黄泉島の沈没により、波斯の海面は水かさが増し、低地は冠水してしまった。波斯の港に向かう鶴山丸には、日の出別命をはじめ、ほかにウラル教の宣伝使らが数名乗り込んでいた。
ウラル教の宣伝使たちは、竜宮島に渡って三年間宣教を行ったが、竜宮島の司である三五教の飯依彦の堅固さに打ち破れず、すごすごと帰ってきたのであった。
一同は、この失敗をどうアーメニヤに復命したものかと、思い悩んでいる。
突然、鶴山丸は暴風怒涛に襲われ、船は沈没するかと見えた。しかし三五教の日の出別命は、ウラル教の宣伝使たちに、正しい道に立ち返るように呼びかける宣伝歌を歌った。すると、暴風はたちまち鎮まった。
ウラル教宣伝使のリーダー・岩彦は、仲間の梅彦、音彦、亀彦、駒彦、鷹彦に、なんとか三五教の宣伝使を打ち負かそうと案を募るが、亀彦や梅彦は、三五教の神力に降伏して向こうの弟子になろう、と言い出す。
三五教の宣伝使とあくまで戦うのか、降伏するのか、一同が思案しているところへ、またしても暴風雨がやってきた。