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文献名1霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
文献名2第2篇 意気揚々よみ(新仮名遣い)いきようよう
文献名3第9章 虎猫〔476〕よみ(新仮名遣い)とらねこ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ(池沢原次郎、池沢原治郎、池沢原二郎) データ凡例 データ最終更新日2022-10-15 00:13:43
あらすじ
時公は、鉄彦の命で梅ケ香姫の護衛をするべく、後を追って来て船中でやっとめぐり合えたところ、勝公が梅ケ香姫に襲い掛かろうとしたので、助けたのであった。

時公に捕まった勝公は、あべこべに三五教の教えを楯にして、許しを請う。梅ケ香姫も時公も、勝公のちゃっかりした物言いに思わず笑ってしまう。

八公、鴨公も時公の強さに恐れ入って降参するが、勝公は軽口をたたいて皆を笑わせている。そして船中にわかに一同は三五教に改心し、コーカス山に魔神を言向け和しに乗り込むこととなった。

おりしも、船は明志の湖の西岸のタカオに到着した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月01日(旧02月03日) 口述場所 筆録者池沢原次郎 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月10日 愛善世界社版88頁 八幡書店版第2輯 545頁 修補版 校定版88頁 普及版37頁 初版 ページ備考
OBC rm1109
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本文  梅ケ香姫は乱暴者に三方より攻めかけられ稍困りゐる、其処へ時公が現はれて勝公を懲して呉れたのでヤツト胸を撫で下し、
梅ケ香姫『ヤア時さま、よい処へ来て下さつた、五月蝿いお方で宣伝したつて聞く耳のない蛸の様な方ですからな』
時公『あゝ左様で御座いませう。北の森の人間はこの界隈でも一番没分暁漢の居る処ですから』
梅ケ香姫『貴方、クス野ケ原の開墾は何うなさつたの』
時公『ヤア、開墾も開墾ですが、御主人が……何うも梅ケ香姫様のお身の上が案じられてならない、可愛い娘の生命を助けて下さつた方ですから、村中の者を喚んでそれに開墾させる、お前は跡を慕つて目的を達せられるまでお伴をせよ……と仰有つたので、渡りに船だ、何時までも百姓をして居るより貴方のお跡を慕つて、知らぬ国を宣伝歌を歌つてぶらつくのも、時に取つての楽みと喜び勇んでやつて来ました処が、皆さまの行衛を見失ひもう此湖を渡つてあちらへお出でになつた事と思つて、船の中に乗込みグツスリと寝入つて居ました。処が何だかワイワイと喧嘩の様な声に目を覚まし見れば貴方のお歌、嬉しや神様のお引合せと思つて居る矢先に、勝公とやらが暴れかけたものだから一寸悪戯をして見ました』
梅ケ香姫『あゝ左様だつたのですか、これからこの勝さまを何うなさるの』
時公『まだ腹案がありませぬ、何うなとする積です』
勝公『モシモシ時さま、負けて勝つのが勝さまの筆法だ、勝つて兜の緒を締めるといふ事があるが、貴方も三五教の宣伝使の強力と見えるが、唯何事も人の身は直日に見直し聞き直し、身の過ちはのり直せといふ宣伝歌を御承知か』
梅ケ香姫『ホヽヽヽ、まあ勝さまの頓智の好い事』
時公『エイ仕様がない、反対に逆襲しやがつてよう神様を笠に被る奴だ』
勝公『それが神様の教です、矢張り神様は豪いものですなア。お神酒あがらぬ神はないとやら、酸いも甘いもよく知つて居られる、貴方は宣伝使だから酒は飲んだら悪いか知らぬが、お神酒はいくらあがつても差支ありますまい』
時公『オイオイ勝さま、何うやらお前が宣伝使の様だ、丸きり俺がお説教を聞いて居る様だな』
勝公『それはさうですとも、三五教は天地が覆ると云つたのぢやから、天が地となり地が天となり天地顛倒だ。貴方は人の苦しむのを見て天としてカヘリ見ぬといふ調子だが地と神の慈悲といふ事を知つて居ますか』
梅ケ香姫『ホヽヽヽ、たうとう勝さんも三五教に負けましたな。これから「負さま」と名を改めなさい』
勝公『ハイ、大神のまけのまにまに』
時公『洒落ない、この寒いのに洒落どころか』
勝公『洒落どころか、酒所だ。マア一寸酒が悪けりやお神酒でもあがつてから、その六かしい顔を直して梅ケ香さまのお酌を願つて一杯やつたら如何だ。さうすればお前さまの七六かしい顔も一度に開く梅の花だ。オイ八、鴨、何をクスクス笑ひやがる、此処はクス野ケ原とは違ふぞ』
八公『オイ勝公、上には上があるものだな。貴様が強い奴だと思つたが今日の態は何だ』
勝公『なに俺は強いのだ、向方はも一ツ強いだけの事だ』
鴨公『強い事は強いが負惜みばかり強い男だから可笑しいワイ』
時公『オイ勝公どつこい勝さま、お前さまは今までウラル教の手先をやつてゐたと云ふ事だが船の中では猫を被つて居て上陸したが最後、また目を剥き爪を立てて虎猫の真似をするのぢやないか』
勝公『トラ、猫から分りませんな。併しながら人は神の子、神の宮だ、勝さまの身魂の中へ木花咲耶姫さまがお鎮まりになつて仰有るのだ。勝さまは矢張り勝さま、懸つた神さまは神さまだ。私の肉体を拝むと思うたら当が違ふが、神さまを拝むと思つてサアサア梅ケ香さま、時さま、拝んだ拝んだ。有難いぞ、勿体ないぞ、何でもよう聞かはるぞ、お神酒を供へぬか』
時公『馬鹿にするない、此花も彼の花もあつたものかい。獅子舞の様なはなをしやがつてハナハナもつて不都合千万だ』
勝公『余り寒いので冷酒も気が利かぬから一寸火を入れて神憑りになつたのだ』
一同『アハヽヽヽヽ』
梅ケ香姫『オホヽヽヽ』
勝公『アヽヽヽヽとか、ホヽヽヽヽとか余りアホアホと云つて呉れない。皆寄つて集つてアホアホ云ふ声がゴツチヤになつて仕舞つて面白くもない。此間も三五教の宣伝使の北光の神とかが北の森で小六かしい説教をして居た其時に、世の終りが来て、世間の人間が今叶はぬと云ふ最後の五分間になると、色々の宗教を信仰して居る者も信仰せぬ奴も叶はぬ時の神頼みと云つて、夫々の宗教を拝む声が一ツになつて、南無アーメン法蓮陀仏、とほかみゑみため、助け給へ、かんながら妙々と聞えるので神さまも何れが何うだか聞くのに困るから、世間の奴が助かりたい助かりたいと一ツになつて、「かむながらたまちはへませ」と云ふ声の聞える奴だけ助けてやると云うて居た、それと同じ伝だ。一時に声を揃へてアホアホと俺を云うたところで、足並がドツコイ舌並が揃はぬものだから、間の抜けた顔をして笑ふのだろ。ホントにあほらしい』
八公『オイオイ勝公、そない怒るな。あの海上を見い、貴様の友達のアホ鳥が羽を拡げて空中を自由自在に翔廻つて居るぢやないか。あいつはアホ鳥と云ふけれど字で書くと信天翁だ』
勝公『ヤアよくのり直して呉れた、天教山の神の教を信ずる翁だ、白い髭は生えて居らぬけれど、やがてオキナ手柄をして帰つて来る瑞祥だ。オイ八公、鴨公、貴様も信天翁になつて今までのウラル教を掌を覆した様に打遣つて、三五教の信者となつて、いよいよコーカス山に悪魔退治と出掛けたら如何だ』
八公『貴様が改心する程だから屹度良い教だらう。貴様から宣伝使さまに願つて呉れないか』
勝公『願ふも頼むもあつたものか。宣伝使様は神のお使だから、直接に貴様が神さまに願つたら可いのだよ、ナア梅ケ香姫様、勝公の申す事は間違つて居ますか』
梅ケ香姫『それでよろしい、マアマアようそんな気になつて下さいました。神様は有難いお方です』
時公『三五教、万歳…………』
 かく話す折しも、船は西岸のタカオの港に安着したりけり。
(大正一一・三・一 旧二・三 池沢原次郎録)
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