大正十年九月八日の正午ごろ、深き神の道により神の力が現れて、神の出口の王仁三郎が二十四年の光陰を照らすはいよいよと、鍛えた十握の剣を抜き放ち、曲津の企みを斬りまくる。
五六七の神の御陰によって筆の運びもいと早く、諸々の妨げにもかかわらず、この畏き神代の物語を、五百六十七節までも書き終わった。
十四巻では、神幽現界・三千世界の霊柱である三五教の宣伝使・日の出別神に従う音彦、弥次彦、与太彦らが、猿山峠の森林でウラル教の目付けらに取り囲まれて、千尋の谷間に飛び降りて気絶し、幽界の路をたどる物語から始まる。
三途の川で脱衣婆に出くわし、面白おかしくかけあいをなし、大法螺を吹いて山を遠ざけ、銅木像に煙に巻かれてアフンとしたとき、日の出別一行に呼び覚まされた。そして十八峠では突風に吹き飛ばされて、弥次彦と勝彦がまたもや幽界に飛ばされた。
一途の川の二人婆や、ホシイホシイと泣言の欲と高慢の出刃包丁、男子と女子の争論の果ても知らない長い旅、六公・お竹のロマンスやらを詳しく写した物語である。
比翼連理の蒸し返し、面白おかしく述べ立てた。夢とうつつとまぼろしをとりとめもなく吹きまくり、煙に巻いたこれの巻。あなかしこ、あなかしこ。