一行は固虎の案内で、シラ山山脈を越えている。ロッキー山は西にそびえている。
珍山彦は淤縢山津見に、ロッキー山の伊弉冊命が本物かどうか、問いかけている。淤縢山津見は竜宮城で別れるときに、伊弉冊命が「ロッキー山に行く」と言っていたことを信じていた。
固虎も常世の国の人民一般は、ロッキー山に現れたのが真の伊弉冊命であると信じている、と言う。
珍山彦は、神様の経綸は表もあり裏もある、と言って、注意を促す。また、ロッキー山に行ってみて、現実が思っていたとおりと違っていても、信仰をぐらつかせることがあってはならない、と諭した。
固虎は、昨冬にここにいる松・竹・梅と同じ名前の宣伝使が常世城に囚われてきて、そのときの騒動で自分は門番から上役に変えられた、とこれまでの経緯を語った。
すると、ロッキー山の方から鬨の声が聞こえてきた。一行はシラ山の山頂でそれぞれ袂を分かち、各自行動することになった。