
 折から荒ぶ木枯の風。門番の蟹彦、赤熊の両人は、
『ハイ』
と答へて表門をサラリと開けば、長途の旅に疲れ果てたる照山彦、竹山彦も功名心に煽られて、馬上裕に門番を睥睨し、
『ヤア蟹彦、赤熊の両人、一時も早く常世神王に、吾等が手柄を奏聞せよ』
と云ひ捨て中門に進み入る。蟹彦はその名の如く横歩きをしながら大股に中門さして走り来り、
『これはこれは照山彦、竹山彦の御両所様、暫くお待ち下さいませ。常世神王に奏上した上、お指図に任せ下さいますやう』
竹山彦『エイ、何を愚図々々、横さの道を歩むに妙を得たる蟹彦の門番、何彼につけて邪魔をひろぐか、平家蟹のやうな六かしさうなその面は、泣いて居るのか怒つて居るのか恥かしいのか恐いのか、但は酒に酔つたのか、顔の色まで赤熊の、赤門守る腰抜け門番、絶世の美人、松、竹、梅の天女の降臨、常世神王に伺ふも何もあつたものか、早くこの門を開けよ』
と馬上ながら叱りつけたり。赤熊はきつとなり、
『ヤア竹山彦様、それはあまり傍若無人と申すもの。吾等は卑しき門番と雖も、城内の規則を厳守致す大切の役目、たとへ天女の降臨にもせよ、城主常世神王の許しもなく、漫りにこの中門を開くこと罷りならぬ』
と渋々顔。蟹彦はその間に松代姫の輿を一寸覗いて、大地にどつかと尻餅をつき、
『ヤアヤアヤア、ヒヽヽヽ光るぞ光るぞ、光の強い、ダイヤモンドか、天に輝く日輪か、牡丹の花か、菫か、菖蒲か、黒白も分かぬ常世の国に、こんな女神があらうとは、思ひがけない蟹彦の、泡吹き廻つてヘタばつた。ヤイヤイ、赤熊の大将、黒熊のやうな黒い顔を、真赤に致して怒るより、一寸この輿覗いて見よ。白いと言はうか、清しと言はうか、春の弥生の梅か桜か、桃の花か、鼻筋通つて口許締り、紅の唇、月の眉毛、清しい眼玉は三五の月か、髪は烏の濡羽色、いろいろ女もある世の中に、情婦を持つなら、まア、まア、まア……』
 剛直律儀の赤熊は、蟹彦のこの体を見て苦笑ひ、
『常世城の鉄門を守る役目仰せつけられながら、汝の醜態は何の態、確り致せよ』
『オイオイ赤熊、さう赤くなつて怒るものぢやない。この蟹面の六かしき蟹彦の顔の紐でもサラリと解いた天女の姿、堅いばかりが能ではないぞ。貴様は常から枯木の如く、岩石の如く、味もなければ色もない、冷酷無残の人足だ。一寸お顔を拝んで見よ、貴様の心の枯木にも春の花が開くであらう。それにつけても、貴様の鼻は、一入黒い鼻高野郎、それに不思議や、今日この頃は鼻柱がまつ赤いけ、鼻息荒い表現であらうか、朝瓜、鴨瓜、南瓜のやうな妙な面して、茄子のやうにお色の黒い色男、高い鼻をば眺めて見れば、瓜や茄子の顔に似合はず、鼻赤いな』
 赤熊は声を荒らげ、
『千騎一騎のこの場合、何を吐す』
と睨め付け居る。忽ち門内より声あつて、
『照山彦殿、竹山彦殿、常世神王の御機嫌最も麗しく、首を伸ばして待たせたまふ。早くお入りあれ』
 言下に中門サラリと開けたれば照山彦は、
『ヤアヤア皆の者共、遠路の処御苦労なりしよ。各部屋に立ち帰り緩りと休息せよ、ヤア竹山彦殿、続かせられい』
と先に立ち、輿を舁がせ、奥殿深く進み入る。
(大正一一・二・一九 旧一・二三 加藤明子録)
霊界物語ネットで読む 霊界物語ネット
オニド関係の更新情報は「オニド関係全サイトの更新情報」を見れば全て分かります!
王仁DB (王仁三郎データベース)は飯塚弘明が運営しています。 /出口王仁三郎の著作物を始め、当サイト内にあるデータは基本的にすべて、著作権保護期間が過ぎていますので、どうぞご自由にお使いください。また保護期間内にあるものは、著作権法に触れない範囲で使用しています。それに関しては自己責任でお使いください。/出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別用語と見なされる言葉もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。/ 本サイトのデータは「霊界物語ネット」掲載のデータと同じものです。著作権凡例 /データに誤り等を発見したら教えてくれると嬉しいです。
連絡先:【メールアドレス(飯塚弘明)
プライバシーポリシー/0/
(C) 2016-2024 Iizuka Hiroaki