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文献名1霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
文献名2第1篇 千軍万馬よみ(新仮名遣い)せんぐんばんば
文献名3第23章 神の慈愛〔453〕よみ(新仮名遣い)かみのじあい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-07-28 17:03:35
あらすじ
そこへ大自在天・大国彦がやってきて、常世城の広国別が攻め寄せてきた、と伝えた。そして自分はここで広国別を迎え撃つが、大国姫は黄泉島へ行って神軍と最後の決戦をするように命じた。

大国姫が黄泉島へ向かって出立すると、固虎と淤縢山津見がやってきて、大国彦にロッキー城の落城を告げた。大国彦は慌てて二人を連れてロッキー城に駆けつけると、そこには人影もなく、ただ城門が開け放たれているのみであった。

淤縢山津見と固虎は自らの三五教への改心を明かし、大国彦に降伏を迫った。大国彦は最後の力を振り絞って大刀を抜き放ち、二人に撃ってかかる。二人は剣の下をかいくぐり、表門めがけて逃げ出した。

固虎は逃げながら、三五教の教えのために大国彦に反撃できないことを嘆くが、淤縢山津見は固虎に、敵といえどもすべては神の子であり、神の子を傷つけることはできない、と諭し、大国彦に改心を迫るのはまたの機会にしよう、と告げた。

二人を追って来た大国彦は、この会話を聞いて三五教の仁慈に富んだ教えに心を打たれ、大声をあげて泣きはじめた。大国彦は、泣き声を聞きつけた淤縢山津見に対して、改心を申し出た。

淤縢山津見は大国彦に、これから常世城に向かって広国別を言向け和そう、と促した。三人が常世城に向かうと、常世城の竹山彦らの軍勢は案に相違して、歓呼で迎えた。

これより、常世城とロッキー山には、十耀の神旗が翻った。
主な人物 舞台ロッキー山城、ロッキー城 口述日1922(大正11)年02月25日(旧01月29日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年8月20日 愛善世界社版172頁 八幡書店版第2輯 453頁 修補版 校定版179頁 普及版80頁 初版 ページ備考
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本文  大国姫命は、武虎別と共に、此場の怪しき光景に胆を奪はれ、呆然として何の辞もなく佇み居る折しも、日の出神と称する大自在天大国彦は、四五の従者と共に此の場に現はれ来り、
『ヤア、ロッキー城は大変な事が起つて来た。常世城常世神王、数多の軍勢を引連れ叛逆を企て、味方に於ては淤縢山津見、固虎彦を以て之に当らしめ居れども、始終の勝利は覚束なし。汝大国姫、今より秘かに黄泉島に渡り伊弉冊尊と称して出陣し、味方の士気を鼓舞し以て大勝利を博し、神軍を追払へよ。然らば如何に広国別勢猛く攻め来るとも、汝が武威に恐れて忽ち降服せむ。本城に立籠り、暗々広国別に滅ぼされむは策の得たるものに非ず。吾は是より本城に止りて、寄せ来る敵を待ち討たむ。汝は一時も早く黄泉島に向へ』
大国姫『委細承知仕りました。併しながら怪事多き此城中、十二分の御注意あれ』
と言ひ棄て、天の磐船に乗りて天空を轟かしながら、四五の従兵と共に、黄泉島に向つて急ぎ進み行く。
 この時又もや門外騒がしく、淤縢山津見は、固山彦と共に周章しく入り来り、
『日の出神に申上げます。ロッキー城は、最早刀折れ矢尽き、遂に敵の占領する所となりました』
日出神『エヽ腑甲斐なき奴輩奴。吾は是より広国別の軍に向ひ勝敗を決せむ。淤縢山津見、固虎、吾に続け』
と言ひながら、駿馬に跨り、威風凛々として少数の軍卒を率ゐ、ロッキー山城を後に見て、ロッキー城に向つて駆けつくる。
 ロッキー城に致り見れば、表門は開放され、一人の敵軍もなければ味方の影もなし。贋日の出神は怪しみながら、将卒を率ゐて四方に心を配りつつ奥深く進み入る。見れば、狐の声四方八方より、
『狐々怪々』
 寂として人影もなし。
日出神『合点の行かぬ今の鳴声。アイヤ、淤縢山津見、固虎彦、残る隅なく捜索せよ』
淤縢山津見『オー、吾こそは三五教の宣伝使、今まで汝が味方と云ひしは、汝の悪逆無道を懲さむ為なり。サア、斯くなる以上は尋常に降服するか』
『エヽ』
固山彦『汝は日の出神と名を偽り、ロッキー城に立籠り、神界の経綸を根底より破壊せむとせし悪鬼羅刹の張本、斯くなる以上は、隠るるとも逃ぐるとも、最早力及ばぬ。覚悟を致せ』
日出神『ヤー残念至極、大国姫は黄泉島に向つて進軍し、部下の勇将猛卒は、或は出陣し或は遁走し、今はわが身一つの、如何とも術なし。サア、汝等斬るなら斬れよ、殺すなら殺せよ』
淤縢山津見『アイヤ贋日の出神、よつく聴け。天地の神明は愛を以て心となし給ふ。吾々人間として如何ともなし難きは空気と水と死とである。死するも生くるも神の御心だ。徒に汝が如き命を奪ひて何の効かあらむ。仮令肉体は死するとも、汝の霊は再び悪鬼となりて天下に横行し、妖邪を行ふは目に見るが如し。吾は汝の生命を奪ひて以て事足れりとなすものでない。汝が霊魂中に割拠せる悪霊を悔い改めしめ、或は退去せしめ、改過遷善の実を挙げさせむと欲するのみ。三五教は汝らの主張の如き、武器を以て人を征服し、或は他国を略奪するものにあらず。至仁至愛の神の教、よつく耳を洗つて聴聞せよ』
『オー、小賢しき汝の言葉、聞く耳持たぬ。斯くなる以上は最早吾等の運の尽、鍛へに鍛へし都牟刈太刀を味はつて見よ』
と言ふより早く、太刀をズラリと引き抜いて、淤縢山津見、固山彦に斬つて掛かるその勢凄じく、恰も阿修羅王の荒れ狂ふが如し。淤縢山津見、固山彦は剣の下をくぐり、一目散に表門指して逃げ出す。
日出神『ヤア、卑怯未練な奴。ナゼ尋常に勝負を致さぬか』
固山彦『エヽ残念だ、淤縢山津見さま、如何に三五教の玉の教なればとて、斯の如き侮辱を受けながら、旗を捲き鋒を納めて、この場を逃ぐるは卑怯と見られませう。変事に際して剣の威徳を現はすは、神も許し給ふべし』
淤縢山津見『イヤイヤ、至仁至愛の神の心を以て吾は此場を逃ぐるなり。竜虎共に戦はば勢ひ互に全からず。彼を斬るか、斬らるるか、彼も神の子、吾も神の子、神の御子同士傷つけ合ふは、親神に対して申訳なし。暫く彼が鋭鋒を避けて、更めて時を窺ひ悔い改めしめむと思ふ』
『エヽ三五教は誠に以て行り難い教であるワイ』
と地団駄踏んで口惜しがる。日の出神は見え隠れに後をつけ来り、この話を聞いて大いに驚き、思はず、
『ワツ』
とばかり泣き伏しにける。
固山彦『ヤア、なんだか暗がりに泣声が致しますよ』
淤縢山津見『さうだなア、何だか妙な泣声だ、よく似た声だ。ヤア、暗中に泣き叫ぶは何人なるぞ』
 暗中より、
『私は日の出神と名を偽つた大国彦であります。只今貴方の仁慈に富める御言葉を聞いて、感涙に咽び思はず泣きました。私は今迄の悪を翻然として悔い改めます。どうぞ御赦し下さいませ』
淤縢山津見『ホー、満足々々、斯くならば敵も味方もない、全く兄弟だ。兄弟を助けたさに、吾は宣伝使となつて苦労を致して居るのだ。貴方の知らるる如く、吾も旧は大逆無道の醜国別、神の仁慈の雨に浴し、悔い改めて宣伝使となりし者、かくなる上は貴下と共に是より常世城に進み、常世神王広国別を神の教に帰順せしめむ』
固山彦『ヤア、流石は淤縢山津見さま、本当に感心だ。実地の良い教訓を受けました。サアサア日の出神……ではない大国彦殿、これより常世城に向ひませう』
 嚇し上手の淤縢山津見、固い一方の固山彦、目から火の出る日の出神の、意外な憂目に大国彦、今は全く悔い改めて、心の駒も勇み立ち、三人一同に連銭葦毛の駿馬に跨り、魔神の猛る常世の暗の常世城、群がる敵を物ともせず、神を力に信仰を杖に、生死の境を超越し、勇気を鼓して敵の群衆に向つて、馬の蹄の音勇ましく、ハイヨーハイヨと鞭を加へて進み行く。
 竹山彦その他の部将は、この光景を見て、抵抗するかと思ひの外、馬上より、
『ヤア、大国彦命、ウローウロー、目出度しめでたし、一時も早く奥殿に入らせられよ』
と案に相違の挨拶ぶり、大国彦は怪訝の念に駆られながら、淤縢山津見、固山彦と共に、馬上ゆたかに奥へ奥へと進み行く。今まで雲霞の如き大軍と見えしは、夢幻と消え失せて跡形もなく、奥殿には嚠喨たる音楽響き渡り爽快身に迫る。一同は奥の間に端坐し、天津祝詞を奏上し宣伝歌を唱ふ。
 是よりロッキー城も常世の城も、十曜の神旗翻へり、神徳を讃美する声天地に響き、常世国は一時天国楽園と化したるぞ目出度けれ。
(大正一一・二・二五 旧一・二九 松村真澄録)
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