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文献名1霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
文献名2第1篇 天岩戸開(一)よみ(新仮名遣い)あまのいわとびらき(一)
文献名3第1章 正神邪霊〔497〕よみ(新仮名遣い)せいしんじゃれい
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2020-11-11 23:07:37
あらすじ
神伊邪那岐大神の命によって、海原に漂う国を治めようと速須佐之男大神は、さまざまに心を砕いて、四天使を四方に使わして神人を教化せしめた。

しかし服する神人は少なく、荒ぶる神はそこかしこに湧き起こった。

日の出神や木花姫命のはたらきにより、一度は平らかに治まったが、その御世も夢のように過ぎ去って、再び曲津神の荒ぶ世の中になってしまった。

神素盞嗚大神は、地教山を出てコーカス山に現れ、正しい神人らを呼び集め、曲津神を言向け和そうとしつつあった。

磐楠彦の三人の息子・高光彦、玉光彦、国光彦は、神素盞嗚大神の命を受けて、筑紫島の豊の国の宣伝に赴いた。

邪神に憑依されたウラル彦は、鬼武彦ら白狐らに包囲され、ウラル山に押し込められて活動できずにいた。ウラル姫はコーカス山に根拠を定めようとしたが、神素盞嗚大神の勢力に奪われた。

曲津神たちはアーメニヤの都から四方八方に散り、世界各地で悪逆無道の限りを尽くすに至った。地上は闇に閉ざされ、各所に争いが起こった。

神素盞嗚大神は心を痛め、母神・伊邪那美大神の在す月界に還ろうとまで思いつめるまでに至った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年03月06日(旧02月08日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年9月30日 愛善世界社版9頁 八幡書店版第2輯 629頁 修補版 校定版9頁 普及版3頁 初版 ページ備考
OBC rm1201
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本文
 高天原の神司  神伊邪諾の大神の
 任しのままに海原に  漂う国を治めむと
 速須佐之男の大神は  千々に心を悩ませつ
 御霊幸ひましまして  天津御空に月照彦の
 神の命や足真彦  教を四方に弘子彦の
 神の命を遣はして  大海原に群集る
 百の神人言向けて  直日の道を諭せども
 まつらふ神は少名彦  豊国姫の活動も
 大海原の潮沫と  なりて消え行く浅猿しさ
 八束の髯は胸先に  長き年月世を憂ひ
 神を思ひて泣き給ふ  荒振る神の訪ひは
 五月蠅の如く皆湧きて  万の妖ひ悉く
 むらがり起り青山は  枯山の如泣き涸し
 海河ことごと泣き干しぬ  国治立の大神の
 心を千々に砕かせつ  固め給ひし海原の
 国の八十国八十島は  日の出神や木の花姫の
 神の命の活動に  一度は聖く平けく
 浦安国と治まりて  神人歓ぎ楽しみし
 その祥代も夢の間の  夢と消え果て醜神の
 伊猛り狂ふ世となりて  天足の彦や胞場姫の
 魂より出でし曲津神  八岐大蛇や曲狐
 醜の枉鬼八十曲津  天の下をば縦横に
 荒び疎びて常暗の  世とは復びなりにけり
 神素盞嗚の大神は  地教の山を後にして
 魔神の巣喰ふコーカスの  峰に現はれましまして
 正しき神を招集へ  両刃の剣抜き持たし
 枉言向けて天の下を  浦安国と平らけく
 造り成さむと思召し  千座の置戸を負はせつつ
 世人を救ふ瑞霊  深き恵みを白瀬川
 一二三四五つ六つの瀑布  心筑紫や豊の国
 磐樟彦の珍の御子  高光彦や玉光彦
 国光彦に言依さし  清めますこそ尊けれ。
 常世彦の後身なるウラル彦は、八岐大蛇の霊に憑依されて、自ら盤古神王と詐りウラル山に立籠り天が下四方の国を体主霊従の教に帰順せしめむとし、百方心力を尽しつつあれども、ウラル山に接近せる大江山に鬼武彦数多の眷族を引伴れて、固く守り居れば流石の邪神も、跋扈跳梁するに由なく、一方常世姫の後身ウラル姫は大気津姫と現はれて、アーメニアの野に神都を開き、東西相応じて体主霊従の神策を行はむと、数多の魔神を使役して筑紫の島を蹂躙し、瀬戸の海、呉の海を根拠と定め、縦横無尽に活躍せむとしたるも、エルサレムの旧都に在る橄欖山(一名黄金山)下に埴安彦神、埴安姫神現はれ給ひて、天教、地教の両山と共に相呼応し麻柱の教を以て清き言霊を詔らせ給へば、流石の曲神も進退維れ谷まり、第二の策源地としてコーカス山に根拠を定めたりしが、又もや三五教の宣伝使の為に追ひ払はれ、今は殆ど策の施す所なく、アーメニアの都を捨て、八百万の曲神は四方八方に散乱し、筑紫の島を初め高砂島、常世の島、豊秋津島、竜宮島等に死物狂ひとなつて、悪逆無道の限りを尽すこそ歎てけれ。
 地上は復び妖気に充され、天日暗く、邪気発生して草木色を失ひ、闘争所々に起り、悪病蔓延し復び常世の闇と一変して、諸神、諸人の泣き叫ぶ声は、天地に充満するに至れり。然るに悪神等は、アーメニアを死守して勢ひ侮るべからず、ウラル山又看過すべからざる形勢にあり。変幻出没極まり無き魔神の活躍は、日に月に猛烈となり収拾すべからざる惨状を呈するに至りたれば、神素盞嗚大神は大に之を憂ひ給ひて、母神の在します月界に還らむかとまで、心を痛め給ひつつありける。
 あゝ此の闇黒の世は如何にして、再び元の理想の神世に復るべき道のあるべきや心許なき次第なりける。
(大正一一・三・六 旧二・八 外山豊二録)
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