鬼熊別と蜈蚣姫は宣伝使らが三嶽の岩窟を破って鬼ケ城に進んできたことを知り、城内の兵士を集めて作戦会議を開いた。
荒鷹、鬼鷹は、紫姫、丹州、鹿公、馬公とともに言霊戦に立ち向かうことを申し出、鬼熊別・蜈蚣姫の許可を得た。
鬼ケ城側が防戦準備をしていると、加米彦が寄せ手として宣伝歌を歌いながら進んできた。
加米彦の宣伝歌に鬼ケ城の士卒たちは苦悶の態を現したが、鬼ケ城からは丹州が応戦した。丹州の歌は、鬼熊別を弁護するようでいて、それとなく改心を勧める歌であった。
続いて夏彦が、攻撃側として宣伝歌を歌うが、こっけいな言霊で、加米彦からからかわれる。
守備側の鬼ケ城では、鹿公が立って防戦の歌を歌うが、これもまたこれまでの経緯を滑稽に歌った歌で、歌い終わると鹿公は、一目散に三五教の陣に走ってきて降伏してしまう。
鹿公の様子のおかしさに、宣伝使一同は吹きだす。