一行が脱衣婆に別れを告げて西へと進んで行くと、山に行く手をさえぎられた。天津祝詞をあげると、山は数十里の彼方へと退散して道が開けた。
突然、土中から見上げるばかりの大きさの銅木像が現れた。銅木像は、自分は機械であって、腹の中へ入れば機械装置で自分を操ることができるのだ、と告げた。源五郎は鼻の穴から銅木像に入って操ることになった。
源五郎が入った銅木像は、自分はウラル教の大目付だと大声を放つと、鼻の穴から黒煙を噴出した。次に、水洟を滅茶苦茶に四方八方に噴出した。
また、源五郎の銅木像は、着物を奪われた恨みとばかりに、熱い小便茶を噴出して一同にかける。音彦だけは面白がって、平気でこの光景を楽しんでいる。
銅木像は弥次彦、与太彦とおかしな問答を交わすと、どこかへ行ってしまった。すると、向こうから日の出別宣伝使ら一行がやってくるのが見えた。
気がつくと、三人は小鹿峠のふもとの川べりに気絶していて、日の出別宣伝使ら一行の鎮魂によって救われたところであった。